撮影中の彼女は、そこにいる誰もが、息をのむほどに美しかった。笑うときも、黙るときも、ただ自然にそこにいるだけなのに。呼吸して、見つめて、目を閉じて、ときに無になる。心の内で何が起こっているかはわからない。でも、撮影を楽しんでいることだけは、よくわかった。

きっと彼女の “キレイのもと” は、その心の持ちようにある。そんな気がして、自分語りが苦手だと話す長澤さんに、仕事について、結婚について、子供時代のこと、大人になるということについて等々……様々な質問をぶつけた。そうして、彼女らしい、あったかくてキラキラした母性の欠片に出会った。関わった人に対しては、つい家族のような愛情を注ぎたくなる―― 。そんな、彼女の人としての温かさに触れた。

 
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現実は今しかない
今目の前にあることをやることが
“生きる” ってことだと思います

画像: オールインワン・参考商品/ステラ マッカートニー ジャパン(ステラ マッカートニー) シューズ¥93000/ジミー チュウ

オールインワン・参考商品/ステラ マッカートニー ジャパン(ステラ マッカートニー) シューズ¥93000/ジミー チュウ

彼女と話すうちに、大人になるということは、日常の些細な出来事を、楽しみ、慈しむ余裕ができることなのかもしれないと気づかされる。デビューしてから16年の間に、心で起こった出来事を正確に描写しようとする長澤さんだが、訊かれたことに答えているだけで、普段は、自ら過去を振り返ったりはしない。さらに、未来のことも、何か展望を抱いたり、具体的な計画を立てたりするタイプではないそうだ。彼女は、力強く言うのだ。自分にできるのは、精一杯 “今を生きる” だけだと。

「 “好き” が一番大事とはいっても、俳優というのは必要とされなくなったら仕事はなくなってしまう。20代の頃は、それに対してのわけのわからない不安はありました。だから、“好きだけじゃ続かないのかも” なんて思ったんでしょうね。でも、今になってわかるのは、私にできることは、目の前にあることをやること。やるしかないんです。だって先のことなんて、誰にもわからないんだから。未来のことをいくら想像したって、現実を摑めないまま終わってしまうことが多い。現実は今しかないんです。今目の前にあることをやることが、“生きる” ってことだと思っています」

 
自分のことがわからないとは言いながら、割とのんびり屋であること、シャイであること、悩みやすくはあるけれどあまり深刻にならない性格などについては自覚している。以前から、一つ大きな仕事が終わるたびに、「よし、休もう。休んで力を溜めてから、次また頑張ろう」と思うタイプだった。ノンストップで走り続けて、あれもこれも手に入れなければと焦るような性格ではない。だから、プライベートの部分で、たとえば結婚についてもとくに焦ることはないらしい。

「静岡にいたらまた違ったかもしれないですけど、東京にいると、周りがバタバタと結婚するわけでもないし、焦りみたいなものはまったくないです。年齢や、俳優であることが、恋愛や結婚の枷かせになると思ったことも、ないです。恋愛はともかく、結婚の場合は、一番大切なのはタイミングだと思う。『明日、江ノ島行こうぜ』『うん』みたいな、軽いノリじゃできないから(笑)。もっと、大切に考えなきゃならない事柄だし、相手がいることだから、焦ってもしょうがないじゃないですか」

 

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