いい女になりたい。でも、なにをもっていい女とするかはけっこう難しい。見た目も大事なのだろうが、歳を取るにつれて「中身も大事だろ」と思うようになってきた。しかしわたしの中身ときたら、長年ほったらかしにされ、曇ったり、ヒビが入ったり……早急にメンテナンスが必要な状況である。

というわけで、この連載では、マンガ・映画・小説などに登場するいい女について考察していく、憧れすぎて自分の中に「飼いたい」と思ってしまうようないい女たちから、大いに学ぼうじゃないか。

 

今月のいい女:
4人組の女

群れる女は嫌われがちだ。ギャーギャーうるさいから? 仲良しのフリして、水面下では足を引っ張り合ってるように見えるから? まあ、イメージで勝手に判じたいならすればいいさと思う。そんな偏見、1ミリも気にならない。なぜなら、わたしは最高にかっこいい女の群れを知っているから。「見た目バラバラの女4人組」……個性の異なる女が4人集まると、えも言われぬいい女感が漂い出すから不思議だ。

たとえば『SEX and the CITY』。キャリア系女子4人が、真実の愛を求め奔走するこの物語は、タイプのまるで異なる女4人が主人公。モード系ファッションが大好きな、ライターのキャリー。弁護士という職業ゆえか、わりと地味&真面目(ただし上質)な服が多いミランダ。着ているもののどこかに必ず乙女心をちらつかせる、ギャラリー勤務のシャーロット。とにかくド派手で、思いのままに人生を生きるPR会社社長のサマンサ。

作品自体はいわゆるラブコメだが、その核にあるのは4人の友情。まるでタイプの違う4人だからこそ、思いもよらない化学反応が生まれるし、こんなにもバラバラな4人が、こんなにも仲良くできるもんなのか!と感動する。一度『SATC』にハマると、似たような服を着て、似たような話ばかりしている女の群れがダサく見えてしょうがなくなるのだが、それはキャリーたちのバラバラっぷりがすごく魅力的だからだ。

2016年公開の映画『ゴーストバスターズ』も素晴らしかった。名門大学に終身雇用されることを目指し、優等生的にふるまおうとするエリン。世間体など一切無視して、底辺大学のラボで怪しげな実験に没頭するアビー。ぶっとんだファッションと言動でみんなを驚かせる天才科学者ジリアン。読書が大好きで、その旺盛な知的好奇心を活かし、3人のリケジョに的確なアドバイスを授けるパティ。「幽霊はいる!」という信念のもとに集まった4人が、お互いを尊重し、それぞれのやり方でニューヨークを守ろうとする姿は、単なる「チームワーク」を超えて、女としてのかっこよさを感じさせるものだ。

海外の例ばかり出してしまったが、日本でも『海街diary』や『阿修羅のごとく』の四姉妹とか、ガールズバンドの「CHAI」なんかも、実に個性豊かな女4人組(CHAIはホントに可愛いのでご存じない方は今すぐググってください!)。どれも見ていて惚れ惚れする。仲良しゆえの同調圧力を一切感じないところがいいんだよなあ……。

仲がいいからって、なんでもお揃いにする必要はないし、違うところがあったって構わない。そういう覚悟を持った女が4人集まるのだ。そんなもん、いい女に決まっているし、なんといっても楽しそう。わたしもいつか、そういう4人組に入りたい。

 

PROFILE

トミヤマユキコさん
1979年生まれ。早稲田大学文化構想学部助教。少女漫画を中心としたカルチャー関連の講義、研究を行う。また、様々な媒体でコラムや評論も執筆中。「クローゼットの中身まで完璧な女になりたいのですが、狭すぎて、実家に預けないとやっていけません。そろそろ冬服を取りに行かねば……」

 
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●情報は、FRaU2017年12月号発売時点のものです。

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