みなさま、はじめまして。TOMOKO NOURRYと申します。私はフランスの南東部、ドローム・プロヴァンサル県にある小さな村で暮らす日本人。

フランス人のパートナーとともに小さなホテルとレストラン、バーを営むいわば「日本人女将」として日々奮闘中です。パリなどの大都市とはひと味違う、フランスの田舎の魅力や日々の暮らしについてを綴っていけたらと思います。

  

ナチュラリストたちが集う
ドローム・プロヴァンサル県

南アルプスの山脈と自然公園に囲まれたのどかなエリアで、海からはほど遠いものの、近くをローヌ川が流れ、夏は辺り一面に広がるラベンダー畑が風光明媚なドローム・プロヴァンサル県。

「フランスで最も美しい村100選」にも選ばれた、個性豊かな小さな村々が点在し、夏になるとヨーロッパ中からサイクリストやキャンパーたち、ナチュラリスト(自然愛好家)たちやヨギーニなどもたくさんやってきます。

私が住むPUY SAINT MARTIN(ピュイ・サン・マルタン)は、その中にある一つの村で、人口約1000人。もちろん日本人は私だけ! TGVが止まる最寄りの街は、お菓子のヌガーが有名なMONTELIMAR(モンテリマール)。この街に辿りつくにも、村からは車で25分もかかるんです!


ようこそ!
愛しの我がホテルへ

画像: ようこそ! 愛しの我がホテルへ

決してゴージャスではないけれど、そのシンプルさと清潔感、村人たちに愛される居心地の良さに、私もパートナーも一目惚れ。2017年4月にここ「LE CHAMP DE MARS(ル・シャン・デ・マルス)」のオーナーになりました。

全6室の客室にテラス付きのレストラン。朝7時から開けているバーには、一杯のコーヒーと焼きたてのクロワッサン、おしゃべりを求めて朝早くから村人たちがやってきます。


バカンス命のフランス人
その形は人それぞれ

画像: バカンス命のフランス人 その形は人それぞれ

フランス人がメインですが、バカンスシーズンには、ベルギー、オランダ、ドイツ、イギリス、時々北欧からもお客さんがやってきます。

バカンス命のフランス人。この国では、家を持たずキャンプカーで各地を転々と移動しながら生活する人々や、川や運河で好んで船上生活を送る「ペニッシュ族」と呼ばれる人々がけっこういることに、最初は驚きました。目の前がキャンプ場なので、私たちのホテルには泊まらず、バーでお酒だけ飲みにくる、そんなキャンプ族たちも! 

休暇を自然豊かな、静かな場所で過ごしたいパリジャンの人たちにもたくさん出会いました。彼らに言わせると、ここは「とってもラブリーなエリア」だそう。

都市と違い、小さな村のホテルは4月~9月、中でもバカンスシーズンの6~8月がマックスの繁忙期。それ以降は閑散期で特に冬はぐっと人が減り、村自体が静まり返ったゴーストタウンのように。

 
女将、といっても
なんでもやります

画像: 女将、といっても なんでもやります

幼い頃から本や雑誌が大好きで、大学卒業後は出版社で編集者として働いていた私。そんな自分が、異国でホテルの女将になるなんて! 人生、何が起こるか本当にわかりません。

女将、といっても小さな村のホテルでは、基本「何でも屋」。予約サイトのチェックから客室の掃除、ベッドメイキング、リネンの洗濯、トイレ掃除。ゲストを笑顔でお出迎えし、余裕がある日はバーで村のおじさんたちに愛想を振りまいたり・・・。

マルシェがある日は、シェフが作ったチキンを売ったり。レストラン、バーも含めスタッフは私も含め6人とミニマムなので、繁忙期は毎日フル回転。1日が終わるとグッタリ、の日々。女将は体力勝負、なのです。


田舎暮らしの楽しみ!?
村のマルシェに行こう

画像: 田舎暮らしの楽しみ!? 村のマルシェに行こう

田舎暮らしを始めてからハマっているのが、村のマルシェ巡り。これは隣村、PONT DE BARRET(ポン=ド=バレ)のマルシェの様子。

ワインのおつまみにぴったりのソシソン(サラミのようなもの)やこの地方の名産物でもあるオリーブ、驚くほど種類豊富なワインとチーズ、スパイスなど。何を食べても新鮮で美味しく、食いしん坊の私にとってはたまりません! 

日本人が珍しいからか「ちょっと食べてみる?」「少しおまけしとくよ」などと気さくに声を掛けてくれる村人もいたりして。田舎暮らしの醍醐味でもあるのが人と人とのつながりの濃さ。フランス人の優しさに触れました。


フランス人は
臭いチーズがお好き!?

画像: フランス人は 臭いチーズがお好き!?

これはドローム・プロヴァンサル県の名産物でもある「PICODON(ピコドン)」。名前からして可愛い!? 山羊のミルクを原料にしたチーズです。

上の列は、ミルクの甘みが残るほくほくとした濃厚な味わいですが、下の列に行けば行くほど、熟成が進み、クリーム地に自然のカビが覆い硬くなっていって味もピリッと辛くなります。

牛乳のチーズと違ってクセが強く匂いもきついので、苦手な人は苦手かも。でも私の周りにいる人はなぜか皆、臭いチーズが大好きなんですよね・・・。

  

田舎暮らしは
まだ始まったばかり!

長年ホテルマンとして働いてきたパートナーの、「自然豊かなフランスの田舎でホテルのオーナーになりたい」という夢を叶えるため、渡仏して早1年。

もともとは新しいもの、刺激的な都会暮らしが大好きだった自分にとって、異国の田舎で暮らすということは、天変地異が起こったくらいの人生の大変化、でした。

スローライフ、といえば聞こえはいいけれど、それはまさに「不便」のオンパレード。若干予想はしていたものの、こんなはずじゃなかった・・・と一人涙することもありました。それでも、人間は順応し、進化する生き物。そしてこの道を選んだのも自分。

ここで生きて行くと決めたからには、不便な環境も受け入れて、その中から自分なりの楽しみや生きがいを探すしかない。そう腹をくくった日から、少しずつ道が開けてきた気がします。

といってもまだ1年目。私のフランス田舎暮らしは、まだまだ続きます!

 

PROFILE

TOMOKO NOURRY(トモコ ノーリー)
「エル・ジャポン」「エル・マリアージュ」のエディターとして奔走する約10年間の生活を経て、フランス人パートナーの住むインドネシアへ移住。2017年渡仏。パリでのマダムライフを夢見ていたものの、まさかのど田舎暮らし、ホテルの女将業を仕事とすることに。

This article is a sponsored article by
''.