ブランディングディレクター福田春美さんの連載。今回のゲストは、陶芸家の竹村良訓さん。その手から生み出されるのはフォルムの美しいカラフルな作品の数々。自由な発想がベースにあるという竹村さんのものづくりについて聞きました。

 

[福田春美 連載 vol.5]
今回のゲストは……

ロクロをひく竹村さん。

陶芸家
竹村良訓さん
1980年、千葉県生まれ。東京芸術大学大学院修了。木工と漆芸を学びながら陶芸に出会う。文化財修復を修め、同時に古陶磁の研究・復元制作にも従事。陶芸は独学。釉薬を駆使した色鮮やかな作品で注目を浴びる。アトリエ併設の〈陶房『橙』〉で指導も行う。

 

フォルムと釉薬は即興で
再現性のない作品づくり

画像: 現在〈eatrip〉で使われている器は、深くて大きいボウル型。

現在〈eatrip〉で使われている器は、深くて大きいボウル型。

春美(以下):私が最初に竹村さんの作品を知ったのは、フードディレクター・野村友里さんの店〈eatrip〉で。色のセンスやバランスが絶妙で、これは日本版ピーター・シャイヤー(アメリカLAのアーティスト)だと思った(笑)。

竹村(以下):ありがとうございます(笑)。15年ほど陶芸をやっていますが、現在のスタイルになったのは4年ほど前。伊勢丹新宿店の展示「LIFE is ART 〜ルーシー・リーにあこがれて〜」に出品して。そのときの展示に出品されていたスウェーデンの作家ベルント・フリーベリの作品に触発されました。最初から陶芸は独学で、特に修業することもなく、自由にやってきて現在に至ります。
 

画像: カラフルな花器と小さなマグカップ。フォルムも釉薬の組み合わせ具合も一点たりとも同じものはない。

カラフルな花器と小さなマグカップ。フォルムも釉薬の組み合わせ具合も一点たりとも同じものはない。

:それがかえってよかったのかもしれないですね。他人の影響を受けすぎることもなくて。竹村さんの作品は一点一点違って、アートピースに近い。

:花器が象徴的なのですが、色のチョイスは、洋服を着せるという感覚なんです。素焼きの段階では真っ白なので、フォルムやプロポーションを見て思いつくままに釉薬を考える。その作業が人の何倍も時間がかかるけれど、大事な過程だと思っています。作品に再現性がなくていい。形や色はその時に浮かんだものを作っているので、ほぼ即興なんです。
 

:画家に近い感覚ですね。一度描いたら同じものは描かない。それでいて、ちゃんと生活の中で使える器だからすごい。

:定番を作って量産するタイプではないけれど、使えるものがいい。実際レストランでも使ってもらっているので、器としての機能を果たしているかなと。僕はいつも職人とアーティスト、その狭間で作っている感じなんです。
 

陶房『橙』
現在、千葉県松戸市で陶芸教室〈陶房『橙』〉を主宰。基礎的なことはもちろん、釉薬や焼成などの専門的なことまで実践できる。開室日・時間帯は要問い合わせ。
Instagram:@takemurayoshinori

 
 
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PROFILE

福田春美さん
ホームケアブランド〈a day〉、大丸松坂屋百貨店の新北海道展WEBサイトto the northなど、広告のインテリアスタイリング、大手メーカーのプロダクトのプロジェクトなど幅広くブランドディレクションを手がける。新しい浄水器を提案する〈クリンスイ〉が話題に。

 
●情報は、FRaU2017年10月号発売時点のものです。
撮影:若木信吾 Text:Chizuru Atsuta


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