忙しい毎日でも、豊かな食生活を送りたい。そんな現代のライフスタイルにぴったりなのが、ロシアの厳しい自然環境のなかで育まれた保存食の知恵。保存性が高くなるばかりか、発酵・熟成した旨みや味の変化を味わうことができるのも魅力。

長年、現地の食文化を学んできた世界料理研究家の荻野恭子さんに、代表的なレシピと、そのアレンジ方法を教わりました。

教えてくれたのは……

荻野恭子先生
サロン・ド・キュイジーヌ主宰。1974年よりロシアを始め、ユーラシア大陸周辺の50ヵ国以上を訪れ、食文化の研究を続けている。「ロシアの保存食」「ロシアのスープ」「ロシアのパンとお菓子」(すべてWAVE出版)など著書多数。http://www.cook-ogino.jp

毎日発酵食を摂るために
基本の発酵漬け2品

画像: 毎日発酵食を摂るために 基本の発酵漬け2品

ロシア人が大好きな漬物は作り置きしておくと、スープやオムレツ、パスタなどがあっという間に作れるので重宝します。

白濁するのは乳酸発酵している証拠で、冷蔵庫に入れると発酵の進み具合がゆっくりになり、1~2ヵ月は保存可能。漬けた後のマリネ液は、スープや茶碗蒸しなどのだし代わりに使うと美味。にんにくやイタリアンパセリ、ローリエ、ディル、粒こしょうなどを一緒に漬けてもおいしい。

<週末の家、ダーチャから生まれる保存食>
ロシア人の50%は郊外に、ダーチャと呼ばれる畑付きのセカンドハウスを持っています。週末になると〝ダーチャ渋滞〞が起きるほど。野菜には旬があり、一気に採れるので、生で食べきれない分を保存食にして一年中活用。
 
なんでも買える現代でも、代々受け継がれてきた習慣を大切にしています。そして、共働きが多いロシアでは、デリカテッセンで買ってきたカツレツなどに、自家製の保存食を合わせるのが日常の食卓となっています。

 

きのこの発酵漬け

◆材料(作りやすい分量)

きのこ類 … 500g(しいたけ、しめじ、まいたけ、マッシュルームなど合わせて)

<マリネ液>
熱湯 ………2と1/2カップ
自然塩 …… 大さじ1と1/2
砂糖・酢 … 各大さじ1/2


◆作り方

1. きのこ類は石突きを切り落とし、手や包丁で適当な大きさにする。熱湯に入れてさっとゆでこぼす。

2. マリネ液の材料をよく混ぜ、上からかける。ふたをして2~3日室温におき、白濁してきたら冷蔵庫で保存する。漬けて半日後から食べられる。乳酸発酵が進むにつれて酸味が出てくる。
 

キャベツの発酵漬け

◆材料(作りやすい分量)

キャベツ … 小1個

<マリネ液>
熱湯 ……… 2と1/2カップ
自然塩 …… 大さじ1と1/2
砂糖・酢 … 各大さじ1/2


◆作り方

1 .キャベツを千切りにし、ガラスの容器に入れる。

2. マリネ液の材料をよく混ぜ、上からかける。ふたをして2~3日室温におき、白濁してきたら冷蔵庫で保存する。漬けて半日後から食べられる。乳酸発酵が進むにつれて酸味が出てくる。

※写真では紫キャベツを使用しているが、普通のキャベツでもOK。にんじんの千切りをプラスしてもいい。
 

「キャベツの発酵漬け」を使って
キャベツとベーコンのスープ

画像: 「キャベツの発酵漬け」を使って キャベツとベーコンのスープ

◆材料(3~4人分)

キャベツの発酵漬け …1カップ
玉ねぎ ………………… 1/4個
じゃがいも …………… 小1個(約80g)
ベーコン ……………… 100g

(A)
キャベツの発酵漬けのマリネ液 …1/2カップ
水 ……………………………………1/2カップ
ローリエ ……………………………1枚
にんにく ……………………………1片
サワークリーム …………………… 適量
ハーブ類(イタリアンパセリ、ディル、万能ねぎなど)…適量


◆作り方

1.玉ねぎは薄切りに、じゃがいもは皮をむいて拍子切りにする。ベーコンはひと口大に切る。

2.鍋に1. A を入れ、弱めの中火で10分ほど煮る。具が柔らかくなったら、キャベツの発酵漬けとすりおろしたにんにく、みじん切りにしたハーブを加え、ひと混ぜして火を止める。

3.器に盛り、サワークリームをのせる。

程よい酸味のあるキャベツの発酵漬けを使えば、即席スープも深みのある味わいに。ベーコンの代わりに肉団子を使ったり、トマトをプラスしてもおいしい。
 

「きのこの発酵漬け」を使って
オープンオムレツ

画像: 「きのこの発酵漬け」を使って オープンオムレツ

◆材料(3~4人分)

きのこの発酵漬け……1カップ
卵………………………3個
玉ねぎ…………………1/4個
バター…………………10g
オリーブ油…………… 大さじ1
塩・こしょう………… 各適量
ハーブ(パクチー、ディル、万能ねぎ、イタリアンパセリなど)… 適宜


◆作り方

1.玉ねぎとハーブはみじん切りにする。

2.ボウルに卵を溶きほぐし、きのこの発酵漬け、、塩、こしょうを加えてよく混ぜる。

3.フライパンを熱し、バターとオリーブ油を入れ、2.を入れて全体を大きくかき混ぜる。

4.ふたをして弱火で蒸し焼きにし、好みの加減まで火を通す。

オムレツは、油を多めに使うのがコツ。ロシアでメジャーなひまわり油の代わりに、オリーブ油を使用。ベーコンを加えたり、仕上げにレモンを搾ったりするのも◎。


Cuisine Supervision:Kyoko Ogino [ http://www.cook-ogino.jp ] Photo:Nao Shimizu Styling:Mariko Nakazato Composition:Shiori Fujii

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