豊かに暮らすって、なんだろう? きっとパートナーや家族と過ごす時間を大切にしたり、自分の好きなことや愛するものを楽しむ余裕があったり。そして日々のちょっとした変化に気づける五感を持ってること。

今回は、そんな生活をデジタル時代の今だから叶えた、chigoディレクター・紺谷ちぐささんに実際の働き方、暮らし方についてお話を伺いました。
 

オンラインでショップ経営が
福岡移住の鍵

画像: オンラインでショップ経営が 福岡移住の鍵

福岡にやってきたのは1年前。それまでは、会社員として子ども服のセレクトのオンラインショップを手掛けていた。結婚して1年半くらい経った頃、夫が実家のある九州に住みたいと言うようになった。

「内装デザインの仕事をしている夫は、そろそろ次のステップをと考えていたときに、憧れていた建築家の方が福岡で新規スタッフを募集していることを知って。彼にとってはとてもいいタイミングだったから、福岡行きを粘り強く説得されました」

彼が生まれ育った九州にいつかは戻りたいと考えていることは知っていた。でも自分には縁のない土地。出産後、復帰してすぐだったこともあり、戸惑った。ところが、ずっと育ててきてくれた社長夫妻に相談をしているうちに、自分が担当しているオンラインショップを、そのまま譲ってくれることになった。

「一人で担当していたので、自分が退社したらそのオンラインショップ自体をやめることになって。10年続けてきたショップがなくなってしまうと思ったらさみしくなったんです。オンラインショップならどこにいてもできるから、私ができる範囲でやってみようと決意しました」
 

地方に居を移しても
同じ仕事を続けられるのは幸せ

画像1: 地方に居を移しても 同じ仕事を続けられるのは幸せ

女性のライフステージは、結婚や出産によって左右されることも多い。そこで譲らない選択肢もあるけれど、紺谷さんは夫の選択を受け入れつつ、自分なりの生き方を探ることにした。

「福岡に移住しても、作業自体はそれまでと変わらないと思っていたんです。普通なら仕事を探すところから始めなくてはいけないのに、住む場所が変わっても同じ仕事を続けられるなんてラッキーですよね。でも、実際に会社員として担当することと、自分一人で独立してやることは全く違いました」

東京にいた頃は、他社の子ども服ブランドのディレクションなども手掛けていたし、毎月の収入は安定していた。でも独立したら、仕入れの資本も自分で出すし、時間が収入と直結することを思い知る。

「例えば、打ち合わせをしても、結果がでてこそ仕事になる。ボツになったら、経費はかかっても収入はゼロですよね。会社員の頃は、勤務時間中の打ち合わせはお給料の範囲内だったから、そこまでシビアに考えていなかったのかもしれません」
 

画像2: 地方に居を移しても 同じ仕事を続けられるのは幸せ

それでも今改めて考えてみて、独立して福岡に来たことは、人生において正解だったと思えるそうだ。なにより、家族で過ごす時間が確実に増えた。以前は毎日終電帰りだった夫は、今は毎日、自転車で15分の距離に出勤する。早く帰れた夜には二人で晩酌をすることも多いし、妻の仕事の相談にものってくれる。土日、祝日に休める機会が増えたから、レンタカーで遠出をするのも家族の楽しみのひとつとなった。

「1時間もドライブすれば、きれいな海や窯元、温泉などがあるので、小旅行気分が気軽に味わえるんです。地方に住む特権ですね」
 

画像3: 地方に居を移しても 同じ仕事を続けられるのは幸せ
画像4: 地方に居を移しても 同じ仕事を続けられるのは幸せ

仕事が早く終わったら、保育園に早めに迎えに行き、息子と公園で遊んだり散歩をする。帰り道にある八百屋さんでは、びっくりするような価格でおいしい野菜が買える。家の前に広がる公園で、季節の草花を息子と眺める時間がもてるのも、会社員だった頃には考えられないことだ。

「勤めているわけじゃないから、好きな時間に仕事ができるのがいいところですね。息子が保育園に行っている日中に商品の撮影をしたり、発注や発送を手配したり。息子が風邪をひいたら休ませて、夜中にパソコン作業をすることも。自分で時間をやりくりできるのがいちばんのメリットかも」
 

画像5: 地方に居を移しても 同じ仕事を続けられるのは幸せ

また、九州でものづくりをしている人とコラボして、オリジナル商品を作るというやりがいもできた。

「ただ、オンラインショップをやっているくせに、私、デジタルにはとんと疎いんです。今はサイトのリニューアルをしたいし、写真ももっときれいに撮りたくて、本を買って勉強しているんですけど……。読んでも全然わからなくて、結局夫が晩酌しながら専門書を読んで、休日に教えてくれています(笑)」

 
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●情報は、FRaU 2017年6月号発売時点のものです。
Photo: Satoko Imazu Composition: Shiori Fujii

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