一番寒い時期も終わりが見え、そろそろ動き出したい季節。今年トライしたら楽しいこと、流行りの波が来ていることを旅、食、美容、インテリアetc. さまざまな角度から徹底リサーチ! 遠い、会員だけ、予約制、一点モノなどなど、今年はより限られたシチュエーションで、限られた人たちだけが楽しむモノ、コトがブームになっていきそう。この中からあなただけの楽しみが見つかりますように!

 

FOOD×TRAVEL
本場メキシコのタコスカルチャーが
流行ったりして

画像: FOOD×TRAVEL 本場メキシコのタコスカルチャーが 流行ったりして

去年はメキシコに初めて行ったんだけど南米の食文化にはさらに興味を持ちました。『TACOPEDIA』っていうタコスの百科事典がとても有用で、本場のタコスのバリエーションと文化の濃度が面白かった。なんとなく日本でも、バインミーの次は本場のメキシコタコスがくるんじゃないかって思ってる。(タコスはタコスでもタコベルのはアメリカのタコスね)

最近吉祥寺に、ビオワインとタコスのスタンド「Tacos Shop」(Instagram:@tacosshopk)がオープンしたんだよ。あと今きになる食の旅館は、「~囲炉裏と味とどぶろくの宿~民宿とおの」と「ペンションきのこ」。今年こそ行ってみたい!

 

FOOD×FERMENTATION
発酵をアップデートすれば
食の世界も進化する?

しょっつる、いしり、いかなごしょうゆ
日本の魚醬ライジング

画像: しょっつる、いしり、いかなごしょうゆ 日本の魚醬ライジング

日本では醬油ほど広く根付かなかった魚醬文化も能登や秋田や香川には残っていて、東南アジアのそれとは違った穏やかさと力強い旨味が、料理好きの隠し味としては既にキッチンの常連になっている? 気がする。これからもっと魚醬くるんじゃないかってそんな期待。だって鍋にもスープにもパスタにもひとたらししちゃえばぐっと旨味が強くなる。とくにお気に入りは、能登の発酵オーベルジュ「ふらっと」自家製の一番いしり。


日本の発酵茶のこれから

画像: 日本の発酵茶のこれから

阿波番茶のような珍しいお茶以外、日本では基本的に発酵させない文化だけど、中国茶や紅茶に倣って日本の茶葉も発酵させるとどんな未来が生まれるのか? ってことに挑戦しているのが「The Tea Company」さん。日本のお茶で発酵茶を作り、ボトルドティーにして販売している。

実際お茶屋さんの話を聞いていると、今、製茶の世界って農業と同じく、継手不足や耕作放棄地の増加でかなり危機的な状況にあるそう。通常なら買い叩かれてしまう二番茶を発酵茶にする技術があれば……? 「The Tea Company」の動きはお茶業界の希望になるかもしれない。

発酵茶といえばティーペアリングの可能性も興味深い。実際「The Tea Company」のお茶は中華料理なんかにとても合って、食事中のお茶=冷たい緑茶か烏龍茶、以上の可能性を感じさせてくれる。去年ミシュラン二つ星を獲った「茶禅華」のティーペアリングは素晴らしかった。茶で酔う、という発明。

ペアリングといえばレストラン「フロリレージュ」のボタニカルペアリングはやばい。花束のブーケの匂いを嗅ぎなら森の香りの汁を飲んだり。森に迷い込む体験。

 

FOOD×FINE-DINING
世界中のシェフも情報も食材も
横でつながる時代

去年は世界中のシェフが横でつながって、コラボディナーがいたるところで起こる現場に立ち会うことが多かった。人も食材も情報もあらゆるものが流通するのは刺激的な反面、世界の食が “灰色” になってしまいかねない時代。いつもなにかがなにかに似ている。だからこそ「自分の料理とはなんなのか? 自分は誰なのか?」を突き詰めるシェフの料理が輝く年になりそう。

 

FOOD×SCIENCE
麴菌のゲノム編集で酔わない
日本酒生まれちゃうかも

画像: FOOD×SCIENCE 麴菌のゲノム編集で酔わない 日本酒生まれちゃうかも

とある国立大学の醸造微生物科の先生の話によれば、今や麴菌もゲノム編集できる時代らしい。クリスパー・キャスナインの麴菌ゲノム編集が進歩すれば、酔わない日本酒を造るのも夢じゃない! みたいでそんな未来とても楽しみ(下戸なので)。

最近自分の遺伝子解析にも興味あって、解析キットを取り寄せてみたところです https://genequest.jp/ 。自分がどんな先祖を辿ってどんなものを食べてきて、今ここにいるのかは勿論、病気のリスクまでありとあらゆることがわかってしまうらしい。

 

FOOD×ART
カラフルで装飾的!
過剰な料理写真が熱い

画像: FOOD×ART カラフルで装飾的! 過剰な料理写真が熱い

去年とっても面白かったのが、ニューヨークの写真出版社が出版した『FEAST FOR THE EYES』(Aperture)。フード写真史が約170年分。商業写真からアーティストの写真まで “食” をテーマに写真をまとめた、いわばフード表現名シーン100連発! 料理写真の変遷に加え、食が社会に対してどう機能してきたか書かれた評論も面白い。目からものを食べるすべての人に贈りたい本。

最近のフード写真で今気になるのはアメリカ’50年代テイストへの再回帰。ともするとバッドテイストになりそうなほど、ヴィヴィッドでグラフィカルなあの頃のノスタルジックな写真を再構築したようなイメージが気になる。たとえばこの数年、ニューヨークやロンドンの数々のカルチャー系フード雑誌の表紙を飾っているGrant Cornettさんの作品 http://www.helloartists.com/photographers/grant-cornett/ なんかはまさにレトロな空気を現代的に捉え直すような作風。数年前までナチュラル自然光で食べかけの朝食にほっこり……的なKINFOLK写真全盛だったところから、随分時が流れた感。

 

FOOD×HISTORY
歴史を紐解けば未来が見える?
原点進化的郷土料理が気になる

画像: FOOD×HISTORY 歴史を紐解けば未来が見える? 原点進化的郷土料理が気になる

最近はあらためて文化人類学的な食と人の本をよく読んでる。リチャード・ランガムの『火の賜物―ヒトは料理で進化した』(NTT出版)やマイケル・ポーランの『人間は料理をする』(NTT出版)など。当たり前のことだけど今起きている食のトレンドも、過去を遡れば遡るほど理解できるような気がする。最近の若手シェフでも、郷土料理の原点進化。的なことを中心に据えてる人が多い気がする。

三軒茶屋の「NATIVO」は、イタリアやペルーの郷土料理に重きを置いているし、去年の秋にオープンしたばかりの目黒の「Restaurant Kabi」は日本の発酵郷土料理の再構築的な動きが面白い。歴史に眠る魅力的な食が、現代的なセンスでアップデートされていくのはある種の安心感があって、わかりやすいストーリーもあって、深掘りする価値があって、面白いテーマなのかなあと思う。

 

PROFILE

平野紗季子さん
1991年、福岡県生まれ。小学生から食日記をつけ続ける生粋のごはん狂。学生時代に日々の食生活を綴ったブログが話題になり文筆活動をスタート。現在『Hanako』『SPRiNG』『ウェブ平凡』ほかで連載中。著書に『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)がある。Instagram:@sakikohirano

 

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●情報は、FRaU2018年3月号発売時点のものです。
Illustrations:Masayoshi Suzuki Text:Sakiko Hirano Edit:Tomoko Ogawa

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