「最先端の音」を手にした歌姫が見せる、R&Bの未来。ビョークやゴリラズ、ソランジュらが絶賛する次世代の女性シンガー、ケレラとは?

 

“R&Bの未来を担う才女”
Kelelaとは?

画像: “R&Bの未来を担う才女” Kelelaとは?

先鋭的でありながらポップ。スムースでフューチャリスティックなサウンドに、透明感ある伸びやかな歌声が響く。「R&Bの未来を担う才女」として注目を集めるケレラのデビュー・アルバム『テイク・ミー・アパート』が世界中から絶賛されている。

ワシントンDC出身、現在はLAを拠点に活動するエチオピア系アメリカ人の彼女。カフェでジャズのスタンダード・ナンバーを歌うなど様々な音楽活動を経てきたが、LAで「ベース・ミュージック」というクラブ・シーンの潮流に出会ったことで、その才能が開花した。

2013年にリリースしたミックステープ『Cut 4 Me』がアンダーグラウンドな音楽好きの中で話題を集めると、その評判はミュージシャンに波及。数々の気鋭のミュージシャンを発掘してきたことでも知られるビョークがSNS上で絶賛した。

さらに2015年に発表したEP『Hallucinogen』で名を高めた彼女は、ゴリラズや、ソランジュ、ダニー・ブラウンらの作品にフィーチャリングで参加したり、ジ・エックス・エックスのツアーをサポートしたりと、ジャンルを超えて活躍してきた。

満を持してのデビュー・アルバムには、かねてから彼女のサウンドを支えてきたプロデューサーのジャム・シティに加え、電子音楽界の鬼才アルカや、ジ・エックス・エックスのロミー・マドリー・クロフトなど多彩な顔ぶれが集結。必要最小限の音だけを配置したエレクトロニックなサウンドが印象的だ。

シングル「LMK」も、アルバムのオープニングナンバー「Frontline」も、深く沈み込むようなシンセベースの低音を活かした曲。耳を引く派手なフレーズよりも、繰り返し聴いているうちに夜の深みに誘われるような繊細なタッチが感じられる。パーソナルで親密な恋愛関係を描く歌詞、すれ違う思いを歌った「Onanon」の憂いを帯びたメロディも胸に響く。

’90年代から今に至るまで数々の女性シンガーが活躍してきたR&Bシーンだが、彼女の存在感はジャネット・ジャクソンやアリーヤ、ミッシー・エリオットなどを彷彿とさせる。圧倒的な歌の表現力だけでなく、腕利きのプロデューサーを従えた先鋭的なビートやサウンドで評価を高めてきたシンガー達だ。ケレラも、まさにそういった最先端のサウンドでR&Bの未来を切り拓く存在と言えるだろう。

 

『テイク・ミー・アパート』
ソランジュやゴリラズなど数々のアルバムに参加してきたR&Bシンガーのデビュー・アルバム。研ぎ澄まされたビートと深遠なサウンドに乗せて、透き通った歌声が響く。「R&Bやジャズやビョークを聴いて育った」という彼女のルーツが反映された曲調、女性としての強さと脆さを併せ持つ歌声にも注目。

 

PROFILE

柴那典さん
音楽ジャーナリスト。ロッキング・オン社を経て独立。著書に『ヒットの崩壊』(講談社現代新書)ほか。共著の『渋谷音楽図鑑』(太田出版)が好評発売中。

 
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●情報は、FRaU2017年12月号発売時点のものです。

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