今年のカンヌ国際映画祭の「ある視点」部門で見事、審査員賞を受賞した本作。「ある視点」なので、エンタメ作品とは真逆の作家性の強さが認められたわけですが、「アート志向」とうわけではなく、ぐいぐいと心を鷲掴みにする強烈な一作です。

小さな金属加工工場を営む夫婦の元に、フラリと怪しげな男が現れたのをきっかけに、一家が壮絶な運命に導かれていく物語。男は、一家の主人の旧友なのですが、彼らには秘密の過去があるよう。そして一家の妻は、突然現れた男のさり気ない「誘惑」に我を忘れてしまい……と、とにかく全編、危険な予感で、スクリーンには張りつめた空気が漂い続けるのです。

男を演じるのは、浅野忠信。うつろな瞳。その奥にたたえた狂気。感情のないセリフ回しと、日本映画でこの役にこれ以上ぴったりな俳優はいないでしょう。真綿で首を締められるようなジワジワとくる恐怖感は、映画の後半、思わぬ事件によって急激に高まります。当たり障りのない感動を求める人には、正直言って、キツい作品かもしれません。経験したことのない衝撃を味わいたい人にとって、この『淵に立つ』は、しばらく忘れられない一本になることでしょう。

10月8日(土)より、有楽町スバル座ほか全国ロードショー
『淵に立つ』

画像1: (C)2016映画「淵に立つ」製作委員会/COMME DES CINEMAS

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