忙しい日々の中では、自宅と職場を往復するほんの少しの時間さえ惜しくなる。仕事場であるアトリエにより近い場所に移り、毎日をもっと快適にしたいという思いから引っ越しを決意したというSHIORIさん。

美容師の夫と2人、昨年の7月から住んでいる築48年のリノベーション物件は、実は購入までに長く険しい道のりがあったとか。
 

画像: インテリアは、パッと見の〝これ好き!〞という気持ちで集めたものばかり。 ソファは『PACIFIC FURNITURE SERVICE』で購入。右のテーブルはデンマーク、2つの丸テーブルはインドと生産地もバラバラだが、自然に統一感が生まれている。

インテリアは、パッと見の〝これ好き!〞という気持ちで集めたものばかり。
ソファは『PACIFIC FURNITURE SERVICE』で購入。右のテーブルはデンマーク、2つの丸テーブルはインドと生産地もバラバラだが、自然に統一感が生まれている。

「新しい家が見つかる前に、住んでいた家に買い手がついて売れてしまったんです。その後も気に入った物件が全然なく、だんだん前の家を売ったことも後悔し始めて(笑)、もうどうしようかと思っていた時にやっと出会ったのがこの家で。

フェイスブックで流れてきた内観写真を見た瞬間に〝ここだ!〞と思い、購入を決めたのが '15年の年末。決め手は、2部屋をつなげた間取りと広さと、日当たりの良さ。あとは夫の強い希望だった広いテラスですね」
 

画像: 右奥の冷蔵庫からカウンターまで、片道1本の動線でつながれたキッチン。もとからあったように見える吊り棚やシンク下の収納も実際は新品で、全て理想通りに作ってもらった。 「真新しい感じがあまり好きじゃないので、塗装と加工で古びた雰囲気にしてもらいました。それに合わせた右手前の棚はヴィンテージで、イギリスのG-PLANのもの」。

右奥の冷蔵庫からカウンターまで、片道1本の動線でつながれたキッチン。もとからあったように見える吊り棚やシンク下の収納も実際は新品で、全て理想通りに作ってもらった。
「真新しい感じがあまり好きじゃないので、塗装と加工で古びた雰囲気にしてもらいました。それに合わせた右手前の棚はヴィンテージで、イギリスのG-PLANのもの」。

その後、全面的なリノベーションを施して現在の形に。施工業者の選択から家具のセレクトまで、インテリアに関わることは全てSHIORIさんが決めたそうだ。

特にこだわりたかったキッチン周りは、アトリエのキッチンをお願いして以来、信頼している『かきたて』に依頼。冷蔵庫から食材を取り出して下処理をし、調理して食卓に出すまでの一連の動きを考え抜いた配置で、随所に料理家らしいこだわりが詰まっている。
 

画像: カウンターはモルタルやステンレスの冷たい質感を組み合わせて、よりモダンに。 「基本は木目の風合いが好きなのですが、全部だと今の自分にはほっこりしすぎなので。カウンターの椅子は、既製品ですが、表面をヤスリでこすって使い込んだ雰囲気を出し、まわりのヴィンテージ家具となじませています」

カウンターはモルタルやステンレスの冷たい質感を組み合わせて、よりモダンに。
「基本は木目の風合いが好きなのですが、全部だと今の自分にはほっこりしすぎなので。カウンターの椅子は、既製品ですが、表面をヤスリでこすって使い込んだ雰囲気を出し、まわりのヴィンテージ家具となじませています」

「私はもともとキッチンだけが独立した形を考えていて、リビングに面したカウンターは夫からの提案だったんです。実際使ってみると料理を作りながらみんなと一緒に会話できるので、今はこれにして本当によかった!

夫とはお互い仕事が忙しいこともあり、今までは飲みに行くのもおのおので、という感じだったんですが、ここに住み始めてからは家で一緒に食事をとることが増えましたね。夫もよく友人を呼んでは、照明を落としたカウンターでバー気分を楽しんでいます」
 

画像: テラスには、夫が取り付けてくれたという頂き物のハンモックも。まわりに視界を遮るものは一切なく、何時間でも揺られていられそうな気持ちよさ。

テラスには、夫が取り付けてくれたという頂き物のハンモックも。まわりに視界を遮るものは一切なく、何時間でも揺られていられそうな気持ちよさ。

家に人を呼ぶもうひとつのきっかけになっているのが、6畳ほどもあろうかという広いテラス。フェンスに沿って並べた植木の緑が部屋の中からもよく見え、都心とは思えない景観を作っている。友人達を招いた時はもちろん、夫は普段からここに椅子とビールを持ち出して、〝一人ビアガーデン〞という、なんとも贅沢な時間を楽しんでいるそう。

「夫は以前から〝緑がいっぱいの部屋で暮らしたい〞と言っていて。インテリアは私の好きにさせてもらっているので、それだけは叶えてあげたかったんですよね。その代わりといっては何ですが、グリーンの世話はすべて彼の役目。

新しい鉢を買ってきたり、よく晴れた日は部屋のコーナーから日の当たる場所に移動させて日なたぼっこさせてみたり。私はまったくのノータッチながらも、あれこれ楽しそうにしているのを見るのはやっぱり嬉しいですね」
 

画像: グリーンたちの日なたぼっこは、冬でも暖かい窓辺の陽だまりで。ツイードが張られたヴィンテージの椅子は、最近一番のお気に入り。 汚れていたため布は別のものに張り替える予定だったが、どうしてもこれがいいと頼み込み、一度剥がしてクリーニングし、再度張り直してもらったそう。

グリーンたちの日なたぼっこは、冬でも暖かい窓辺の陽だまりで。ツイードが張られたヴィンテージの椅子は、最近一番のお気に入り。
汚れていたため布は別のものに張り替える予定だったが、どうしてもこれがいいと頼み込み、一度剥がしてクリーニングし、再度張り直してもらったそう。

画像: カウンター脇に据えたチェストにはグラスなどを収納。上に乗ったグリーンたちは、夫が時おり上の写真の陽だまりスポットに連れて行ってあげている。

カウンター脇に据えたチェストにはグラスなどを収納。上に乗ったグリーンたちは、夫が時おり上の写真の陽だまりスポットに連れて行ってあげている。

1人より2人が心地いい空間は、それぞれの希望やこだわりを互いが尊重しあうことで生まれるもの。そう理解するのは簡単、だが実際やってみると意外と躓つまずきやすい〝2人暮らしの基本〞を、SHIORIさんの家は理想的な形で示してくれる。他人の目にはすでに完成したように映る部屋作りだが、本人としてはようやく一段落といったところ。やりたいことはまだまだたくさんあるようだ。

「リノベって、理想を全て叶えようとすると莫大な費用がかかっちゃうんですよね(笑)。だから絶対に譲れないキッチンを最優先、その他は後回しにとメリハリをつけて進めてきて、次はリビングの一面を石壁にしようかなと考えています。春になればテラスのグリーンたちももっと大きく育っていくだろうし、この部屋がこれからどんな風に変わっていくのか、私も楽しみです」
 

SHIORI's RULES
□ リビングに面したキッチンを部屋の中心に
□ インテリアは自分、グリーンは夫、と担当分け

 

続きは、FRaU2月号 をチェック! 

2017年 1月12日(木)発売
750円(税込)

画像1: 料理家・SHIORIのリノベーション「食を中心にした部屋づくり」 画像2: 料理家・SHIORIのリノベーション「食を中心にした部屋づくり」 画像3: 料理家・SHIORIのリノベーション「食を中心にした部屋づくり」

 

PROFILE

SHIORIさん
料理家。料理家のアシスタントを経て独立。2007年の『作ってあげたい彼ごはん』シリーズは累計400万部の大ベストセラーに。現在は自身のアトリエで料理教室を主宰するほか、TVや雑誌、広告などで幅広く活躍中。自身が現地で学んだ世界各国の家庭料理を再現しやすくアレンジした『SHIORIの旅するおうちごはん』(マガジンハウス)が発売されたばかり。


Photo:Akiko Baba Text:Megumi Yamazaki

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