選手にしか分からないリンク上&リンク外事情。クリス松村さんがファンを代表して、ずっと知りたかったあんなことやこんなことを、トリノオリンピック4位の村主章枝さんに根掘り葉掘り質問。「そうだったのか!」な事実が多く判明しました!

演技に大事な「表現力」
何がきっかけでそんなに変わるの!?

画像: 演技に大事な「表現力」 何がきっかけでそんなに変わるの!?

 
クリス 私はフィギュアスケートのファンだけど、プロじゃないから細かい技術までは分からなくて。だから表現力重視派なんだけど、村主さんはとにかく内面感情の表現力が素晴らしかったですよね。大好きでした。

村主 ありがとうございます。たしかに現役時代は「氷上のアクトレス」とか言っていただいて。自分では「そんなにかな!?」と思っていたんですけど、今プロの振付師になってみると、動きの背景にある感情を説明してもなかなか伝わらないんですよ。そこで初めて自分のこだわりの強さを感じましたね。

クリス 表現力という点では最近、宮原(知子)選手の変わり様に驚きました。それまでは「ミスのない選手」という印象だったんだけど……。何がきっかけであんなに変わるものなの?

村主 私の場合は15歳のときに振付師のローリー・ニコルに出会ったことです。当時、同い年の選手にミッシェル・クワンがいて、「上手な子がいるな」と見ていたんですけど、ある年突然、ものすごく色気のある演技をするようになっていたんですよ! それで「こんなに彼女を変えたものは何!?」と調べたら、ローリーがいて。「私も!」とカナダに渡ったんです。

クリス 村主さんにも表現力が花開く前の時代があったんですね。

村主 私はバレエも習っていなかったし、基礎ができてなかったんです。ローリーの元ではそこからのスタート。それがようやく身に付いてリンクの上でも表現できるようになったのが、2001年頃から。ソルトレイクオリンピックのあったシーズンですね。

クリス あのときの村主ワールドは世界が絶賛していましたね。でも結果は5位。当時の採点方式は印象に左右されるものが大きかったから、正直、納得できなかったんじゃないの?

村主 うーん……、むしろ私はそこに助けられていたというか。今は採点方式が細かくなったことで、勝つために入れなきゃいけない技だけで精一杯なんですよね。昔はもう少しゆとりがあったので、選手も個性を出せた。クワン然り、スルツカヤ然り……。とはいえフィギュアスケートは、どこまでいってもスポーツですからね。

クリス 印象点時代は、東洋人は不利なところもあったものね。

村主 私のコーチだった佐藤信夫先生は、1965年の世界選手権で4位になったんですけど、当時、多くの選手が「本当は表彰台に乗るべき演技だった」と言っていて。だからその38年後のGPファイナルで、教え子の私が日本人初の優勝を果たしたときは、先生のほうが大泣きしてましたね。「日本人がやっと認められた」と。
 

「世代の運」というのは
あると思います。(村主さん)

クリス 一方でね、採点方式が厳密になったことで、「美しいな〜」と思うのに上位にこない選手が増えたと思うんです。今って、見ていて全然綺麗と思えないんだけど、難しい4回転を跳ぶから上位にくる選手もいるでしょ。それが悔しくて。そう思うとフィギュアスケートって、ルール一つで変わっちゃうという運も大きいですよね。

村主 今教えるようになって感じるのは、点数が出ないのはやはり技術ができてないからなんですよ。ただ、世代の運というのはあると思います。今だと日本男子は羽生選手という圧倒的な存在がいる。同じ世代に生まれたことで世界の大会に出られない、というのはありますよね。

クリス あと、同じ種類のジャンプは2回までとか厳しいでしょう? 失敗したら「あそこで取り戻して……」とか滑ってる最中にいろいろ考えなきゃいけないから、大変そう。

村主 精神的にはもちろん、今はスピンでも気を抜けないから、体力的にも大変だと思いますよ。

クリス だから技術重視になるのは分かるんです。でもそれってコアな人はいいけど、私のような細かい技術まで見分けられない人間はついていけないとこもあるの。最近の大会を見てたら観客は日本人ばかりだけど、欧米ではファンが離れたりしていないの?

村主 ロシアはソチオリンピックの影響もあって人気ですけど、他はアイスショーのほうが人気の国も多いですね。

クリス 競技としてのフィギュアと人を呼べるフィギュア。見方が分かれますよね。

村主 そうですね。ただフィギュアスケートはお客さんがいないと成り立たないスポーツだと思うんですよ。だから「魅せる」部分を無視して発展していくのは、やはり違うと思いますね。

※FRaU 2017年3月号より一部抜粋

 
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画像1: フィギュア・村主章枝の「表現力」が開花したきっかけとは!? 画像2: フィギュア・村主章枝の「表現力」が開花したきっかけとは!? 画像3: フィギュア・村主章枝の「表現力」が開花したきっかけとは!?

 

PROFILE

村主章枝
1980年12月31日生まれ。女子シングルの選手として活躍。日本人初のGPファイナル優勝者で、トリノオリンピック4位等の実績を持つ。2014-2015年シーズンをもって引退し、プロの振付師となる。2/15(水)に写真集『月光』(講談社)が発売。

クリス松村
会社員、インストラクター等を経てタレントに転身。『ナンカゲツマチ』(テレビ東京)、『ニュース シブ5時』(NHK)などに出演中。フィギュアスケートは全ての番組をチェックしているだけでなく、会場にも頻繁に足を運ぶほどの大ファン。
 

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