自転車が縦横に行き交う大通り、花や果物をいっぱいに積んだ行商の小舟。ベトナムと聞いて多くの人が思い浮かべるのは、賑やかで活気溢れる街の情景だろう。でもそれはあくまで一部。少し足を伸ばせば、雄大な自然と長い歴史が織りなす壮大な景色が広がるのだ。街の喧噪を離れて、私たちがまだ知らない絶景に出会う旅へ。

 

お話を伺ったのは……

西澤智子さん
海外旅行がきっかけでベトナムにハマり、その後ホーチミンに1年、ハノイに3年暮らす。著書に『3泊5日のハノイ旅ガイドBOOK』(河出書房新社)がある。

 

異なる時代の帝陵が一堂に

フエの建造物群

画像1: フエの建造物群

中部の都市フエにはかつてベトナム最後の王朝となったグエン朝(1802年~1945年)の都があり、当時の王宮や寺院といった歴史建造物の一部が世界遺産に登録されている。特徴的なのは、グエン朝では歴代の皇帝がそれぞれ帝陵を建てていたこと。そのため、一つの史跡の中に時代の異なる帝陵が共存して残っているのだ。
 

画像2: フエの建造物群

「皇帝の趣味嗜好や、中国やフランスなど当時影響下にあった他国の文化が強く反映されており、建築様式もすべて異なるので見応えがあります。なかでも、フランス文化に感化されていたというカイディン帝の帝陵は豪華絢爛。中まで煌びやかに装飾されていて素敵です!」
 

画像3: フエの建造物群

 

世界遺産に登録されている王宮はフエ旧市街と郊外に。フエまではハノイ、ホーチミンからそれぞれ空路で約80分。中部の都市ダナンからはバスで約2時間。 

 

洞窟の中に広がる小宇宙

フォンニャ=ケバン国立公園

画像: 撮影協力:ベトナム航空

撮影協力:ベトナム航空

佐渡島とほぼ同じという広大な敷地に、大小約300の洞窟を有する。フォンニャ洞窟は川からボートで、山の中腹に入り口があるティエンソン洞窟は500段ほどの階段を登っていく。

「フォンニャ洞窟は静寂の中、真っ暗な狭い水路を通っていくのが冒険感満載。ティエンソン洞窟は、中に入るとまるで月面に降り立ったような気分に。洞窟の中なのに不思議な惑星っぽさがあるんです。どちらも日本の鍾乳洞とは比べものにならない大きさで、それぞれ印象が異なります。『天国の洞窟』と呼ばれるティエンソン洞窟は、秘境的な場所が好きな人には特にオススメです」
 

洞窟見学は中部の街ドンホイが拠点になり、ツアーも出ている。ドンホイまでハノイから空路で約70分。またフォンニャ洞窟は川が増水すると行けないこともあるので雨季は要注意。

 

山奥に突如現れる聖なる場所

ミーソン聖域

画像: ミーソン聖域

4~13世紀頃に栄えたチャンパ王国の遺跡。王国を築いたチャム族は仏教が盛んなベトナムでは珍しくヒンドゥー教を信仰しており、当時ここを聖域としていた。ベトナム戦争中の爆撃や戦後の盗掘で大半が破壊されたものの、精巧な彫刻を施した祠堂の外壁なども少数だが現存している。

「まったく日陰のない場所を歩きまわる点は若干ハードですが(笑)、2時間ほどで全部をまわれる規模は観光向き。歴史や宗教を予習しておくとより深く楽しめます。遺跡に行く前に、ダナンにあるチャム彫刻博物館に寄るのもいいですね」
 

近隣の都市から出ているツアーに参加するのがおすすめ。遺跡までは中部の都市ダナンからバスで約2時間、こちらも世界遺産に登録されているホイアンからは約1時間。

 
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●情報は、FRaU2017年8月号発売時点のものです。
Photo:Tomoko Nishizawa(Phong Nha-Ke Bang), amanaimages Text:Megumi Yamazaki

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