カレーと関わってから約8年。好きが高じて、ありがたいことに最近ではカレーまわりのデザインまでさせていただくことになりました。恐縮ですが、グラフィックデザイナーの僕と、カレーにまつわる話を少しだけお話できればと思います!
 

教えてくれたのは……

グラフィックデザイナー
根本真路さん
1980年生まれ。東京都在住。2005年よりbluemarkにデザイナーとして勤務し、フリーランスに。書籍や雑誌などのデザインを手がける。'13年には毎週水曜日の夜だけのインドカレー屋「パニ」を期間限定でオープン。不定期で全国で出張イベントを行う。
 

カレーとの出会い

2009年、フリーになって本格的に自炊をはじめたときのレパートリーの中に、カレーがありました。最初は、ルーで作っていたものの、「どうせなら美味しいものを」とソース入れたり、チョコ入れたり、カレー粉で作ったりするように。外食をすれば、どうやったらこの味が出せるようになるのかを考え始めます。

ことインドカレーは、味の糸口さえつかめず、この謎を解きたいと思うように。そこからはずっとインドカレー。電車で見かけた女の子を好きになってしまったけど、名前さえわからない。そんな気持ちでした。
 

恋心がつないだカレーの縁!?

そんな中、偶然見つけて入った、「スパイスキッチン ムーナ」で食べたチキンカレーに衝撃を受けます。さらっとしているのに、しっかり旨みがあり、ほのかな酸味が最高においしかった。ご飯何杯でも進む、ずっと食べていたい味。そんなこんなで、友人と呑んでいるときにもカレーの話ばかりしていました。

そのことを覚えていた友人のひとりが、「カレー好きのデザイナーを探している」という編集者に僕を紹介してくれたことをきっかけに、東京カリー番長の水野仁輔さんと出会います。趣味と仕事がつながった瞬間でした。
 

カレーデザイナーとしての道へ

画像: 2011年より恒例となったインド料理をこよなく愛するシェフが勢ぞろいする、インド料理ファンの ためのイベント「LOVE INDIA」のロゴやポスター。 love-india.net

2011年より恒例となったインド料理をこよなく愛するシェフが勢ぞろいする、インド料理ファンの
ためのイベント「LOVE INDIA」のロゴやポスター。

love-india.net

最初の仕事は、水野さんが手がけるイベント「LOVE INDIA」の紙まわりをデザインしてほしいというものでした。その後、「Labo India」のハンディ書籍をデザインすることに。インド料理シェフが毎回都内某所に集まり、食材やスパイス、ハーブなどに関するあらゆることをテーマに話し合うというマニアックな研究を記録したシリーズです。

画像: 水野仁輔さんが手がけるカレーに特化した出版社、イートミー出版が手がける、移動型インド料理研究所「Labo India」の人気シリーズは、24号に。¥500/イートミー出版

水野仁輔さんが手がけるカレーに特化した出版社、イートミー出版が手がける、移動型インド料理研究所「Labo India」の人気シリーズは、24号に。¥500/イートミー出版

そこに参加するうち、僕自身、ますますカレーを作ることにもカレーの先輩たちのトークと腕にも魅入られていきます。それが、カレーにまつわるプロダクトなどのデザイン仕事につながっていきます。
 

カレーの魅力ってなんだ?

スパイスという全く今まで馴染みのなかったモノを使うワクワク感。それを自分が使って、調理して、おいしいものができたときはうれしかった。同時になぜうまくできたのかを知りたくなって、毎日作るようになりました。意外な発見があったりもする。わからなくても楽しいし、わからないから面白い。

基本的に難しいテクニックは必要ないし、材料を順番に入れていけば、レシピ通りでなくてもカレーになるという手軽さもいい。みんなに振る舞えて、喜んでもらえるのを直に感じられるのも新鮮で楽しいんです。
 

カレーづくりとデザインは似ている!?

スパイスと旬の食材との相性や、スパイスを入れるタイミング、何を足し、何を引くのか。決断するポイントがいくつもあって、その組み合わせで全然違うカレーができあがる。そのプロセスはデザインの仕事にも共通すると思います。

振り返れば、カレーとの出会いは、デザイナーになったきっかけ、稼業として続けていること、にも似ているんです。やれるかな? と思って やってみて、何となく出来て、楽しくなる。もっといいモノを作りたいと思う。その繰り返しですね。
 

根本さん行きつけの
カレー屋さんはここだ!

Spice Kitchen MOONA / 下北沢
スパイスキッチン ムーナ

画像: 本日の海鮮カレー2種に豆カレー、野菜料理4種とエビピクル、パパド、揚げロティ、ライスがのった海鮮ランチセット¥1700(限定10食)。ランチドリンクは¥300。

本日の海鮮カレー2種に豆カレー、野菜料理4種とエビピクル、パパド、揚げロティ、ライスがのった海鮮ランチセット¥1700(限定10食)。ランチドリンクは¥300。

カレーをつまみに飲んだり食べたり
今年6月で創業10年目を迎えるムーナ。オープン当初は2種類のカレーから始めたものの、日替わりではじめた海鮮カレーが好評を呼び、今では定番人気メニューとなっている。お酒好きの常連さんのリクエストに答え、夜はゆっくりお酒を呑みながらカレーも楽しめるようなラインナップになっている。季節でメニューが変わるのもうれしい。

「旬の魚介類を使った料理も絶品なんですが、たまたま入ったこのお店で初めて食べたチキンカレーの衝撃は未だに忘れられません。ダール(豆カレー)も素晴らしくおいしい!」と根本さん。

画像1: Spice Kitchen MOONA / 下北沢 スパイスキッチン ムーナ

オーナーシェフ諏訪内さんと根本さん。下北沢に行く=ムーナへ行くというくらいの常連ぶり。「Labo India」をきっかけに親交を深め、今ではお揃いのシャツを作る仲に。
 

画像2: Spice Kitchen MOONA / 下北沢 スパイスキッチン ムーナ

オーナー
諏訪内 健
青森から上京してきた青年期に麴町「アジャンタ」の味に衝撃を受ける。20代後半に南インドへ。都内レストラン数店での修行を経て、2007年に「スパイスキッチン ムーナ」をオープン。
 

画像3: Spice Kitchen MOONA / 下北沢 スパイスキッチン ムーナ

自然光が差し込む開放感のある店内は、ひとりでも居心地のいい空間。営業時間内でも、カレーが売り切れ次第終了の場合あり。

Spice Kitchen MOONA
東京都世田谷区北沢2-12-13 5F
☎03-3411-0607
営業時間:昼11:30~15:00/夜18:00~23:00(LO22:00)、土日祝 昼12:00~16:00
定休日:月

 
 
 
Anjuna / 高幡不動
アンジュナ

画像: 11種類のスパイスを使ったカレーは、癖になりそうなおいしさ。マトンカレー(辛口)¥1000、ライス¥200

11種類のスパイスを使ったカレーは、癖になりそうなおいしさ。マトンカレー(辛口)¥1000、ライス¥200

スパイスの効いた絶品インド料理店
創業18年目となる「アンジュナ」は、根本さんが2歳の息子さんと家族で通っているという高幡不動の名店。オーナーシェフの藤井さんが長年働いていた「アジャンタ」の味を引き継ぎながら、よりスパイスの効かせたオリジナルの料理の数々を提供している。

「全てのメニューが素晴らしくおいしいのですが、一番のオススメは濃厚なマトンカレー。藤井さんが幼かった娘さんのために作ったという、辛くないバターチキンも絶品。お子さんのいる方にもおすすめです」。絶品カレーを食べた後は、高幡不動尊金剛寺でぜひお参りを。
 

画像1: Anjuna / 高幡不動 アンジュナ

オーナー
藤井正樹
まかないのあるバイト先を求め、「アジャンタ」でウェイターを始めたのがきっかけ。キッチンに空きが出たことから20代でコックに。その後、師匠のいる南インドを旅し、創業へ。
 

画像2: Anjuna / 高幡不動 アンジュナ

Anjuna
東京都日野市高幡3-7 ユニバーサルビル1F
☎042-593-3590
営業時間:昼11:30~14:30/夜17:00~21:00
定休日:月

 
 
 
Ericksouth / 赤坂見附
エリックサウス

画像: お好みのカレー2種を選べる贅沢なエリックミールス¥1450がおすすめ。*サンバル、ラッサム、ライスはおかわり無料

お好みのカレー2種を選べる贅沢なエリックミールス¥1450がおすすめ。*サンバル、ラッサム、ライスはおかわり無料

本格的なミールスを食べたいときに
「本格的なミールスを食べられるのに、一人でも入りやすいカウンター席もあり、カジュアルな雰囲気が気に入っています」と根本さんが話すのは、偶然にも同じ年という礒邊さんが店長を務める「エリックサウス」。

昨年5月に2号店となる東京ガーデンテラスがオープンしたばかり。保存料や着色料、化学調味料は使用せず、伝統的な製法の南インド料理が味わえる。カウンターがメインの八重洲店とは趣が異なり、テーブル席もゆったりしたこちらの店舗では、ゆっくりディナーを楽しめるように、おつまみも充実している。
 

画像1: Ericksouth / 赤坂見附 エリックサウス

オーナー
礒邊和敬
子どもの頃「アジャンタ」出身のカレー屋さんで食べたキーマの味を忘れられず、「アンジュナ」でその味に再会。7年の修行を経て、旅先で本店を経営する企業と出会い、シェフに。
 

画像2: Ericksouth / 赤坂見附 エリックサウス

Ericksouth
東京都千代田区紀尾井町1-3 東京ガーデンテラス紀尾井町2F
☎03-6272-5529 
営業時間:11:00~23:00(22:30LO)
定休日:無

 
 
 
Umineco Curry / 西永福
ウミネコカレー

画像: ポークカレーと豆のカレーの2種盛り¥1200。チキン、ポーク、ひよこ豆のカレーは、各¥900 *全てサラダ付き。

ポークカレーと豆のカレーの2種盛り¥1200。チキン、ポーク、ひよこ豆のカレーは、各¥900 *全てサラダ付き。

立ち寄りたくなる街のカレー屋さん
ミュージシャンでもある店主の古里さんが、2015年にオープンしたカレー専門店。カレーは、チキン、ポーク、ひよこ豆の3種。ハーフ&ハーフの2種盛りをオーダーすると、その日の気分でお好みの組み合わせを堪能できる。

青森出身ということから、ターメリックライス用のお米やニンニクは青森産のものを使用。草木堂の無農薬野菜のサラダもおいしい。「南インドカレーをベースにした、優しい味。オーナーの古里さんが、『街のカレー屋を目指した』と言っていたことにすごく納得。ふらっと立ち寄りたくなります」。
 

画像1: Umineco Curry / 西永福 ウミネコカレー

オーナー
古里おさむ
バンド・uminecosoundsのメンバー。今はなき笹塚「エムズカレー」の雰囲気と味に惚れ込み、カレーの世界へ。『Curry 草枕』『シバカリーワラ』などで働き、南インドでも修行する。
 

画像2: Umineco Curry / 西永福 ウミネコカレー

Umineco Curry
東京都杉並区永福3丁目55-3
☎070-6972-3103
昼11:30~15:00/夜18:00~21:00(20:30LO)*火曜はランチのみ営業
定休日:月

 
 
 
Indo-Fuji / 東小金井
インド富士

画像: チキンカレー ¥900(ランチは¥850)。タマリンドの酸味ときび砂糖の甘みが美味なスパイスのお酒、インド富士サワー¥500。

チキンカレー ¥900(ランチは¥850)。タマリンドの酸味ときび砂糖の甘みが美味なスパイスのお酒、インド富士サワー¥500。

中央線で食べる、絶品カレー
今年夏でオープン9年になるのは、これまでたくさんのインドカレー好きを、東小金井駅へと向かわせた「インド富士」。店内に、「ナンはありません。」と書いた一文が貼られているだけあって、ごはんが似合うカレーが待っている。

「バスマティと日本のミックス米で食べるチキンカレーは、たまらないおいしさ。おつまみもあり、軽く呑めるのも素敵」と根本さん。下町大衆酒場文化が好きという店主の小城さんがオリジナルで考案したインド富士サワーには、「こんな風にスパイスを使えるのか! 」と衝撃を受けたそう。
 

画像1: Indo-Fuji / 東小金井 インド富士

オーナー
小城正樹
荻窪生まれ、東小金井育ち。カレー屋でバイトするうち、インドカレーに興味がわく。料理店を転々とした後、南インドで修行する。昨年2月に高円寺に2号店「インド富士子」を創業。
 

画像2: Indo-Fuji / 東小金井 インド富士

Indo-Fuji
東京都小金井市東町4-37-15
☎070-5362-5746 *電話は営業時間内のみ
営業時間:昼11:30~14:00 *土日は15:00まで/夜18:00~22:00
定休日:火 *臨時休業あり

 

カレーにまつわる仕事いろいろ

RASAM パッケージ

画像: RASAM パッケージ

押上「スパイスカフェ」のオーナー伊藤一城さんが試行錯誤を重ねて日本のお米に合う野菜カレーのレトルトを考案。ラッサム 各¥500/スパイスカフェ
www.spicecafe.info

 
 
 
LOVE INDIA レトルトカレーパッケージ

画像: LOVE INDIA レトルトカレーパッケージ

「LOVE INDIA」参加の名店の味がレトルトで食べられるシリーズ。
各店舗、イベント、オンラインなどで販売。各¥500/にしき食品 ☎0120-19-2498(平日10:00-17:00)

 
 
 
SPICE CAN

画像: SPICE CAN

東京スパイス番長、シャカール・ノグチさんがプロデュースするスパイス。2016年には「Topawards Asia」のタイポグラフィ賞受賞。¥600~645/India Spice&Masara Company
www.spinfoods.net

 
 
 
SPICE CAFEのスパイス料理

画像: SPICE CAFEのスパイス料理

2015年グルマン世界料理本大賞グランプリを受賞をした「スパイスカフェ」伊藤一城さんの初出しレシピ。『SPICE CAFEのスパイス料理』¥1800/アノニマ・スタジオ

 
 
 
スパイスカレー事典

画像: スパイスカレー事典

スパイス図鑑や、レシピ、困ったときのQ&Zなど超初心者からプロを目指す人まで楽しめる、水野仁輔さん監修の『スパイスカレー事典』¥2600/パイ インターナショナル

 
 
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●FRaU 2017年3月号発売時点のものです。
Photo: Patrick Tsai Composition: Tomoko Ogawa Design: Shinji Nemoto

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