働く女性にとって、子供を持つということは大変なこと。いつから妊活を始めて、授かったとしても、いつまで働きいつまで育休を取得するか……キャリアを積み重ねてきたからこそ、計画通りにいかないことは重々承知でぐるぐるとシミュレーションし逆算してしまいます。

無事に妊活と保活が成功し職場復帰した後も、仕事と育児のバランスに悩む日々。ボーダーラインはその時々で変わり、「今回は仕方ない、仕事を諦めよう」とか、「ここは申し訳ないけど子供に我慢してもらおう」とか。私はいったい何がしたいの?と、自問自答することも多々。

 

『刷り込まれたもの』

仕事と子育てがちょうどいいバランスの時なんてほとんどなく、常にメトロノームの振り子のように揺れ動いていました。これは永遠のテーマだ!と誰もが悩んでいると思っていたのですが……最近友人から驚きの一言が!!

「今、一番仕事が楽しい」

えー! うそでしょ!?

社会人16年目。社内的には責任を負える立場になり、若い時に比べれば仕事にやりがいを持てるキャリアではあります。が、しかし! 彼女には我が家と同じ年齢の子供が2人。育休・産休もしっかりと取得し、二度とも私と同じ時期に職場復帰した仲です。いやはや、どんな毎日なのか?

朝、保育園への送りは区のサービスと旦那様が担当し、お迎えは保育園が預かってくれる限界の19時半。子供達は保育園で軽食をとってから帰宅なので平日は夕食を作らず総菜を購入。休日は料理が趣味の旦那様が腕を振るい、掃除や洗濯は夫婦で気付いたほうが担当、と言いつつ元来マメな旦那さんの “気付く率” はかなり高いそうで……。週一回の仕事の飲み会も、地方への出張も、夫婦で調整し合いこなしているとか。

そもそも彼女の旦那さんは海外経験豊富で、家の中には “女だから、男だから” の日本人的ジェンダー概念が存在しないのだそう。こんな旦那さん、いるんですね(笑)。さらに、“母ではなく親である” 彼女からはそんな一種の潔さを感じました。環境だけでなく、どこかで割り切ることも必要なんだ、と。

さて、私はと言うと……会社員だった時は不器用なくせに “母として、妻として” の気持ちを手放せず、結局全てが中途半端になり、そんな自分にイライラ。出勤前、朝家を出るまで出来る限りの妻業・母業を済ませようと、洗う食器はできるだけ少なく、合間で洗濯機を回し、息子たちに声を張り上げ……一人早送り再生のように動いている中、のんびり起きてきてフライパンを出し、卵を割り入れ蓋をして蒸す、より美味しい目玉焼きを作ろうとしている主人を見て、怒りを覚えてしまった自分に、いよいよこれは限界だな、と。

そう、会社員である私を苦しめていたのは、他でもない、私の中に刷り込まれた拭い去れない “ジェンダー” でした。

退社した今「ステーキは重いから唐揚げにして」という主人の意味不明な要求を笑顔でスルーできるようになり、私だけでなく家族にも平和が訪れています(笑)。

 

PROFILE

中村仁美 Hitomi Nakamura
1979年6月8日生まれ。2002年にお茶の水女子大学生活科学部を卒業し、フジテレビ入社。2011年人気お笑いコンビ「さまぁ~ず」の大竹一樹さんと結婚。2児の子育て中。今年7月、15年間勤務したフジテレビを退社。現在はフリーアナウンサーとして活動中。

 
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●情報は、FRaU2017年12月号発売時点のものです。

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