小沢健二が描く「新しい魔法」。SEKAI NO OWARIとの世代を超えたコラボで生み出した、子供たちの未来を照らす歌。

 

KENJI OZAWA+SEKAI NO OWARI 

画像: KENJI OZAWA+SEKAI NO OWARI

ポップスター、小沢健二がシーンの最前線に戻ってきた。驚きの発想と示唆的な言葉の力でリスナーを虜にする彼の魅力が、再び大きく発揮されつつある。今年2月には19年ぶりのシングル『流動体について』をリリース。さらに9月には「小沢健二とSEKAI NO OWARI」名義でニューシングル『フクロウの声が聞こえる』を発表した。

どちらのファンからも驚きの声が上がった今回のコラボレーション。歌い出しはSEKAI NO OWARIのFukaseが担当し、全編にわたって掛け合いやハーモニーが繰り広げられる。この曲で小沢健二はSEKAI NO OWARIのメンバー4人とアレンジや演奏まで深く意思疎通し共作しているらしく、それがフルオーケストラに加えて様々な楽器の音色が登場するカラフルなサウンドに結実している。

昨年には全国ツアー「魔法的Gターr ベasス Dラms キーeyズ」を行い、そのツアーや今年夏のフジロックへの出演でも「流動体について」や「フクロウの声が聞こえる」を含む7曲の新曲を披露していた小沢健二。それらの楽曲に共通しているのは、ドラマティックで高揚感あふれるメロディ、そして良質なファンタジーや童話文学にも近い奥深さを持った歌詞の言葉だ。「フクロウの声が聞こえる」もそう。

《晩ご飯のあと パパが「散歩に行こう」って言い出すと 「チョコレートのスープのある場所まで!」と 僕らはすぐ賛成する》という歌い出しに始まり、サビでは《渦を巻く 宇宙の力 深く僕らを愛し 少し秘密を見せてくれる》や《いつか混沌と秩序が一緒にある世界へ》というフレーズが声高らかに歌われる。

この曲を作曲していた2015年の頃にNYに滞在していたSEKAI NO OWARIと交流し親交を深めていたことが今回のコラボのきっかけだという。世代もファン層も全く異なる両者だが「ファンタジー的な世界観を通じて深遠なメッセージを表現する」という点や「音楽業界の枠組みやフォーマットにとらわれない活動を繰り広げる」という点においては共通点も多い。そういう意味でも、両者にとって実りあるコラボレーションになったと言えるだろう。

音楽活動と並行して絵本『アイスクリームが溶けてしまう前に(家族のハロウィーンのための連作)』も発売。今の小沢健二は「童話」と「家族」をモチーフに、未来を照らすようなポップソングを作っている。とても刺激的だ。
 

「フクロウの声が聞こえる」
発売直前にSEKAI NO OWARIとのコラボレーションがサプライズ発表された小沢健二のシングル。「今夜はブギーバック」以来23年ぶりのコラボは、ファンタジックな曲調と鮮烈なハーモニーに結実。カップリングには「シナモン(都市と家庭)」を収録。ジャケットのイラストは松本大洋が手掛ける。

 

PROFILE

柴那典さん
音楽ジャーナリスト。ロッキング・オン社を経て独立。著書に『ヒットの崩壊』(講談社現代新書)ほか。共著の『渋谷音楽図鑑』(太田出版)が好評発売中。

 
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●情報は、FRaU2017年11月号発売時点のものです。

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