私が高校生だった時、ポケベル・ルーズソックス・プリクラが出始め、爆発的な流行を生み出しました。校則の厳しい進学校に通っていましたが、それでもポケベル所有率は6割以上、ペルソナでしたっけ(?)、薄いカードのようなポケベルを胸ポケットに忍ばせていた友人や、授業中 “プリ帳” を出していて、先生の「授業中だぞ! プリントゴッコしまえ!!」に、生徒全員で総ツッコミしたこと、スーパールーズソックスなるものを寒いからと膝上まで伸ばしてはいていた友人など……陸上部で毎日グラウンドを走り続けていた思い出に交じって、そんなおかしな記憶も残っています。

 

『いらない拘り。』

当時私は、そういった実態のわからない流行りものに乗っかることをなんとなく下に見ていて、いや、多分乗っかれたら絶対に楽しいと知りつつも、こういうマイノリティーな生き方ってかっこいいでしょ、って半ば意地になって時代に逆流しておりました(笑)。高校卒業まで絶対にプリクラは撮らない!と決め、ポケベルに関しては、毎日学校で居場所は明らかなんだから持つ必要なし!と声高らかに謳い、エアロビじゃあるまいし、とルーズソックスも一度もはいたことがありませんでした。

それが大学入学とともに解き放たれたように、恥ずかしげもなくプリクラデビューし、ポケベルの代替で現れたPHSを買いに走り、大学の新歓コンパでルーズソックスをはいて芸をするという……。流行に乗るって楽しい~♪ということで、今じゃ長いものに巻かれまくりの人生です(笑)。

ただ、いまだに意図せず逆流してしまうことも。例えば今や女子の身だしなみの一つになったネイル。季節やイベントに合わせてデザインを変え、「この爪を見ると気分があがるの♡」という友人の説明も分かる気もするのですが……どうも価値を見出せず、未だに爪切りで切っています。そもそも私の女子力が低いんでしょう(汗)。

あとは自己表現の場として使用されているSNS類。連絡ツールとしてLINEはやっていますが、FacebookやTwitterなどはアカウントを持っていません。上手な活用法が分からず、フリーで働くにあたりきっとそういうものから色々発信すべきなんでしょうが……炎上するのが目に見えていますゆえ(笑)。

それから社会人にとって大事な「媚びる」のが苦手。「媚びる」というと嫌なイメージがありますが、「自分の心を殺し相手に寄り添うように見せること」は、社会をスムーズに渡り歩くのに必要なスペックです。社会人たるや当たり前のことで、優秀な人ほどこれができる、しかもとてもナチュラルに。そうすることが最終的に自分を救い、自分のやりたいことができる環境を生み出すことを知っているからです。自分の心を殺すことは「負け」ではなくむしろ「勝利」なのだ。社会人16年目。嫌というほど分かっているつもりですが……やっぱりできない相手もいたな(汗)。

「負けないと勝てないぞ!」

陸上部の恩師に言われた言葉が、20年の時を経てまた脳裏に響きました。

 

PROFILE

中村仁美 Hitomi Nakamura
1979年6月8日生まれ。2002年にお茶の水女子大学生活科学部を卒業し、フジテレビ入社。2011年人気お笑いコンビ「さまぁ~ず」の大竹一樹さんと結婚。2児の子育て中。今年7月、15年間勤務したフジテレビを退社。現在はフリーアナウンサーとして活動中。

 
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●情報は、FRaU2017年11月号発売時点のものです。

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