オーストリアの首都ウィーンは、かつて東西ヨーロッパに渡り広大な領土を治めていたハプスブルク家の都として栄えた街。輝かしき宮廷文化の足跡が感じられ、ゴシックやネオゴシックなどの中世の面影残る街並みや歴史的建造物はもちろん必見ですが、それらと同じく注目したいのは、欧州の中央に位置し、当時の領土内の様々なエリアからご自慢の料理が持ち込まれ今にいたる食事情です。宮廷時代にルーツをもつヒストリカルフードや、西欧・東欧のバラエティ豊かな料理は必食です。

ウィーングルメを食べ歩く際のおすすめは、朝の市場パトロール。街のあちこちに点在するMARKT(市場)はウィーンの食の本質を目の当たりにできるスポットです。西欧や東欧、中近東など各地の食材が混在し、欧州の食を俯瞰することができるので、見ないで帰ったら後悔すること間違いなし。

ウィーンのグルメ探訪をする前に朝の市場で食材のイメトレを。それではウィーンの胃袋を支える市場を訪ねていきましょう。

 

歩いているだけで視覚にインプット
朝活はストリートMARKTから

画像1: 歩いているだけで視覚にインプット 朝活はストリートMARKTから

ウィーン中心部から南に位置するViktor Adler Platz(ヴィクトル・アドラー広場)で開かれているViktor Adler-Markt(ヴィクトル・アドラー市場)と、隣接するLeibnizgasse(ライブニツガッセ)のファーマーズマーケットは、庶民的な市場として知られており、ウィーンのリアルな食事情を感じることができます。彩り豊かな野菜がどっさり、ビッグスマイルと大きな声で出迎えてもらえます。

トマトや瓜類といった普段見慣れた野菜も、ところ変われば大きさや色も様々、かぼちゃやあんず茸など季節の味覚も満載、またブーケのようにかわいらしく束ねられたハーブなども垂涎です。店員さんたちのドイツ語で交わされる小気味良い会話も手伝って、まるで食材のストリートライブのよう。
 

画像2: 歩いているだけで視覚にインプット 朝活はストリートMARKTから

地元の方も通うこちらの市場はとてもフレンドリー、見ているだけでも楽しいですが、気になるハーブや美味しそうなフルーツを見つけたら、お店の方に笑顔でお願いすればその場で味見をさせて頂けることも。

Viktor Adler-Markt
Viktor Adler Platz/ Leibnizgasse, 1100 Wien
営業時間:6:00〜
定休日:日

 

多国籍な市場もウィーンの醍醐味
東西ミックスなMARKTも楽しんで

画像1: 多国籍な市場もウィーンの醍醐味 東西ミックスなMARKTも楽しんで

ウィーン中心部から西に向かったOttakring(オッタクリング)と呼ばれる16区に位置するBrunnenmarkt(ブルネン市場)はストリートマーケットとしてはウィーン最大級とも言われており、隣接するYppenplatz (イッペン広場) の常設市場も人気で、時にBrunnenmarkt/Yppenplatzとも呼ばれています。

野菜や魚介類や肉類などの生鮮食材を軸に展開されている市場で、「HALAL(ハラール:イスラム法上で食べることが許されている食材や料理のこと)」表記を掲げるお肉屋さんやセルビア系のお店、またトルコの国民食と言われ中近東でもよく食されている穀類BULGUR(ブルグル)なども並び、多国籍ムードが色濃く漂っているのも、移民の多いオーストリアならでは。

ウィーンでトルコやセルビアというのは少々意外に感じるかもしれませんが、国の歴史を考えるとむしろ納得できるところです。
 

画像2: 多国籍な市場もウィーンの醍醐味 東西ミックスなMARKTも楽しんで

焼き立てTandoori Brot(タンドーリオーブンで焼いたパン)や、ブルグルなどの穀類に豆類、スパイス、ピクルスなどの保存系食材も充実していて、日本では手に入りにくい食材やオーストリア以外の国のものをお土産にするのもユニークだと思います。お立ち寄りの際はエコバッグをお忘れなく。

Brunnenmarkt
Brunnengasse, 1160 Wien
営業時間:6:00〜
定休日:日(出店数が多いのは金曜日と土曜日)

 

地元の人もツーリストも大満足
ウィーン最大Naschmarktは外せない

画像1: 地元の人もツーリストも大満足 ウィーン最大Naschmarktは外せない

ウィーンの主な観光名所はリングと呼ばれる通りの内側に密集していますが、リング通りの中でも、オペラ座があるOpernring(オペラのリング)と呼ばれるエリアのほど近くに位置するNaschmarkt(ナッシュ市場)は、ウィーン最大の市場で、知名度も高く、地元の方だけでなくツーリストも気軽に満喫できる市場です。

揃わないものはないのではないかと思うほど種類豊富な生鮮食材店や、さすがのヴィネガー大国、ヴィネガー専門店などが立ち並びます。野菜や果物などは他の市場よりもスモールポーションで店先に並べられているほか、お土産屋さんもあり、ツーリストでも気軽に買物が楽しめる市場です。また土曜日にはNaschmarktの近くで蚤の市が開かれており、土曜日に2つの市場をハシゴするというプランもおすすめです。
 

画像2: 地元の人もツーリストも大満足 ウィーン最大Naschmarktは外せない

蚤の市では骨董や古着、はたまたがらくたのようなものまで幅広く出品されていますが、目をこらして散策すれば好みのひとしなに出会えるかも(写真は牛の口から注ぐミルクピッチャー)! またNaschmarktはパン屋さんなどの軽食のほか、カフェやバルなど小休憩できるお店も多く、ツーリストフレンドリーな市場です。

Naschmarkt
Wienzeile, 1060 Wien
営業時間:6:00〜
定休日:日

 

ご紹介した市場のほかに、KarmelitermarktやLudwig Müller-Marktなど、市内には屋内施設の市場や駅前の空間を活用した市場など多くの市場が点在しており、Wiener Tourismusverband (ウィーン観光案内所) のサイト(https://www.wien.info/ja)からも確認できます。その日の観光プランの目的地からアクセスのよい市場を見つけて、朝活市場パトロールをするのはいかがでしょうか。
 

なお朝活する時間がない!という方には、Merkur Hoher Marktや赤い帽子を被った黒人の男の子がロゴになっているJulius Meinlといったスーパーマーケットでのクイックパトロールがおすすめ。生鮮食材、ハムやチーズ、調味料や飲み物、デリカテッセンやパン、スウィーツなど、充実の品揃えで、お好みの食材と飲み物を買って宿でつまむのも楽しいです。

中でも高級品とされている Heumilch(ヘイミルク:夏に山で放牧され新鮮な草と水を食べて育った牛のミルクのことで、欧州のTSG認定を受けており、時に山のシャンパンとも呼ばれ好まれています)を原料としたチーズはオーガニックな伝統製法で作られておりぜひとも味わいたいところ。また炭酸ガスの強弱で分類されているミネラルウォーターなどを試してみるのもおすすめです。

パッケージがかわいいチョコレートやお菓子なども多いので、お土産を見つけるのにも重宝します。店内にはワインカウンターがありグラスワイン片手に休憩できるので、うっかり長居してしまわないようご注意を。

ウィーンの市場は、食材調達のための場所にとどまらず、あらゆる食材が揃い、あちらこちらで話に花が咲き、人々が集う交流の場所にもなっているように感じます。ホテルステイなので市場に行っても……と思うなかれ、朝活市場パトロールはリアルなウィーンを感じるには欠かせません。
 

画像3: 地元の人もツーリストも大満足 ウィーン最大Naschmarktは外せない

次回以降の2回にわたり、ウィーンでぜひとも訪れたいレストランやカフェ、ザッハトルテはもとより地元っ子に人気のスウィーツや、ウィーンの必食ソウルフード、また小さなワイン大国ならではのホイリゲと呼ばれる酒場などをレポートして参ります。どうぞお楽しみに。


Text & Photo:奥田ここ Coordinate:Weronika Anasz

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