家に侵入して夫婦を惨殺した容疑者が、整形して逃亡を続けるという、今から9年前に起こった実際の殺人事件を連想させる本作。3ヶ所に突然、現れた身元不明の3人の男。いったい誰が犯人なのか? それとも……。東京、沖縄、そして千葉の漁港で展開する3つの物語が、場面の切り替えに、前後の両シーンをつなぐセリフや音、映像が使われるなど、完璧なタイミングで交差していきます。鮮やかな場面転換の連続で、3つの物語すべてにぐいぐい引き込んでいく演出が、この『怒り』のすばらしさでしょう。

監督の李相日と原作の吉田修一は、『悪人』と同じコンビ。さらに『悪人』で主役を演じた妻夫木聡も出演しています。その妻夫木がゲイの青年で、宮﨑あおいが歌舞伎町から千葉に戻ってきた役など、それぞれチャレンジ度が高いキャラクターを、全キャストが完璧に演じているのも本作のポイントです。「3人の男」は松山ケンイチ、綾野剛、森山未來で、外見はまったく違うのですが、物語が進むにつれ、同一人物にも見えてくる(ここも本作のポイント!)のは、映画のマジックです。

沖縄の海や空の美しさなど、すでに原作を読んでいる人も、映画ならではの魅力を堪能できるはず。そして原作を未読の人は、できるだけ知識を入れないで本作に向き合ってほしいと思います。誰かを「信じる」ことの危うさ、大切さ。そして「信じられなかった」ことの哀しさや後悔が、観る人すべての心に深く突き刺さり、観た後しばらくは突き刺さった何かの感触が消えない……。2016年の日本映画を代表する一本になるのは間違いありません。

9月17日(土)より全国東宝系にて公開
『怒り』オフィシャルサイト

画像1: (C)2016映画「怒り」製作委員会

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