「いつだって僕の片思いなんですよ」と笑う小栗さん。そんな二人だが、共に悩みながら駆け抜けた20代、「良い作品を作りたい」「同世代で時代を変えていきたい」「役者やクリエイターが力を発揮できる環境を作っていきたい」夜な夜な飲みに行っては熱く語り合った時期も。そんな過去に触れると「ふふっ」と一笑。

 
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熱い思いをぶつけ合った20代

岡田 そういえば、そんな大きいこと、言ってましたね(笑)。

小栗 今、改めて聞くと、ちょっと恥ずかしいよね(笑)。

 
――そう、照れ臭そうに言葉を続けた。

小栗 基本的には、その思いはずっと変わってないと思います。でも、外への出し方が変わったというか……。

岡田 当時は、自分達が発言することで何か変わるかもしれないとか、発信しないと何も変わらないっていう思いが強かったからね。でも、思っていたことが少しずつ実現できるようになると、俯瞰で物事を見れるようになったり。あと、年齢を重ねたのも大きいよね。見られ方が変わる。30代になると「20代の若造が何言ってるんだよ」っていう感じがなくなるじゃないですか。すると、割と楽になるというか、肩に力を入れなくてもよくなるというか。

小栗 でも、当時の僕達の熱い会に参加したことで「変わった」と言ってくれる役者仲間もいたりして。その一人が山田孝之なんですけど。映画『クローズZERO』で共演した直後くらいかな。無理矢理誘って連れて行ったことがあって。まだまだ全然社交的じゃなかった頃の山田孝之を(笑)。

岡田 「俺なんか死んでしまえばいい」ってずっと言ってたからね(笑)。

小栗 一人、芋焼酎をちびちび飲みながら(笑)。でも、僕の周りにいる役者仲間の中で、そんな彼が間違いなく今一番精力的なんですよ。そして「あの頃、自分達でも何かできる、変えることができる、そんな二人の話を聞いて、そのときは “へぇ、そうなんだ” としか思わなかったんだけど、それを有言実行していく二人の姿を見て自分も考えた。今の自分はそこからなんだよ」と言ってくれて。それはすごく嬉しかった。

 

今も昔も「変わらない」

――出会いから約12年。気づけば30代半ばに。熱い20代を共に過ごし、30代の今、二人の目にお互いの姿はどう映っているのだろうか。

小栗 変化みたいなものはあまり感じていないと思う。どちらかというと、変わってないというか。ただ、岡田君に関しては、会う度に “侍” に近づいていくなって思いますけどね。自分を律する姿勢、「義」を持ち続けているところ、そして、気づけば常に自分の肉体と向き合いまくっているという(笑)。そういう姿を見ていると「現代における侍って、多分、こういう人なんだろうな」って。その結果、本当に侍みたいな役のオファーしか来なくなっちゃったっていう。そういうことを本人もよく言っているんで(笑)。

岡田 ははははは‼ 小栗君は、自分で企画やったり、監督やったり、間違いなく革新者だと思うし。あとは何より、人柄ですよね。彼の周りに同世代の役者が集まる、それが彼の全てを物語っている。一人の俳優としてこれからどう歩いていくのか、それをずっと見ていきたい。その思いは今も昔も変わらない。

 
――岡田さんは小栗さんのことを「本音を語り合い、悩みを共有し、核となる部分に触れ合った仲間」と表現。それに対して「僕は岡田君を義兄弟だと、盃を交わしたくらいの仲だと思っていますよ。まあ、それもまた僕の一方通行な思いで終わるんでしょうけどね」と笑った小栗さん。そんな二人の関係性も、そして、約12年ぶりに同じ現場に立った感想もまた「変わらない」。

岡田 なんだろうね、芝居に関する思いとかは、普段から話しているから。改めて「変わった‼」と思うことはなかったし。そうそう、出会ったときと同じように、今作でも一緒に新幹線で帰ったりもしたんですよ。小栗君は今も昔も優しいから、先に撮影が終わったのに「一緒に帰りましょうよ」って待っていてくれて。前回と違うのは、そこに共演した柄本佑さんがいたことくらい。そして、酔っ払ったことくらい。富山から東京までの数時間、楽しくてついつい飲みすぎちゃってね(笑)。

小栗 柄本佑に関しては「記憶がない」って言ってましたからね(笑)。

 

30代のうちに
一度は殴られたい

――約12年ぶりの共演作となった『追憶』。今作は降旗康男監督とキャメラマンの木村大作さんという “日本映画界の巨匠” が9年ぶりにタッグを組んだことも話題に。そんな巨匠をはじめ、映画界
を支えてきた熟練のスタッフに囲まれながらの撮影を経験して「改めて映画を撮る楽しみを教えてもらった」「今後、映画をやっていく僕らに “伝えたいこと” が先輩達の中に密かにあって。それを託されたような気持ちになった」そう口を揃え「そんな現場に二人で立つことができた。それもまた、とても意味のあることのような気がしている」と語った二人。

小栗 この経験は間違いなく自分の財産になるだろう、そう感じるのと同時に、次に岡田くんと共演するのはまた先になるんだろうなという予感も。そして、僕はこれからもきっと言い続けるんでしょうね「岡田君と共演したい」って。

 
――そして「自分達で何か面白いことをしようとか、何か発信できることがあるんじゃないかとか、そんな熱い会話を交わした20代。お互いに主演として現場に立つ機会が増えた30代。今は別々の道を歩いているように見えるけど、この道はきっとどこかで繋がっている。常に戦い続けながら、前へ前へと進み続ける。そんな岡田君の背中が目の前にあるのは、後ろを歩む身としてはとても心強い」そう言葉を続けた小栗さん。

岡田 次の共演はいつになりそうか? どうだろう、また10年後とかになるのかな。どうせなら、次は戦ってみたいよね。体がまだ動くうちに(笑)

小栗 10年後だと、僕が44歳で岡田君が46歳でしょ。ギリギリだよね。今、ドラマで共演している西島秀俊さんでさえ「あと2年で動けなくなる気がする」って言っていたから。30代のうちに一度は戦かっておかないと。一回は岡田君に殴られておかないと(笑)

岡田 まあ、殴られるのは俺かもしれないけどね(笑)。

 

PROFILE

岡田准一 Junichi Okada
1980年11月18日生まれ。主演ドラマ『木更津キャッツアイ』で役者として注目を集める。その後、出演作を重ねながら実力を高め、映画『永遠の0』で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞。今年は今作の他に主演映画『関ヶ原』の公開が8月26日に控えている。

小栗旬 Shun Oguri
1982年12月26日生まれ。昨年は映画『信長協奏曲』や『ミュージアム』が大きな話題に。出演オファーが絶えない実力派俳優。現在、ドラマ『CRISIS公安機動捜査隊特捜班』に出演中。また、今作の他に映画『銀魂』『君の膵臓をたべたい』が公開予定。

 
●情報は、FRaU2017年 5月号発売時点のものです。
Text: Miwa Ishii Photo: Toru Daimon Styling: Takatoshi Igarashi(Yolken/Junichi Okada)、Kazuhiro Sawataish(i SEPT/Shun Oguri)Hair&Make-up: Akiko Soumon(Junichi Okada)、Chika Kimura(tsuji management/ Shun Oguri)

 
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