「中国の医食同源の知恵を、日本で取り入れやすいように解釈して伝えるのが私の仕事」とウーさん。今回のテーマである芋は、中国で今の時期によく摂る食材。シンプルな調理法には、ウーさんならではの合理的な理由が詰まっています。

 

芋で力を蓄える

画像: 芋で力を蓄える

ウー・ウェンさんの故郷である北京の冬は風が強く、乾燥していて日本の冬よりもうんと寒い。そんな厳しい冬に備えて、中国の人たちが秋からたくさん食べ始めるものが芋。

「芋は炭水化物としてだけでなく野菜の力もあるのがいいところ。食物繊維が豊富だから腸の働きがよくなるし、ビタミンも豊富なので風邪予防にもなりますよね」とウーさん。

 
毎日のように食べたいものだからこそ、さつま芋はアルミホイルに包んでオーブンで焼くだけ、じゃが芋はセイロで蒸すだけと、これ以上ないくらいシンプルに調理するのがいい。味つけをせずに火を通すことで、芋そのものの持ち味がダイレクトに味わえる。だから、いくつか違う種類を混ぜて作ると、それぞれの味の違いが感じられて楽しい。でき立ての熱々をそのまま食べるのがいちばんだけど、余ったら、あとからいかようにもアレンジできるのもいいところ。

「晩秋から初冬にかけてのさつま芋はまだ水分が多く、煮るよりもじっくり焼くことで、ほどよく水分が飛んでじんわりと甘みが引き出せます。私は朝起きたら、さつま芋をオーブンに入れて焼いておくの。身支度をしているうちに焼きあがるし、部屋も暖まっているのよ」

 
同様にじゃが芋をセイロで蒸す間にも、湯気で部屋は暖まるし、スチーマーのように湿度をプラスしてくれる効果もある。ウーさんにとってセイロは鍋と同じように身近な調理器具。

「野菜や肉を蒸したり、冷やごはんや花巻きを温めたり。毎日使うからしまい込む暇がありません。子どもたちが小さいときは、うちのおやつはセイロの中にあるものだと思っていたんですって。息子は今でも、セイロをのぞいては蒸した芋にバターと塩をのせたり、おろしたチーズをかけたりして食べていますよ」

 
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PROFILE

ウー・ウェンさん
中国、北京で生まれ育つ。料理上手な母から受け継いだ料理が評判となり、料理研究家に。「料理を通じて日本と中国の懸け橋になりたい」との想いから、東京と北京でクッキングサロンを主宰。少ない材料や調味料、道具で作れる、医食同源の知恵にあふれた料理が人気。新刊「ウーウェンの家庭料理8つの基本」(文藝春秋社)9月30日発売予定。http://www.cookingsalon.jp

 
●情報は、FRaU2017年11月号発売時点のものです。
Photo:Keiichirou Muraguchi Styling:Misa Nishizaki Composition:Shiori Fujii

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