「犯罪は絶対ダメだけれど、その人それぞれの人生を自由に生きたらいい」そんな大らかで優しい目線を持つ彼女だが、まわりからはアタリがキツイと思われることが多いとか。

 
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戦う女は生きづらいけど
無駄な戦いは存在しない

「大らかなんて言われたことないなあ。自分の意見を言う女の人って、それだけでキツいなって未だに思われる傾向がありますよね。そのせいかも」

彼女がウェブマガジン『日経DUAL』で連載していた、働く母の日々の喜びから嘆きまでを徒然なるままに記す「川上未映子のびんづめ日記」。先日、気さくに話をする間柄の男性編集者から、仕事の場であるにもかかわらず、容姿のことを指摘されて辟易したというエピソードを綴った記事「女というだけで加齢すらできない」が、女性たちの魂の叫びとして瞬く間にネット上に響き渡り、男性陣を戦々恐々とさせたことも記憶に新しい。

「平然とそういうことを言っても気にしない男性たち、普通にいますよ。ジェンダーに対しての理解が増えているように思えても、実際外に出てみると愕然とすることが多いです」

 
働きながら生きる女性は、その理想と現実のギャップと、どう折り合いをつけていけばいいのだろうかと問うと、「一人で変えようと思っても無理だし続かない」と川上さんは答える。

「上野千鶴子さんがあと100人くらいは必要ですよ!(笑)。それに、何代かにわたって伝えていかないといけないことでもありますよね。私は文章を書くのが仕事だから、言うべきことを言える環境なんです。でも、戦う女は生きづらいじゃないですか。組織の中にいる人全員に戦えなんてことは言えないし、それは実際問題として難しい。でも、それでも変えないことには何も変わらない。だから、自分に関しては書くことで、ジェンダーにしろ倫理にしろ、なんとなくまかりとおっている常識をつねに問うことが小説家としての責任のひとつだと感じています。それをやらないということは、仕事をしていないことと同義だから。そこに無駄な戦いは存在しないと思っています」

 

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