今回のFRaU8月号ダナン&ホイアン特集で、朝食&レストラン取材をした前野です。ぶっちゃけ、タイ料理とベトナム料理の区別も曖昧だった私ですが、実際に取材をすすめていて驚いたのは、ベトナムの食文化がバリエーション豊富であること! 麺だけでも、ブン(ビーフン的な米粉麺)、フォー(お馴染みの米粉麺)、ミー(日本のラーメンに近い小麦粉麺)など、種類いろいろ。そこにスープを何の出汁でとるかによって、また細分化されていき……と、麺だけでもとにかく無限。

画像1: 必食!ローカル朝ごはん4選【ベトナム取材日記】

ここまでベトナム料理が発展したのには、歴史的な背景があるそう。コーディネーターの隅野さん曰く、宮廷があったフエを含む中部は、その発展が顕著だったんだとか。というのも、かつての王様は、「一度食べたものを再び食べてはいけない(すごく酷!)」「宮廷料理は使うべき品目数や色彩にルールがある(諸説あり)」など食事に関する細かな決まりごとがあり、宮廷内では新たなる料理を求めて、頻繁にコンテストが行われていたそうな……。貧しい人々にとっては宮廷料理人として王様に仕えることは人生を変える一発逆転のチャンス。そのために切磋琢磨しているうちに、食文化がめっちゃくちゃ進んだ、ということらしいです。
 

【1日目】
甘いスープが胃袋に染み入る、
生肉フォー

画像1: 【1日目】 甘いスープが胃袋に染み入る、 生肉フォー

そんなマメ知識を頭に入れつつ、まず滞在初日に行ったのが「フォーリエン」。見よ、このキラキラ輝くスープ! 実は私、パリに少し住んでいたことがあり、そのときに週1で食べていた生肉フォーがすこぶる美味しかったんです。しかしながら、あのタイプのフォーって日本にはなく、某俳優さんばりにあの味を探し求めていたところ……そういえばこちらのお国が元祖でした。

「フォーリエン」のスープはとっても甘い口当たりで、朝の胃袋にやさしく染み入るお味。上には赤みの残った牛肉がのっており、ミントやもやし、そして超絶うまいパパイヤの浅漬け(!)をセルフでトッピングします。麺の量が多くて、でもスープも止まらなくて、気づくとかなりお腹がパンッパン! ベトナムの人にとってもフォーはブンに比べてお腹にたまるので、”今日は1日がんばるぞ〜” って日の朝に食べることが多いんだそうです。
 

画像2: 【1日目】 甘いスープが胃袋に染み入る、 生肉フォー

ちなみに、ベトナムで麺を食べるときにテーブルにはいろんな薬味的なものが備え付けられています。それらを写真でサクッと解説。

PHO LIEN(フォーリエン)
25 Le Loi St., Hoi An,Quang Nam
☎090-654-3011
営業時間 6:00〜19:30
※売り切れ次第終了
定休日:なし

 

【2日目】
二日酔い明けでもOK!
ベトナム風きつねうどん

そしてそして、2日目に行ったのは「ブンチャーカーオンタ」。ブンチャーカーはベトナム中部の郷土料理で、チャーカーは魚肉さつま揚げという意味。日本でいうと “きつねうどん” といったところでしょうか。そしてここでもまた、トッピングの中に驚きの美味しいアイテムを発見! それはマルムックというというオキアミ(サクラエビ的なもの)の塩辛。これを魚介出汁のスープに溶かすと、味にさらなる奥行きが出て、ううう、うまい! ここでも葉っぱものは写真のようにてんこもりにするのがローカル流だそうです。
 

画像: 【2日目】 二日酔い明けでもOK! ベトナム風きつねうどん

ちなみにこちら、野菜はすべて無農薬のものを使っているそうです。ベトナムでも最近はオーガニック野菜への関心や、化学調味料を排除するようなムーブメントがあり、この店のように無農薬ものを使っているレストランはとっても繁盛しているそう。確かに2階の大部屋まで満席でした。こちら昨日のフォーと比べるとかなりスルッといけちゃう感じ。二日酔い明けにいいかもです。

BUN CHA CA ONG TA(ブンチャーカー・オンター)
113A Nguyen Chi Thanh St., Hai Chau Dist., Da Nang
☎0236-389-8700
営業時間:6:00〜21:00
定休日:なし

 

【3日目】
お持ち帰りもイケてる、
チュルリと食べる生ライスペーパー

さてさて毎日の美味しいもの三昧で胃袋も疲れてきた3日目は、生ライスペーパーでつくるワンタンのようなバインクォンのお店に。「バインクォンノントゥアン」は、店先に座ったおばちゃんが、まるでクレープをつくるかのように水で溶いた米粉を蒸し、その場でひと皿ひと皿仕上げていくスタイル。

上にはキクラゲやフライドオニオン、豚のでんぶ(お肉のふりかけ的な)が乗っかっていました。隅野さんによると、ベトナム人は食において “歯応え” を重視する傾向があるそうで、柔らかいものにはカリカリとしたものをトッピングというのが定番なのだそう。

湯気の上がるお皿を持ってお店の中に入ると、ふくふくとしたキッズが器用にお箸を使ってバインクォンを食べていました。ベトナムの子供たちはみんな体格がよくて、日本の子供の1.5倍くらいある印象。というのも、こちらでは「恰幅の良さ=富の象徴」というイメージが根強くあり、そのため半数近い子供たちが肥満児に……という事態になっているんだとか。この子はどうやらここのお店の子供だったようで、そのあまりの愛くるしさに、何枚も何枚も写真を撮ってしまいました!
 

しばらくお店の様子を観察していると、バイクでふら〜っと現れて注文し、to goしていくお客さんも多いことに気づきました。ということで、今回は私も持ち帰りスタイルを実践! バインクォン、野菜、スープがそれぞれ別々に渡されるので、“あと乗せ” してもできたてとほぼ同じ味を楽しめます。素晴らしい! 営業時間が11時までなので、ランチとしてサッと買ってどこか別の場所で食べる……というのもおすすめ。

Banh Cuon Nong Thuan(バインクオンノン・トゥアン)
61 Nguyen Chi Thanh St,. Hai Chan Dist.,Da Nang
☎090-517-3981
営業時間:6:00〜11:00、14:00〜17:00
※売り切れ次第終了
定休日:なし

 

【4日目】
お口の中でほどける牛スジ肉たっぷり!
カレーうどん

悲しき最終日の朝は、ブンカリーの「カリーリエン」へ。こちらはその名の通り、ブンのカレーバージョン。イメージとしては、そう、カレーシチューうどん! 中には、口に入れるとやわらか〜くほどける牛すじ肉や、甘さの際立ったにんじんがゴロゴロ。その中にブンが沈んでおり、添えてあるのはパン。最初はそれほどでもないけれど、あとから辛さが追っかけてくる感じです。そのため、ついついパンが進んじゃう!

ブン&パンという結構なボリュームで、でも周りを見渡すと、子供から大人まで完食しているから驚き。時は朝7時。みんなすごい食欲だな〜と関心しつつ、自分のボールを見たらあっさり完食していました。ちょうどこの日が日曜だったこともあり、一族でまるっと円卓を囲んでいる光景もチラホラ。しかし、よくよく聞いてみると、「この子はうち子じゃないよ〜」なんて話していたり。うちの子も他のうちの子も、みんなでひとつの食卓に座り、同じものを食べる休日の朝。これってなんか幸せだよな……って思いました。
 

画像: 【4日目】 お口の中でほどける牛スジ肉たっぷり! カレーうどん

私たちのチームのコーディネートをしてくれた隅野さんは、ダナン在住15年の元料理人。食に関する知識もものすごく、著書『現地在住日本人ガイドが案内する ダナン・ホイアン・フエ』(徳間書店刊)には隅野さん視点の美味しいレストランがたくさん紹介されています。ブンカリーにはさらに唐辛子をたっぷり。さすがです。

CARY LIEN(カリー・リエン)
95 Tran Cao Van,Hoi An,Quang Nam
☎090-559-6270
営業時間:6:30〜8:00
※売り切れ次第終了
定休日:なし


ダナン・ホイアンのあるベトナム中部は、国内でもクセのなく辛すぎない味付けが主流。日本人の舌に合う食べ物が多いのだそうです。学校の始業時刻が朝7時(!)というベトナムは、朝食屋さんのオープンも5時、6時が当たり前。

さらに “朝ごはんは外で食べる” という風習なので、早朝の店先には、ローカルの人々のリアルな日常があふれています。どちらも日本円にすると200〜300円。ベトナムの活気と食文化がのぞけて、なにより美味しい朝ごはん。頑張って早起きする価値ありますよ!

 
 
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Text & Photo:Sachico Maeno

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