いい女になりたい。でも、なにをもっていい女とするかはけっこう難しい。見た目も大事なのだろうが、歳を取るにつれて「中身も大事だろ」と思うようになってきた。しかしわたしの中身ときたら、長年ほったらかしにされ、曇ったり、ヒビが入ったり……早急にメンテナンスが必要な状況である。

というわけで、この連載では、マンガ・映画・小説などに登場するいい女について考察していく、憧れすぎて自分の中に「飼いたい」と思ってしまうようないい女たちから、大いに学ぼうじゃないか。

 

今月のいい女:
大人の女の友情

最近、疲れるとすぐ石田ゆり子のInstagramを見に行ってしまう。ゆり子さまのお姿はもちろん、愛猫&愛犬、すてきな家財道具などを眺めていると、みるみる疲れが取れる。湯船に浸かるのと同じくらいの効果はある。保証する。

プライベートの様子を見せてくれる芸能人アカウントは他にもある。ペットの画像なんて、それこそ掃いて捨てるほどある。なのに、ゆり子さまのインスタが一番癒やされるし、なぜだか中毒性が高い。たぶん、彼女がほとんど家にいるのがいいんだと思う。気取った飯屋とか最新の流行スポットは、一切出て来ない。彼女はとにかく家におり、そこにはリラックスした雰囲気が流れている。撮る写真が全体的にキメキメじゃないのも、油断が感じられてよい。

家が大好きなゆり子さまは、家族や友人を家に呼びまくっている。その中でもトップレベルのお呼ばれ度を誇るのが、女優の板谷由夏だ。

ゆり子さま単独のインスタもよいのだが、ゆり子×由夏の「女の友情」はさらによい。ゆり子さまの家でダラダラしている板谷由夏を見ていると、自分の方が美人だとかいったマウンティング合戦から解放されたアラフォー女の風通しのよい友情だなと思う。バッチリメイクじゃない顔をアップされても、なんとも思ってなさそうな所も好感が持てる。

芸能界における女の友情と言えば、わたしが思い出すのは、黒柳徹子と野際陽子とか、吉行和子と冨士真奈美と岸田今日子とかいった、諸先輩方の友情である。歳を取っても仲良しであること自体がまず素晴らしいが、世間一般にはイレギュラーとされるような女の生き方を、まるっと受け止めているのがとにかく最高。男以上に稼ごうが、生涯独身だろうが、わたしはあなたの親友であり続けます、という態度と、決して表沙汰にはされないが、お互い支え合って乗り越えてきたのであろう人生の難局を思って、胸が熱くなる。

実際にこの目で見たわけでもないのに熱くなってすみませんと思うのだが、やめられない。ゆり子×由夏も、そういう関係であってほしい。

だって、女の人生には、いくつかの分岐点があって、どれだけ仲が良くても、いつの間にか疎遠になってしまうことがあるのだから。

わたしから遠ざかっていった友だち、逆にわたしから連絡を取らなくなった友だち。そういう女たちが去った後、なおそこに残っている女は、ひょっとすると配偶者と同等、あるいはそれ以上にすごいんじゃないか。そして、そういう女と自宅でダラダラしてる様子を、「これがわたしの友だちです」とみんなに紹介できるのは、なんて誇らしいことなんだろう。いつかわたしにも、そういう日が来てほしい。まあ、今のところ、部屋が散らかりすぎていて、友だちがいようがいまいが、家には呼べないのだけれど。

 
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PROFILE

トミヤマユキコさん
1979年生まれ。早稲田大学文化構想学部助教。少女漫画を中心としたカルチャー関連の講義、研究を行う。また、ライターとしても様々な媒体でコラムや評論を執筆中。教え子がアシスタントとして働きたいと言ってきました。光栄なのですが、私でいいのか?とも思っています。

 
●情報は、FRaU2017年9月号発売時点のものです。

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