インタビューが行われたのは、主演ドラマ『A LIFE~愛しき人~』の最終回を収録中のスタジオだった。夕方6時。ドクターの衣装のままで記者室に現れた木村は、朝から深夜まで続くスケジュールの合間にもかかわらず、現場の充実感をそのまま伝えるように、穏やかな空気を纏っている。

「今回は、最終回までが今までにないくらいすごく早かった。なんでだろう……?」主人公・沖田一光から、木村拓哉の顔に戻りながら、そう言って首をかしげた。

たずさわっている作品に全力を注ぐ。その姿勢が揺るぎない自身の核となっているのは、これまでと変わらない。ただ、この1年は、とくに、その意識が強かったかもしれない。
 

思いはすべて現場で放出していた

――2015年後半から2016年にかけて撮影していた映画『無限の住人』(4月29日公開)、そして2017年1月クールのドラマへ。この間、精神的にもハードな日々だったと思いますが、どんな心境だったのでしょう?

「たくさんの方たちの、いろんな気持ちや声を感じながらも、ずーっとやるべきことは詰まっていたので。やるべきことがしっかりあるという状況が自分を支えてくれたなって思います。なんだろ……? 溜め込まなくてよかったというか。なんか……、その……、ね。個人的な時間で、枕に頭を押し付けて叫んだり、海に向かって叫んだりしてもいいんだとは思うけど。そういうタイプじゃないので。ま、そのエネルギーを現場に持っていって放出させてもらっていたという感じはあったかな? もちろん作品の一部として。勝手にですけどね」

 
――皆さんの注目が集まる中、2017年の年明けは、どんなふうに過ごしていましたか?

「“たっくんにすき焼き作ってもらわないと、年が始まんねぇ!”って言ってくれる方の家で、今年も、すき焼き作ってました。意味わかんねー(笑)。かなり年上のカメラマンの方なんですけど、毎年 “初めまして” のお客さんがたくさんいる中で “味、大丈夫ですか?” とか訊きながら、肉をふるまってる……。“俺、何やってんだろ?” とも思いつつ、ひたすら作ってる(笑)。で、今年は、最後に “じゃ、たっくん、ご挨拶やって” って言われたんで、“新年あけましておめでとうございます。ちょっと私ごとではあるんですけど、自分にとっては、まさしく新年になると思うので、よろしくお願いいたします” って言ったら、みんなが拍手してくれて。安心できて、落ち着いた時間を過ごせたなって思います」

 
――毎年、年末に収録され、年明けに放映されていた『さんタク』も、今回は春にシフトしました。この間、さんまさんとは、どんなやり取りがあったのでしょう? 教えてくれますか?

「ちょいちょい話はしていたけど、自分が置かれている境遇だったりについて、すごく考えてくださって。それは、本当に感謝だけじゃ足りない気持ち。だからこちらからも自分にできるお返しはしたいという思いがあります」

 
――心強い理解者という感じですか?

「理解者というか……。人づてに、自分のことを “親友” って言ってくれていたって聞いて、“うわ!” って。お互いに表現をする立場ではあるけど、年も離れてるし。そういうふうに人から思ってもらえるって、ありがたいと思ってる」

 
――さんまさんとの関係性は、見ていてとても楽しいです。

「さんまさんがあまりにも野性なんで、自分がけっこう常識的なポジションになるんです(笑)。たまにだけど、“そんなこと言っちゃダメだよ” とか言ってる。“おまえは、それができるからええんや” って言ってくれますけど」

 
――お互いに頼りにしているんですね。

「そうですね。そういう人たちの存在は、すごくでかいと思う。それは、この世界だけじゃなく、まったく無関係な仕事をしている人でも、たまーに、お互いにめちゃくちゃ照れ合いながら、口では言えないことをメールで送り合ったりしてます。だって一緒に海に入ってるヤツなんて、海の話しかしないし、ふだん。……なんだけど、“いろいろ大変だとは思うけど、時間あったら、とりあえず(海に)浸かりにくれば?” ってことだったりとか。でかいっすね、それは」

 
――今年に入って生活リズムも変わったのでは?

「基本ずっと作品をやっているので。それは、なんだろ? なんか落ち着いて自分の生活の変化について何かを考えるということよりかは、作品に対してのモチベーションが保たれた状態で。そこも、“あ、大きいな” と思いますね。スタイル、フォーメーションが変わったじゃないですか。だから、“あ、ずっと作品のことだけ考えてればいいんだ” っていうのはある。今も、(『SMAP×SMAP』の収録日だった)その曜日になると、“ん?” ってピクって反応する自分がいたりとか。うん……、だから、初めてじゃないかな、20数年やってきて、“撮休” っていうスケジュールがあるんだっていう」

 
――作品のスケジュールが休みのときは、初めて共演者と同じように休めるようになったということですよね。

「そうですね。今はいろいろ別の仕事も入ったりしてるけど」

 
※FRaU 2017年5月号より一部抜粋

 
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画像1: 木村拓哉が語るリアル「今までの心境、感謝していること」 画像2: 木村拓哉が語るリアル「今までの心境、感謝していること」 画像3: 木村拓哉が語るリアル「今までの心境、感謝していること」

 

PROFILE

木村拓哉 Takuya Kimura
1972年11月13日生まれ。1991年デビュー以降、瞬く間に日本を代表するアーティスト・俳優に。ドラマ『ロングバケーション』『HERO』『華麗なる一族』ほか主演作品はすべて大ヒット。話題の映画『無限の住人』がついに4月29日より公開。

INFORMATION
短期連載・最終回/『無限の住人』 Special
謎の老婆によって、不老不死の身体を与えられた人斬りの万次。両親を剣客集団に殺され、仇討ちを誓った少女、凜。万次が亡き妹に似ている凜の用心棒となり、彼女を守り抜くと心に決めた日から、壮絶な戦いがはじまる――。4月29日より全国にて公開。©沙村広明/講談社 ©2017 映画「無限の住人」製作委員会


Interview:Junko Wada Composition:Mayuko Kobayashi

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