昨年放送されて大ブームとなったドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』で俳優としてミュージシャンとしてさらなる注目を浴びた星野源。文筆家としても活躍する多才な彼が、映画『夜は短し歩けよ乙女』でアニメ声優として単独初主演を飾った。この作品についてのインタビューで語った仕事や恋愛のスタイルとは?

 
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恋に対して僕自身は
外堀を埋めずに突進していくタイプ

あらゆる心情を豊かに、細やかに伝える声の魅力は、もちろん今回の作品でも生かされている。星野さんが声をつとめたのは、クラブの後輩、“黒髪の乙女” に惹かれながらも告白できずに空回りをする “先輩” 。自信のなさから一歩を踏み出せない先輩が、新たな扉を開けていくまでの妄想と混乱は、思わず応援したくなるような切なさと愛らしさに満ちている。

初主演を飾った映画『箱入り息子の恋』しかり、“逃げ恥” しかり、恋に臆病な人生を送ってきた役柄を演じることも多いが、「僕自身は外堀を埋めずに突進していくタイプ」と自己分析し、ラジオ番組でも「自分から告白したことしかない」と語っている。

「それでうまくいくこともあるし、うまくいかないこともありますね。いかないことのほうが多いです(笑)。

先輩は “女の子なら誰でもいいのに、この人だって自分に言い聞かせているだけじゃないか?” みたいなセリフからもわかるように色々と考えすぎなのですが、それは乙女に対して誠実でありたいからこそだと思うんです。でもやっていることは “なるべくすれ違う” みたいなことなんですけど(笑)。

すごく遠回りなのですが、先輩はちゃんと自分と闘っている感じがしました。言い訳だけで終わって行動せずに自分を責めたり、周りに迷惑をかけたりするのではなく、この人なりのまっすぐさがあるところが好きです。

曇りがある人同士の恋って現実ではわりとよくあって、ともすると傷のなめあいになってしまうことがあるけれど、これは先輩のように曇りしかない人が、乙女のように一点の曇りもない人に恋をして、行動を起こしていく話ですよね。

恋というものを信じている感じがするし、現代にはなかなかいないピュアさを持っている人だという感じがして、いいなと思います」


好奇心旺盛でマイペース、乙女のような女の子は星野さんの目にはどんなふうに映ったのだろうか。

「誰にも媚びずに、我が道を行く女の子ですよね。乙女のようなキャラクターは現実にはなかなかいないと思うのですが、自分が行きたい方向に進んでいくところや、好きなものに従順なところがいいなと思います」

 

お酒が好きな人はお酒を飲んで
やっと心を開いてくれる人が多い

画像: ニット¥6500 / URBAN RESEARCHROSSO 神戸店(アーバンリサーチ ロッソ) Tシャツ¥6000/ URBAN RESEARCH 神南店(アーバンリサーチ)

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酒豪の乙女がひらりと夜の街を歩けば摩訶不思議な出来事が起こり、ひとつの出会いが次なる縁を呼び寄せて、人と人とがつながっていく。かつて自分が「人見知りだと思うことをやめた」と語った星野さんにとって、お酒の場でのコミュニケーションがどんな意味を持つのかも気になるところだ。

「お酒を飲むとすぐに真っ赤になって人間として使い物にならなくなります。でも20歳くらいのときに居酒屋で働いていたこともあって、酔っている人と話すのはすごく好きなんですね。酔っぱらっちゃう人も、あまり顔に出ない人もどちらも好きです。

お酒が好きな人はお酒を飲んでやっと心を開いてくれる人が多い印象なので、飲まなくても常に心を開いている状態の僕としては、そういう場でやっと話ができる気がしています。

特に役者の先輩にはシャイな方が多いので、お芝居やご自身の話を聞きたいときにはお酒の席のほうがいいなぁと思いますね。あと女の子を口説くときにお酒の力を借りるっていうじゃないですか。それがうらやましい。ダメだったときに酔っていたからと言い訳ができて、卑怯だなとも思うんですけど。僕はその力を借りずに、突進するしかないですからね(笑)」

 

PROFILE

星野源 Gen Hoshino
1981年、埼玉県生まれ。00年にインストゥルメンタルバンドSAKEROCKを結成し、’10年にアルバム『ばかのうた』でソロデビュー。俳優としての出演作にドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』など。MV集『MusicVideo Tour 2010-2017』が5月17日にリリースされる。5月21日からLIVE TOUR 2017『Continues』がスタート。
 

【INFORMATION】
『夜は短し歩けよ乙女』後輩の “黒髪の乙女” に思いを寄せる、恋に臆病な “先輩”。なるべく彼女の目にとまるように行動する、ナカメ作戦を決行するが……。森見登美彦のベストセラー小説を、『四畳半神話体系』などで知られる湯浅政明監督が長編アニメーション化。京都のマジカルな一夜を描く青春ラブストーリー。4月7日より全国公開中。 

●情報は、FRaU2017年5月号発売時点のものです。 
Photo:Sasu Tei(W) Styling:Teppei Hair&Make-up:Go Takakusagi(Vanites) Interview&Text:Mika Hosoya

 
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