年末年始やお祝いごと、おもてなしの料理だって、手間をかけたくないというのが本音。見た目は華やかにおめでたく、でもいつもの材料といつもの調味料で手軽にできて、ちゃんとおいしい。今回は、そんなハレの日のための家庭料理をご紹介します。

 

お祝いに蒸し魚

ウーさんのサロンの壁には、大きな鯉を抱えた子どもの絵が飾られている。添えられた文字は「蓮年有餘」。「餘」は「魚」を表す字、「余」と発音が同じでユウと読む。そしてレンコンの「蓮」は「連(なる)」と同じ音。つまり、余裕のある暮らしが続くことを意味するおめでたい絵だ。

 
これをそのまま表現しているのが、今回ご紹介する蒸し魚にレンコンを添えた一品。縁起ものである魚は、頭と尾があることで完璧さや円満さをも表すため、尾頭付きを使うことが重要。

「ただしそのままでは大きすぎて、家庭では調理しにくいですよね。だから半分にカットしちゃうの。盛り付けるときに合体させて、上にたれをかければOK」

尾頭付きの魚の調理というと難易度が高そうに思えるけれど、実は買うときに「内臓とウロコを処理してください」と頼めばぐっと手軽に。魚屋でもスーパーマーケットでも、頼めばやってくれる。あとはお腹にショウガをたっぷり詰めて蒸し、ネギと黒酢が効いたたれをかけるだけのシンプルな料理だ。日本でも見通しがよいとして縁起ものであるレンコンを一緒に蒸して、菊の花を飾れば完璧。中国では秋から冬にかけてよく食べられる菊の花はデトックスや殺菌効果があり、体によいとされている。

「お祝いの席だからと花を飾っても、食卓では邪魔になるでしょ。これならお皿の中に花を飾れるし、食べられるんだから一石二鳥よ」とウーさん。

 
もう一品ご紹介するのは、茶葉蒸し。同じ蒸し魚でもまったく違う味付けだ。下味をつけた魚をたっぷりの茶葉と一緒に蒸すだけと、これもまたシンプルな調理法だけど、その上品でやさしい味わいは取材陣一同が驚いたほどのおいしさ。

「お茶は春と秋に穫れますが、秋の烏龍茶は水分が少なくて香り高いのが特徴。そもそも茶葉は食材なんだから、いい茶葉は食べたっておいしいのよ」

ほかほかの蒸し魚は、冬のご馳走。ぜひ作ってみて。

 
▼レシピはこちらからチェック!

 
 
▼前回の記事はコチラ!

 

PROFILE

ウー・ウェン
中国、北京で生まれ育つ。料理上手な母から受け継いだ料理が評判となり、料理研究家に。「料理を通じて日本と中国の懸け橋になりたい」との想いから、東京と北京でクッキングサロンを主宰。少ない材料や調味料、道具で作れる、医食同源の知恵にあふれた料理が人気。新刊『ウー・ウェンの家庭料理8つの基本』(文藝春秋社)が好評発売中。http://www.cookingsalon.jp

 
●情報は、FRaU2018年1月号発売時点のものです。
Photo:Keiichirou Muraguchi Styling:Misa Nishizaki Composition:Shiori Fujii

This article is a sponsored article by
''.