「ものごとにはすべて理由があるのよ」とウーさんはいつも言う。使う食材や組み合わせ、調理順序に加熱時間……。すべての理由が明確だから、ウーさんのレシピは無理がなく、シンプルで覚えやすい。結果、誰が作っても失敗知らず。そんな料理哲学をお伝えするこのテーマ、第2回は麺についてお届けします。
 

焼きそばは麺を食べるもの

画像: 焼きそばは麺を食べるもの

焼きそばは簡単に作れそうなのに、「べちゃべちゃになってしまう」「味が決まらない」といった失敗談を多く聞く。

ウーさん曰く、「みんな、わざわざ難しくしてるんじゃない? 野菜や肉などの具をたくさん入れると、水分が出てべちゃついたり、味がぼやけてしまったり、火の通りが均一にならなかったりしちゃう。焼きそばの主役は麺なんだから、具はねぎの香りだけでいいのよ」。

 
和え麺だって麺が主役だから、基本調味料と香味野菜のたれにゆで卵だけとシンプルなのがウーさん流。

「キャベツやにんじんや豚肉などを具にするより、その食材を使って別の料理を作るほうがいい。だって食材の下ごしらえにかける手間は同じだけど、一皿ずつ違う味になって食べ飽きないし、食卓が豊かになりますからね」。

 
それは、それぞれのメニューが手軽にできるウーさんのレシピだから叶うことであるけれど、たとえば連載1回目に登場した蒸し豚と、今回の焼きそばを組み合わせれば、立派な献立となる。どちらも調理作業は、ほんの数分程度(待つ時間はかかるけれど)だから、料理初心者でも忙しい人でも大丈夫。焼きそばも和え麺も、味付けのポイントは黒酢。

「酢の酸味は、麺の小麦粉の甘さを引き立ててくれるから、相性がいいんですよ」。

 
そして主役だからこそ、麺選びにはこだわるべし。

「自然な黄色をしているものを選んで。焼きそばなら、もちもちとした太い麺がおすすめです。こんなふうにおいしさの基準がわかっていれば、お店で好みの麺を探す楽しみもできるでしょう」。

また、焼きそばに使うのは蒸し麺。既に火が通っているから、調味のためにさっと加熱するだけでOK。麺を常温に戻しておけば、ほぐすために余計な水分を加える必要もない。これもまた失敗しないためのポイントだ。

以上の理論を理解しておけば、無駄なく簡単に、おいしい麺料理ができ上がる。ぜひお試しあれ。

 
 
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PROFILE

ウー・ウェンさん
中国、北京で生まれ育つ。料理上手な母から受け継いだ料理が評判となり、料理研究家に。「料理を通じて日本と中国の懸け橋になりたい」との想いから、東京と北京でクッキングサロンを主宰。少ない材料や調味料、道具で作れる、医食同源の知恵にあふれた料理が人気。著書に『ウー・ウェンの北京小麦粉料理』『ウー・ウェンさんちの定番献立』(ともに高橋書店)、『からだを整える お手当て料理』(天然生活ブックス)など多数。http://www.cookingsalon.jp


●情報は、FRaU2017年7月号発売時点のものです。
Photo:Keiichirou Muraguchi Styling:Misa Nishizaki Composition:Shiori Fujii

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