若手の職人が続々と独立する昨今。同世代という馴染みやすさや、比較的お手頃で大満足できる価格設定も嬉しい限り。寿司屋の粋はそのままに、等身大で楽しめる4軒をセレクト。
 

シンプルな姿のなかに
こだわりの職人技が宿る

鮨 はしもと

藁で燻した香りのいい鰆。

「日本橋蠣殻町 都寿司」での9年間の修業後、「日本橋橘町 都寿司」の二番手を経て独立した橋本裕幸さん。実直な人柄は、つまみからも握りからも伝わってくる。一見、飾り気のない牡蠣も、酒蒸しにしてから1週間かけて味噌漬けにする手間が掛けられた逸品だ。握りも時間やひと手間をかけた丁寧な仕事がなされ、緩急つけた流れを生み出している。
 

コハダは、しっとりした口当たりで、キリッと締めている。
 

たっぷりと脂がのった鰤のハラスは、酢飯の間に山葵、上に芥子をのせている。つまみ7品と握り10貫のおまかせで¥15000。
 

画像: 「新富町は、修業時代を過ごした下町と雰囲気が似ていますね」と語る、店主の橋本さん。

「新富町は、修業時代を過ごした下町と雰囲気が似ていますね」と語る、店主の橋本さん。
 

毛蟹と雲丹、いくら、酢飯を混ぜた逸品。アルデンテの米がアクセントになっている。
 

なめらかで上品なあん肝。
 

牡蠣の味噌漬けとすじこ。「神保町 傳」の長谷川在佑さんと親しく、アイディアを得ることもあるという。
 

ゆったりと配されたL字型のカウンター。

鮨 はしもと
東京都中央区新富1-15-11 マキプラザ1F 
☎03-5541-5578
営業時間:17:30~22:00(最終入店)
定休日:月

 

概念にとらわれず
独自のセンスを活かしたもてなし

くろ﨑

三重、尾鷲の皮はぎは、肝を間に挟むことによる一体感を楽しむ。

渋谷の裏路地に佇む、京都の町家を彷彿させる黒塀の一軒。「訪れてくれた人を喜ばせたいから、他では食べられないものを必ず置いています」と語るのは、店主の黒﨑一希さん。この日は、幻の蟹と呼ばれるイバラガニの内子が登場した。日本酒は、各地から食事に寄り添うようなタイプを厳選。常時20種類ほど揃えるラインアップにも目を見張る。
 

天草の神経締めの鯖は、築地には出回らない希少なもの。適度な脂と食感が絶品。
 

青森県大間産の本鮪は、口に入る時の温度を意識。食べた時に魚と同時になくなることをイメージしたシャリは、独自のブレンド米。
 

画像: 包丁を握る姿も美しい黒﨑さん。

包丁を握る姿も美しい黒﨑さん。
 

波切りした断面によく味が染み込んだ蛸と大根の煮物。
 

黒﨑さん独自の目利きで仕入れるネタの数々。
 

イバラガニの内子を使った茶碗蒸し。
 

子持ち鮎のペーストには、風干しにして揚げた骨を添えている。お酒が進む、すじこの味噌漬け。トロまる茄子の揚げ浸し。
 

奥には個室のカウンター席がある。

くろ﨑
東京都渋谷区渋谷1-5-9
☎03-6427-7189
営業時間:18:00~21:00(最終入店)、日・祝17:00~20:00(最終入店)
定休日:水

 

麻の葉の組子をバックに
鮮やかに握る姿も一興

鮨 麻葉

鮪のヅケは10日間寝かせたもので、絶妙な口どけがクセになる。

店名の「麻葉」は、お店を構えた「西麻布」の地名と、すくすくと成長する麻にちなんで冠したそう。カウンターに沿った麻葉の組子が舞台のごとく浮かび上がり、寿司を握る店主の塙直也さんの姿が象徴的に映える。寿司は、熟成した魚に、熟成した3種類の赤酢をブレンドしたシャリを合わせるのが麻葉流。つまみ10品、握り10貫+巻き物で、おまかせは1万6000円(税込)。
 

かすご鯛は、昆布締めにしている。
 

鮪の背にある分かれ身の部位である小とろは、2週間熟成。
 

画像: 魚を真空で熟成させる技を使いこなす塙さん。

魚を真空で熟成させる技を使いこなす塙さん。
 

一口サイズながら存在感抜群のつまみ。桜のチップで燻製にした帆立と甘辛く仕上げたあん肝。
 

柚子がフワッと香る自家製の塩辛。
 

檜に漆を塗った特注のおひつ。
 

カウンター席は特別感溢れる空間。

鮨 麻葉
東京都港区西麻布1-4-35 レ・フルール西麻布102 
☎03-5786-6688
営業時間:18:00~21:00(最終入店)
定休日:不定

 

斬新な“ハイブリッド寿司”と
故郷・愛媛から届く珠玉の品々

鮨 りんだ

ボストン産の天然ものを使った“トロ重ね”。

「寿司屋の堅苦しさが嫌い。バーのように自由に楽しんで欲しい」と語るのは、ニューヨークで寿司を握っていた経験を持つ店主の河野勇太さん。薄く切った魚を重ねるなど、個性が光る握りは、舌の上でのとろけやすさやシャリとのバランスから辿り着いたかたち。締めには、実家のみかん農家から届くジュースを。
 

薄く切った鰯は6枚のせ。小骨が気にならない、なめらかな口当たりだ。
 

剣先イカを細かく切って生雲丹をあわせて、塩と酢橘でいただく。シャリは、立派な蒸しかまどを使って、2升をおよそ10分で炊き上げる。つまみと握りを交互に供するスタイルで¥12000~。
 

画像: 仕事の合間には、メジャーリーグのバットで素振りをする店主の河野勇太さん。

仕事の合間には、メジャーリーグのバットで素振りをする店主の河野勇太さん。
 

松茸と鰆に上品な餡を合わせたお碗。
 

寝かせることで旨みや甘みが増す、白海老の昆布締め。
 

「山丹正宗」や「媛一会」など、地元・愛媛の日本酒を取り揃える。実家で栽培している河内晩柑は、サワーに使っても最高。河野さんの同級生の布本拓也さんが手掛けるアオリイカの一夜干し。
 

寛げる雰囲気を演出するため、カウンターにはあえて白木を使っていない。

鮨 りんだ
東京都目黒区下目黒2-24-12 イメージスタジオ109 1F
☎03-6420-3343
営業時間:18:00~23:00
定休日:日・第3月


●情報は、FRaU2016年12月号発売時点のものです。
Photo:Akiko Fukuchi , Yuji Kanno , sono@bean , Aya Kawai Text:Yui Togawa

 
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