映画『追憶』で約12年ぶりの共演を果たした二人。衝撃的な出会いだったと語る初共演、仕事への思いを熱く語り合った20代、現場ではなくプライベートで深めてきた友情……そんな二人の関係性を語る中で見えてきた、互いの素顔。

 

岡田准一×小栗旬 対談
「古いつきあいの二人の話」前編

小栗 初めて岡田君と共演したのは約12年前。それ以来、同じ現場に立つ機会はなく、ずっとプライベートで仲良くさせてもらっていたんですけど。そこでも「またいつか一緒に芝居がしたい」そう言い続けていただけに、今回の共演が決まったときは本当に嬉しかった。

――熱を帯びた口調で小栗さんが語る作品こそが、映画『追憶』だ。幼少期を共に過ごした3人の少年。かつて親友だった彼等はある事件をきっかけに別々の道を歩むことに。そして、その25年後、大人になった彼等は〝刑事〞〝容疑者〞〝被害者〞として再会する。犯人は誰なのか、事件の真相とは、3人の過去には何があったのか――。それぞれの人生が再び交錯したとき運命の歯車が回り始める……心揺さぶるヒューマンミステリー。今作で岡田さんは〝刑事〞の四方篤を、小栗さんは〝容疑者〞となる田所啓太を演じている。

岡田 小栗君はもともと好きな俳優さんです。若い頃に出会い、自分で道を切り開き、同世代の役者の中心的な存在になっていく姿を見てきたし、同じような悩みも共有してきた。そんな僕等が時を経て『追憶』という作品で共演する。そこには縁のようなものも感じているんです。

 

12年前、衝撃的な出会い

――二人が出会ったのは、岡田さんが23歳、小栗さんが21歳の頃。NHKの歴史ドラマの現場だった。その出会いを「衝撃的だった」と語り「今でも鮮明に覚えている」と言葉を続けた小栗さん。

小栗 当時はまだ駆け出しの役者だった僕にとって、すでに大活躍していた岡田准一は遠い存在。正直「俺なんかと口をきいてくれないんだろうな」と思っていたんですけど。ある日、帰りの新幹線で一緒になって、岡田君から「隣に座る?」て声を掛けてくれたんですよね。そこで、いろんな話をしてくれたり、オススメの本を教えてくれたりして。「この人、2歳しか違わないのにスゲエな!!」「こんなに勉強しているんだ!!」って。衝撃を受けたのを今でもよく覚えていて。

 
――さらに「ホテルのサウナに行ったら、すでに長時間そこにいたであろう岡田君に遭遇したことも。大量の汗を流しながら “スーッ” “ハーッ” と腹式呼吸を繰り返しているのを見て、ある意味、そこでも衝撃を受けた」と笑う小栗さん。「二人で一緒に映画にも行ったんですよ。撮影の空き時間、京都の映画館に。そのあと、鴨川沿いの店で京料理を食べたんですよね」と、当時の思い出が次々と。

岡田 よく覚えてるね(笑)。僕が覚えていることといえば、当時の小栗君が言った「戦いたいんです」っていう言葉。それはすごく印象に残っていて。その頃は「こういうことがしたい」とか「こう思っている」とか、自分の考えていることを他人に話すことがなかったというか。話せる人が、特に同世代にはいなかったんですよね。そんなとき「戦いたい」と熱い思いで芝居と向き合っている彼に出会って。その熱さに触発されるように、僕も自分のことをたくさん語るようになったんですよ。

 

常に小栗旬は岡田准一に
〝片思い〟しているんです(笑)

――悩み迷ったときはいつも「あの人なら、こういうとき何を思うのだろう」と考える。いろんなことを相談してきたし、いろんなことを教えてもらった。「出会いから今日までずっと、岡田准一という役者の背中を、追いかけるように歩いてきた気がする」と小栗さんは語る。

小栗 だからこそ、他の役者から「岡田准一の現場が楽しかった」エピソードを聞くと思うわけですよ。「いやいや、本来そこにいるのは俺であるべきだろう⁉」と。そんな思いが蓄積した結果、今作のロケ場所である能登半島で「今、俺だけが岡田准一を独占しているんだ」と、喜びを嚙みしめるそんな瞬間が多々ありましたからね(笑)。

 
――そして「最近も鈴木亮平から〝岡田君からこんなトレーニングを教わった〞と自慢されて。それに対して〝俺もそれ知ってるけどね〞と、意味のわからない張り合いをしたばかり」と笑う。

小栗 僕は勝手に岡田君に惚れ込んでいるわけですけど。彼はそうでもないというか。残念ながら、僕ら二人の気持ちにはかなりの温度差があるんですよ。

岡田 そんなことないよ(笑)。

小栗 こないだ、改めて岡田君とのメールのやり取りを見返したんですけど。連絡をするのは常に俺から。何度見返しても全部俺から。もちろん、飲みに誘うのも俺からで。さらには、誘ったところでなかなか来てくれないっていう(笑)。

こないだも、今作で共演している柄本佑と飲むことになって。「じゅんピーも誘おうぜ♡」とメールしたんですよ。だがしかし、待てど暮らせど既読にならない。結果、数時間後に返ってきたのが「ごめん、今気づいた。さすがにこの時間からは難しいわ」。これ、よくあるパターンなんですけど。あれね、絶対にメールに気づかないふりをしているんですよ‼ 開いちゃったら「読んだでしょ」「何してるの」って責められるのがわかってるから‼

岡田 そんなことないから(笑)。そういう彼も今や〝小栗組〞のトップですからね。そこに集う若手俳優からするともうドンですから。そこに俺が行って「うちのドンに何そんな偉そうな口きいているんすか」とか思われるのも嫌じゃない(笑)。「うちのドンが下手に出ているからって、それが当たり前だと思ったら大間違いっすよ‼」みたいなさ。若い人たちに言われかねないから。ちょっと遠慮しているんですよ、僕も(笑)。

小栗 そんな岡田君ですけど、「何かを教えてくれ」とお願いしたときだけは、めちゃくちゃ腰が軽い。そのときだけは、ちゃんと教えに来てくれるんですよ。ただ、それ以外のふわっとした時間を共有しようとするとスルーするっていう(笑)。

岡田 いやいや、そんなことない。全部たまたまだからね(笑)

 
▼後編はコチラ!

 

PROFILE

岡田准一 Junichi Okada
1980年11月18日生まれ。主演ドラマ『木更津キャッツアイ』で役者として注目を集める。その後、出演作を重ねながら実力を高め、映画『永遠の0』で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞。今年は今作の他に主演映画『関ヶ原』の公開が8月26日に控えている。

小栗旬 Shun Oguri
1982年12月26日生まれ。昨年は映画『信長協奏曲』や『ミュージアム』が大きな話題に。出演オファーが絶えない実力派俳優。現在、ドラマ『CRISIS公安機動捜査隊特捜班』に出演中。また、今作の他に映画『銀魂』『君の膵臓をたべたい』が公開予定。

 
●情報は、FRaU2017年 5月号発売時点のものです。
Text: Miwa Ishii Photo: Toru Daimon Styling: Takatoshi Igarashi(Yolken/Junichi Okada)、Kazuhiro Sawataish(i SEPT/Shun Oguri)Hair&Make-up: Akiko Soumon(Junichi Okada)、Chika Kimura(tsuji management/ Shun Oguri)

 
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