卓球をモチーフに展開する『ミックス。』は、ロマンティックコメディの楽しさと同時に、女優・新垣結衣の魅力を丸ごと堪能させてくれる映画だ。のびのびと健やかなフィジカルに宿るのは、こじらせ女子の複雑なメンタル。そんなヒロインを演じ切り、素の表情に戻った彼女が丁寧に言葉を選びながら作品について語ってくれた。たいせつな宝物に愛を乗せて送りだそうとするように。

 

卓球のイメージが大きく変わりました

画像: ケープ¥18000 ロングスリーブTシャツ¥16000/ボウルズ(HYKE) デニムパンツ¥30000/シック(Fill The Bill)

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真面目で一生懸命な人なのだ。質問を受け止めると、大きな目をくるくると巡らせてしばらく考え、静かなトーンで言葉を発する。ヒロインを演じることへの覚悟と使命感が伝わってくる。たとえば本作の試写を見たときの心境をたずねると……。

「作品の “顔” として取材を受けることになるから、どんなお話をしようかなと思いながら見ました。完成したものを見たときに、“こういうふうになったのか” と感じたことや、どんなところが好きだったのかとか、ちゃんと自分の思ったことを言いたいから」


演じたのは、“天才卓球少女” として輝かしい活躍をしながらも、その経歴を封印し、普通の生活を送っているOL・多満子役。失恋をきっかけに、故郷の卓球クラブで “ミックス” と呼ばれる男女混合ダブルスを組むことになり、相手は元ボクサーで妻子に愛想を尽かされた萩原(瑛太)だった……。

激しいラリーが繰り広げられるシーンは圧巻。クランクインの1ヵ月前から卓球の練習を開始したという新垣さんも、手応えを感じたようだ。

「卓球って、誰でも気軽に遊べるゲームみたいなイメージだったんですけど……。今回、プロの方たちからフォームとか、頭の中で考えていること、計算していることを教えてもらって、大きく印象が変わりました。体力勝負でもあるけど、頭脳戦でもある、と。

今回卓球を指導してくださった方からは、ラケットに球を当ててリフティングみたいにするのは “たくさんできるようになってください” と言われて、元気があるときは家の中でもずっとやっていました。やっぱり小さい頃から卓球を叩き込まれていたという役なので、それらしく見えなくてはという思いもありました。

試合のシーンは3日間くらいで集中して撮影したんですけど、そのときの多満子の表情が……、なんて言ったらいいんだろうか……ピンポン・ハイというかトランスというか(笑)。意識がここにあるのかないのかわからないみたいな表情になっていたようで。スタッフからは、“いい顔してたから、そのカットの秒数を長くしたんだよ” と言ってもらいました。ただ演じているときは、楽しいシーンは見ていただく方に笑ってもらいたくて必死になっているだけ。ヘロヘロになりながらできることをやっていただけのこともあります」

 

瑛太さんのアドリブは
相談なしなんです

画像: 瑛太さんのアドリブは 相談なしなんです

心に傷を負った者同士、多満子と萩原が気持ちを通わせていく過程には、名シーンがちりばめられているが、その多くにアドリブが含まれているそう。

「萩原が多満子の頭をポンポンってするシーンがあるんですけど、それはアドリブでした。瑛太さんは、基本、相談なしなんです。たぶん、そのときの感覚でやっている。あれ? でも “考えてやってる” って言ってたな(笑)。きっと常に “なにかできないかな” って考えてるっていうことなんです。で、急に思いついて、ぱっとやる。そのシーンでの感情から生まれた行動だから、切なさも増してすごいなぁと思いました。

ほかにも電車の中で、萩原が多満子にパンチの仕方を教えるシーンがあるんですけど、瑛太さんが突然、打ち合わせなしでバタッと倒れたんです。カットがかからない限りは、こちらも応えねばと思って(笑)。セリフも動きの指定もない状態。でも、その瞬間が頭で考えるのではなく本当に役になりきっていることなのかなと思いました」


撮影期間はどのように気分転換しながら乗り切ったのだろう??

「撮影は3月だったんですけど、まだ寒い時期で、あたたかいケータリングを用意していただいていたのは、本当にありがたかったです。あとは友達とおいしいごはんを食べに行くだけでも、ほっとできましたね。

しんどいときに会いたい友達って、だいたい決まっているじゃないですか。そんな人たちに、たとえば “明日は一日中卓球シーンで、スタミナをつけたいから、お肉にしよう” とか、“心身ともに疲れてるから、和食のお出汁で癒やされたい” とかいう私のリクエストに付き合ってもらっていました。

食事に関しては、そのときに食べたいものを食べてますね。むしろ大変なときほど、好きなものを食べるようにしてる。ふだん気をつけるのは、お酒を飲むなら甘くないやつにしようと思うくらい。ほんのちょこっとだけです(笑)」


映画がいよいよ公開されるこの秋は、少しリラックスした時間が過ごせるかも?

「そうですね、温泉に行きたいな。少し寒くなってきた頃に、紅葉を見ながら、ゆっくりお湯に入りたいです」

そう言って、ふふふと笑う。たくさんの観客を楽しませるために全力投球した新垣さん。ささやかだけど切実な休日の夢が叶えられますように。

 

PROFILE

新垣結衣 Yui Aragaki
1988年6月11日生まれ。沖縄県出身。2001年デビュー。2007年、『恋するマドリ』で映画初出演にして初主演を務める。以降、映画、TVドラマ、CMなど、幅広い分野で活躍。2016年のTVドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』が大ヒット。一大ガッキー・ブームを巻き起こした。

 

INFORMATION

©2017『ミックス。』製作委員会

『ミックス。』
欠点だらけの人々が卓球の男女混合(ミックス)ダブルスを通じ、小さな “奇跡” を起こしていく。W出演を務める新垣結衣、瑛太のほか、出演は広末涼子、瀬戸康史、永野芽郁、蒼井優、田中美佐子、遠藤憲一など。(10月21日公開)

 
●情報は、FRaU2017年11月号発売時点のものです。
Photo:Reiko Toyam  Styling:Tetsuro Nagase Hair&Makeup:Makiko Nonaka(éclat)Text:Junko Wada

 
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