武家の娘として生まれ、兄より剣の才能があったが故に、誇りを傷つけられた兄を亡くしている剣客・槇絵。普段は遊女に身を投じているが、想いを寄せる男からの命令で、主人公・万次と対決する――。

撮影後、「もう、向こう10年アクションはやらない」と(笑)

画像: 撮影後、「もう、向こう10年アクションはやらない」と(笑)

「身体は絶対に作るな!」 この映画への出演が決まったとき、ドラマで共演していた堤真一さんと古田新太さんに、「初めて、映画で本格的な殺陣(たて)に挑戦するんですが、どんな準備をしたらいいですか?」と相談した。返ってきたのが冒頭の答え。「ジムでいくら身体を鍛えても、現場で求められる動きとは絶対に違うから。稽古の中で生まれる筋肉に従え!」というのがその理由だった。

「いざ現場に入ってみると、想像していた以上の過酷さでした(苦笑)。セットが狭すぎて、私の武器の三節槍が振り回せない。どうやって武器の特徴を活かすかを、三池(崇史)監督と万次役の木村(拓哉)さんと現場で相談しながら考えて、試して本番、みたいな。二人の対決シーンを撮るのに、丸々1週間かかりました」

 
もともと運動は好きで、アクションシーンを作っていく作業は楽しみながらできたものの、激しい動きの数々に、肉体は悲鳴をあげていた。

「ギリギリまで粘って、その日の撮影が終わって、泥のように眠って、朝起きると、筋肉痛で身体が動かないんです。腕も足も体幹も、どこもかしこも鉛みたいに重くなって、朝、身体を“起こす”っていう単純な動作が、あんなに苦しかったのは生まれて初めての経験でした(苦笑)」

 
戸田さん演じる槇絵の武器 “三節槍” は、長刀と三節棍を組み合わせたような特殊な形をしている。撮影で一番大変だったのが、その三節槍の刃が万次の武器とカチリと合わさる場面。リハーサルでは一発OKだったのに、本番では監督の希望で本身(真剣)を使うことになり、何十テイクも撮り直すことに。

「一ミリでもずれると撮り直しなので、筋肉痛の中、何度もテイクをかさねるうちに、『これ、本身じゃないとダメなのかな?』とくじけそうになりました(苦笑)。でも、その後で壁を使って万次の頭をキックする場面を撮ったときは、『入った!』っていう確かな感触があって、それはすごく気持ちよかったです(笑)」

 
撮影終了後は、「向こう10年、もうアクションはやらなくていいや」と思ったほど体力を消耗したという。

「でも、しばらくたって、10年後の方がもっと体力は落ちるはずだし、身体に無理がきくうちにやっておくべきだと考えを改めました(笑)」

 
役のために身体を作るのではなく、ただ体力の向上だけを目的に、昨年6月からジム通いを始めた。年齢をかさねるとともに、体力の衰えは感じるものの、心はむしろ可動域を広げ、豊かになっている実感がある。

「経験が増えるとともに、視界が開けて、明るくなってきた気がします。目の前のことにいっぱいいっぱいで、四季の移り変わりや、周囲の人たちの優しさとか、日常に転がっている些細なことに、何も気づけない時期もあったから。最近は、子供の頃みたいに夜空を見る機会が増えました。東京の空にオリオン座を見つけられたら、それだけで嬉しくなったり」
 

画像: ©沙村広明/講談社 ©2017 映画「無限の住人」製作委員会

©沙村広明/講談社 ©2017 映画「無限の住人」製作委員会

『無限の住人』
謎の老婆によって、不老不死の身体を与えられた人斬りの万次。両親を剣客集団に殺され、仇討ちを誓った少女、凜。万次が亡き妹に似ている凜の用心棒となり、彼女を守り抜くと心に決めた日から、壮絶な戦いがはじまる──。4月29日より全国にて公開中。

PROFILE

戸田恵梨香 Erika Toda
1988年生まれ。兵庫県出身。2006年『デスノート』2部作で映画デビュー。ドラマ、舞台、CMと大活躍。主演作『ライアーゲーム』シリーズ(’07/’09/’10)、『SPEC』シリーズ(’10/’12/’13)を大ヒットに導いた。現在はドラマ『リバース』(TBS系列金曜22時)にヒロイン役として出演。


Photo:Ryohei Tsukada Styling:Akira Maruyama Hair&Make-up:Haruka Text:Yoko Kikuchi

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