ウィーンのグルメは本当に幅広く、かつて東西ヨーロッパにわたりハプスブルク家が治めた国々からもたらされたヒストリカルフードや、移民も多い国柄ゆえ多国籍なヌーベルキュイジーヌなど、好みに応じて楽しめるのはウィーンならでは。

今回は伝統のウィーン料理や野菜たっぷりなベジタリアンレストラン、またファストフードと呼ぶにはご馳走過ぎるクイックミール、そしてやはり外せないスウィーツをご紹介して参ります。

 

ヴィーナーシュニッツェルは必食
旬食材とともに伝統料理を味わう

画像1: ヴィーナーシュニッツェルは必食 旬食材とともに伝統料理を味わう

ウィーン中心部の1区にあり、季節の食材を使ったウィーン伝統料理をいただける GASTHAUS PÖSCHL(ペシェル)

まずは薄く焼かれたパンケーキの細切りが入ったスープ。イタリア・トスカーナ地方のかたくなったパンをスープで煮込むリボリータという料理や日本の雑炊のように、パンや米などの炭水化物を汁物で活用するというのは万国共通なのかもしれません。美味しいスープを吸ったパンケーキの食感が気になるかもしれませんが、スープを飲みきるまでしっかりとしており、スープパスタのようなイメージです。
 

画像2: ヴィーナーシュニッツェルは必食 旬食材とともに伝統料理を味わう

ミラノからもたらされたと言われるウィーン風のカツレツ、ヴィーナーシュニッツェルはレモンをギュッとしぼって頂きます。お皿いっぱいの大きさに圧倒されますが、お肉は叩いて薄くされていて、衣が膨らんでいることもあり、食べ始めてみると意外にすんなり完食できるので恐れずにトライしてみてください。

カツレツのシンプルな美味しさはもちろん、ウィーンではサラダとも呼ばれるヴィネガー風味のポテトとともに頂くとさらに格別です。
 

画像3: ヴィーナーシュニッツェルは必食 旬食材とともに伝統料理を味わう

季節のかぼちゃを使ったスープにかぼちゃの種とオーストリア名物かぼちゃのオイル、日本よりも秋の深まりが早いウィーンの冷たい風で冷えたからだにじんわり温かく響きました。

そのほか、同じハプスブルク帝国の統治下にあったお隣の国ハンガリーでもよく作られているグーラッシュ(牛肉やパプリカなどを使ったハンガリー起源とされる煮込み料理。農作業で忙しい人たちが外でグーラッシュを作り昼食にしていたとされる)は季節のアンズ茸を使ったバージョンになっているなど、季節の旬食材とともに伝統料理を供してくれる素敵なお店です。

GASTHAUS PÖSCHL
Weihburggasse 17, 1010 Wien
営業時間:12:00~24:00(料理は ~22:45)

 

ベジタリアン料理も充実
星つきレストランの野菜コース

画像1: ベジタリアン料理も充実 星つきレストランの野菜コース

カツレツやソーセージなどの肉料理が注目されることが多いウィーンですが、ミシュラン一つ星 TIAN Experience Taste では野菜づくしのベジタリアンコースが頂けます。Paul Ivićシェフが表現する料理は、それぞれの野菜の本質的な風味が引き出され、そこにハーブやスパイスなどの驚かせてくれるフレーバーが加えられ、目にも美しく食べごたえも十分です。

赤かぶを使った真紅のスープにはディルのペーストが添えられ、ボルシチのモダン進化版のような味わい。また、レタスの葉をレタスのソースで頂くという、和食でいうところのとも和え的な緑一色のひとさらは、エストラゴンの風味がアクセントになっていて絶品です。
 

画像2: ベジタリアン料理も充実 星つきレストランの野菜コース

セロリアックで作られたグラタンは、セロリアックのあまみとほろ苦さのバランスがよく調和しています。香りも味も特徴あるセロリアックですが、淡い旨みのテイストでまとめられていて、セロリやセロリアックが苦手な方でも食べられるのでは?と感じる仕上がりでした。

またTIANではワインペアリングだけでなく、それぞれの料理に合わせた、様々な素材や香りから創り出されたジュースペアリングも用意されていて、お酒を飲まない方でも料理とドリンクのマリアージュが楽しめるというのも嬉しいところ。Paul Ivićシェフの作り出す “Experience Taste” の世界へぜひ。

TIAN Experience Taste
Himmelpfortgasse 23, 1010 Wien
営業時間:12:00~14:00、17:45~21:00 (kitchen times)
定休日:日・月

 

ワインとともに楽しむ
MAST EAT!

画像1: ワインとともに楽しむ MAST EAT!

オペレッタなどが上演される劇場Volksoper(フォルクスオーパー)がある9区の MAST は、
ウィーンの家庭料理とともに、ウィーン風にとらわれない料理も供してくれる、ノルディックテイストを感じるウッドとモノトーンのインテリアもお洒落なビストロです。

イニシャルがお店の名前になっているMatthias PitraソムリエとSteve Breitzkeソムリエに、料理との相性や好みを伝えて相談しながら頂くワインも楽しみのひとつです。
 

画像2: ワインとともに楽しむ MAST EAT!

「よくおばあちゃんが作ってくれた」とオーストリア人の方からリコメンド頂いたStuffed Peppers(パプリカのつめもの)は上品なトマトソースとの相性抜群、またCharという淡水魚のタルタルは、海のないオーストリアらしい魚料理です。
 

画像3: ワインとともに楽しむ MAST EAT!

お腹いっぱいになってもつい食べてしまうのがデザートですが、MASTのデザートはマストイート!ヨーグルトやフルーツ、ポピーシードなど、からだに取りこみたい食材が豊富に使われており、ぜひデザートまでゴールして頂きたいお店です。

MAST
Porzellangasse 53, 1090 Wien
営業時間:水~金 12:00~14:00・18:00~22:00、土~日 18:00~22:00
定休日:月・火

 

ウィーンのライトミール
オープンサンド&ソーセージスタンド

画像1: ウィーンのライトミール オープンサンド&ソーセージスタンド

長方形に切られたパンの上に野菜や魚介、お肉などの彩り豊かな具材がのり、片手でつまめるウィーンのオープンサンドは、ウィーンっ子の軽食として、また華やかな見た目からちょっとした手土産としても重宝されています。

1618年創業の Zum Schwarzen Kameel(ツム・シュバルツェン・カメール)はスタンディングバーが併設されている高級レストラン。今回は数あるオープンサンドの中から、「ハムサラダ」や「きのこ」といった日本でも馴染みのあるテイストのほか、「にんじん&オレンジ&ジンジャー」をセレクト。それぞれの具材のテイストにマッチしたパンで頂くオープンサンドは、ワインもうっかりすすんでしまう美味しさです。

テラス席では地元の方が思い思いに時間を過ごしており、近くにあったら通いたいと思える味と空間のお店です。

Zum Schwarzen Kameel
Bognergasse 5, 1010 Wien
営業時間:8:00~24:00(スタンディングバー)、12:00~23:00(レストラン)

 

画像2: ウィーンのライトミール オープンサンド&ソーセージスタンド

またクイックミールのお店として重宝する TRZESNIEWSKI(ツェフニエフスキー)では、スタンディングでpfiff bier(プフィフ=約125mlサイズの小さいグラスで頂くビール)とともにオープンサンドを食べる地元の方をよく見かけました。

黒パンの旨みがポイントのオープンサンドは1.2ユーロからというのも嬉しく、小腹が空いたときやちょっとした休憩、観劇前の軽食など、色々なシチュエーションでお腹を満たしてくれる大好きなお店です。

TRZESNIEWSKI
Dorotheergasse 1, 1010 Wien
営業時間:月~金 8:30~19:30、土 9:00~18:00、日・祝 10:00~17:00

 

画像3: ウィーンのライトミール オープンサンド&ソーセージスタンド

街のいたるところにあるソーセージスタンドも必食アイテム。しっかりした食事として使う方もいれば、ライトミールやクイックミールとして使う方もいるなど、ウィーンに無くてはならないスタイルで、マスタードや細く刻まれた西洋ワサビと合わせたソーセージはシンプルながら絶品です。

今回はアルベルティーナ美術館の前にあり、朝8時~翌朝4時まで開いている Sepp Bitzinger Albertina で焼きたてを頬張ってお腹を満たし、そのままオペラ座の前のベンチスペースへ。

オペラ座では建物の壁面に設置されている大スクリーンでライブ放映がされており、誰でも気軽に鑑賞することができます。劇場内で鑑賞するオペラも最高ですが、歌舞伎の幕見席のようにカジュアルなアウトドアでのライブビューイング鑑賞もおすすめです。ソワレの時間は初秋でも冷たい風、屋外オペラにいらっしゃる際は防寒の対策もお忘れなく。

 

画像4: ウィーンのライトミール オープンサンド&ソーセージスタンド

ウィーンで忘れてはならないのがやはりカフェ。デメルやザッハという有名な大御所もありますが、今回は地元の方に愛されている Aida Café Konditorei へ。

ザッハトルテにはぜひオプションのクリームを添えて頂きたいところ。その他ポピーシードの焼き菓子など、ほどよい甘さで食べやすいAidaは、ウィーン市内と近郊をあわせると30店舗近くあるようで、街を歩けばAidaにあたると言っても過言ではないような。ピンク色の看板を目にしたらぜひ足を運んでみてください。
 

また、オーストリアやドイツのマンマが作るお菓子の名前がそのまま店名になっている Strudls(シュトルーデル)は7区のNeubau地区という学生やアーティストが多く住むエリアにあります。こちらのりんごのStrudelはクリスピーに焼き上げられた生地でジューシーなりんごがたっぷり包まれています。薄く上品な生地なので、焼き菓子というより中のりんごを食べているような感覚です。ランチ時間には食事として頂くMeal Strudelもあるそうです。

 

画像5: ウィーンのライトミール オープンサンド&ソーセージスタンド

様々な国の要素を感じられるバラエティに富んだウィーン料理は、その歴史と成り立ちからの贈り物のよう。旅先で食べ歩きをしていると空腹はいずこに…ということがよくあるのですが、そんな時には古き良きヨーロッパの空気が残る街並みを散策するのがうってつけ。リングと呼ばれている中心部にとどまらず、よりリアルなウィーンを感じられるリングの外へと足を伸ばすのもおすすめです。

最終回ではそんな散策シーンにぴったりのスポットをご紹介いたします。小さなワイン大国と呼ばれるオーストリアならでは、ウィーン市内にある葡萄畑やホイリゲと呼ばれる中世のヨーロッパに迷い込んだようなム―ドも抜群な酒場などをレポートします。どうぞお楽しみに。

 
▼前回の記事はコチラ!

 
Text & Photo:奥田ここ Coordinate:Weronika Anasz

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