スポーツのあと、そのままカフェやショッピングに。“アスレジャー” という言葉が定着する前から、西海岸でよく目にするスタイル。8人の女性に出会ってわかったのは、彼女たちは呼吸するようにスポーツをし、自分なりの生活ペースでスポーツと生きているということ。そんな彼女たちの日常はスポーツガールのお手本そのものだ。

 

音楽を胸に
マテリアルを削ぎ落とす

singer-songwriter
Lael Neale ラエル・ニール

「自由を探求しているうちに、ここロサンゼルスに辿り着いたんです」

そう話すラエルの口から放たれる言葉は、どれも詩のような威厳を持っている。それもそのはず、物事の考察は彼女にとって何より重要で、シンガーソングライターとして自ら生み出し作って演奏する音楽にも、シンプルだけどたくさんの含蓄を持った言葉が溢れている。自分で初めて曲を作ったのは19歳の頃、というラエル。音楽で大成するのが目標ではなく、自己を探求し続けるための方法がたまたま音楽だったのだという。
 

画像1: singer-songwriter Lael Neale ラエル・ニール

バージニア州の500エーカーもある大牧場に育った彼女は、働き者の両親の簡素な暮らしをヒントに、どれだけ自分も身軽になれるかを探求しているという。

「うちは放牧をしていたので、父はいつも外で働いていました。雨の日も暑い日も着る服はいつもジーンズにボタンダウンシャツ。汗をかくからといって特別な服に着替えないのは、そんな父の影響かもしれません」

Tシャツにジーンズ、というスタイルが多いというラエルは、色も白や黒というソリッドなものを好んで着ているという。

日々の運動はどこででも歩くこと、とこともなげに言う彼女。

「歩行者の感覚では作られていないこの街はNYのような都市と違って、何もない数ブロックをひたすら歩かなくてはいけなかったりするんです。でも私の家の周りは住宅の庭先の草花や木々が目に優しいから、とてもラッキーですね」
 

画像2: singer-songwriter Lael Neale ラエル・ニール

歩きながら目にする植物は、精神を研ぎ澄ます練習にも使えるという。

「葉っぱの色や、時期により咲いている花の違いなど、季節がないと言われているこの街でも、気にかけていれば観察できる要素は無限にあります。毎朝、気持ちを一旦まっさらにするために、メディテーションをしていますが、歩く行為はその延長のような気もしています」

 

ルーティーンで整える体とマインド

画像: ルーティーンで整える体とマインド

彼女の暮らす家の近所には、道と道を結ぶ家々の間を埋めるような階段がいくつもある。

「日常的に歩くことも運動ですが、近くにあるこの階段を時折ジョギングするのも私にとって楽しい運動です。朝にほんの5分の深呼吸やストレッチから、時間をかけてヨガをしたり。でもどれもトレーニングをしている、という感覚ではなくて、体とマインドを整える日々のルーティーンの中に、歩くことやヨガやジョギングが入り込んで一日を作っている、という感じなのかな」

そんなラエルの運動着は普段着そのままだという。白Tシャツにデニムで颯爽と歩いたり、ヴィンテージのジャージーパンツでジョギングしたり。

「音楽を演奏するときはステージ衣装でドレスアップする分、日々の洋服のバリエーションは削ぎ落とすことを、今は目標としています」

 

永遠の創作家であるために

画像1: 永遠の創作家であるために

自宅から歩いて20分ほどのところにあるカフェに毎日のように赴き、いつも同じマキアートを注文し、同じ席に着く。といっても彼女は窓に面したカウンター席にノートと本を置き、いい姿勢を保ちやすいから、と立ったまま時間を過ごすことが多い。

「このカフェは音のセレクションもセンスがあって、音量もBGMにとどまってくれるようなちょうど良さ。本を読んだり、ものを書いたりしているときって、音だったり言葉だったりに敏感になっているので、落ち着いて時間を過ごせるこの場所はとても貴重なんです」
 

画像2: 永遠の創作家であるために

そんな小さな世界を整えたときに、彼女のマインドは自由に動き出すのだという。

「いつも3冊くらいの本を持っていて、そのうちの一つは必ず詩集なんです。今はルーミーの詩集を繰り返し読んでいます。彼の詩は、昔から心に突き刺さる言葉ばかりで」

詩が持ち合わせる独特の言葉の隙間に、音楽が生まれることも多いという。30歳になったばかりの彼女にとって、自由への探求はまだまだ始まったばかりなのだ。

Lael Neale
http://www.laelneale.com/

 
●情報は、FRaU2018年5月号発売時点のものです。
取材協力:MARU COFFEE http://marucoffee.com/
Photo:Zen Sekizawa Coordinate&Text:Aya Muto

 

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