前半は、ちょっぴりコミカルで、ヘタレ男子の恋愛ドラマという雰囲気が濃厚。しかし、ゆっくりと危険な空気が忍び寄り、映画の真ん中でムードが一変! 軽めのドラマが、衝撃のサイコスリラーに変わる瞬間の、背筋も凍るドキドキ感がたまりません。

人を殺すことに、まったく抵抗がない森田というキャラクターは、原作コミック(古谷実)でもハイレベルな不気味さですが、この実写版では、森田剛が別次元の恐ろしさを名演します。徹底的に感情を押し殺したセリフ回しで、相手を脅し、最後は残虐な行動に出る。あまりに極端な人格なのに、日常生活にフッと現れそうな生々しさなのです。これまで舞台などで強烈な役が多かった森田剛にとっても、ひとつの集大成になりました。

とはいえ、冒頭に記したように、濱田岳とムロツヨシの、いい意味での噛み合ない会話など、笑いのツボがたくさんありますし、ラブシーンが意外に濃厚だったりと、サプライズな見どころが多い一作です。そして、この映画版では、森田の犯行の動機が、原作より少しだけわかりやすく描かれています。物語がひとつの「決着」を迎えたとき、人間の運命の切なさを感じることでしょう。


2016年5月28日(土)TOHOシネマズ 新宿ほか全国公開
『ヒメアノ~ル』

画像: ©2016「ヒメアノ~ル」製作委員会

©2016「ヒメアノ~ル」製作委員会

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