アメリカ最大の人口グループとなったミレニアル。自己愛が強い、ルールに従わないというネガティブなイメージがある一方で、その軽やかで柔軟な価値観が、社会の進歩をおしすすめている。これからのアメリカを背負うミレニアル女子たちの提唱する、「自分を受け入れる」価値観を考察した。

「ミレニアル」と呼ばれるのは現在20歳手前から30代中盤までの若者たち

画像: 「ミレニアル」と呼ばれるのは現在20歳手前から30代中盤までの若者たち

2015年、ミレニアルと呼ばれる世代が、これまで最大だったベビーブーマー世代を超えて、ついにアメリカ最大の人口グループになった(ピュー・リサーチ・センター調べ)。その数、なんと約8000万人以上。ミレニアルと呼ばれるのは、1982年から1997年の間に生まれた、現在20歳手前から30代中盤までの若者たち、つまり1946年から1964年に生まれたベビーブーマーたちの子や孫にあたる世代である。

ミレニアルとはどんな若者たちなのか

「こうあるべき」という社会の規範にとらわれない

画像: ミレニアルとはどんな若者たちなのか

既存のルールを無視する自分好き世代というイメージのアメリカのミレニアルたち、常に楽観的でポジティブ、デジタル感覚に鋭く、野心も強いから、ソーシャルネットワークを使いこなしながら軽やかに社会の階段を上がっていく。

また、コミュニティ感覚や帰属意識が強く、一人作業よりもコラボレーションを好む一方で、自己愛は強く、個人主義的な一面もある。

限りなく縛られない自由なロマンス観

枠組みや常識、セクシュアリティによる見えない境界線を超える

画像: 限りなく縛られない自由なロマンス観

ミレニアルは自由である。「こうであるべき」という社会の規範にとらわれない。ソーシャル・ネットワークやオンラインやアプリ・ベースのデーティング(出会い)サービスとともに育った世代なだけに、恋愛観も軽やかだ。そして恋愛のゴールは結婚であるという意識はどんどん薄くなっている。それはアメリカの若者が最初の結婚をする年齢がどんどん遅くなっていることからも明白だ。

ミレニアルは、これまでのどの世代に比べてもより「ジェンダー・フルイッド」、つまりジェンダー観が流動的とも言われる。自分が女である、男である、という意識が、かつての世代よりも薄く、またジェンダーによって縛られる価値観を拒否する傾向が強い。

ミレニアルのセクシュアリティ(性意識)についての調査結果を見てみると、「ストレート」「ゲイ」という既存のアイデンティティに、自分は当てはまらないと答える割合が史上最高に多く、ロマンスの相手を選ぶ基準は性別以外のところに置き、相手次第で同性を好きになったり、異性を好きになったりする「パンセクシュアル」の数が増加傾向にある。

ミレニアルたちが選ぶロール・モデル

すっぴんを選択したアリシア・キーズ

画像1: ミレニアルたちが選ぶロール・モデル

シンガーのアリシア・キーズ(1981年生まれ)が最近、夏にアワードショーやテレビ番組に素顔で登場して、すっぴん宣言をしたのには驚いた。

アリシアは、メイクアップ・フリー(メイクなし)の決断についてこう語った。
「神に、革命でありますようにと祈ってる。だってもうカバーアップしたくない。顔も、心も、魂も、考えも、夢も、苦悩も、精神の成長も。何もかも」

アリシアの決断は、もちろん大騒ぎになったし、フォーマルな席にすっぴんで出席するなんて失礼だ、という反応も少なくなかった。けれど、アリシアはツイッターでこんなメッセージを発した。

「私がメイクアップ・フリー(メイクなし)を選んだからといって、アンチ・メイクだということにはならない。Do you !(あなたはあなたをやればいい)」

みんなひとりひとりが、「自分」をやればいい。解放感をもたらしてくれるなんと素敵なメッセージだろうか。

画像2: ミレニアルたちが選ぶロール・モデル

ミレニアルの価値観が社会を変えつつある、そしてこれからも社会の価値基準をミレニアルたちが変えていくだろうことは想像に難くない。

大人たちが決めた枠組みや常識、そして性やセクシュアリティによる見えない境界線を超えて、「自分」を追求するミレニアルたちの活躍を、私は痛快に思う。そして、社会が「個」が暮らしやすい場所にどんどんなっていったらいいなあと想像してにやけるのだ。

 
※フラウ2016年11月号より一部抜粋

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画像1: 佐久間裕美子 アメリカの「ミレニアル女子」の新しい生き方 画像2: 佐久間裕美子 アメリカの「ミレニアル女子」の新しい生き方 画像3: 佐久間裕美子 アメリカの「ミレニアル女子」の新しい生き方

 

プロフィール

佐久間裕美子
ニューヨーク在住ライター。食の革命、メイド・ローカル・ブームなどを追いかけた『ヒップな生活革命』(朝日出版社)で知られる。翻訳本に『テロリストの息子』など。女性の生き方を考える「ピンヒールははかない」を幻冬舎Plusで連載中。

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