スポーツのあと、そのままカフェやショッピングに。“アスレジャー” という言葉が定着する前から、西海岸でよく目にするスタイル。8人の女性に出会ってわかったのは、彼女たちは呼吸するようにスポーツをし、自分なりの生活ペースでスポーツと生きているということ。そんな彼女たちの日常はスポーツガールのお手本そのものだ。

 

都会生活から海のある暮らしへ

shoe designer, artist
Mayon Hanania マヨン・ハナニア

パリを拠点にGood Guys Don’t Wear Leatherという植物性の素材を使った靴のブランドのデザイナーとして活躍していたマヨン。彼女とカリフォルニアの出会いは、ミュージシャンであるボーイフレンドがツアーで立ち寄ったロサンゼルスをいたく気に入ったのがきっかけだった。パリという都会に暮らす間も、毎日公共プールに泳ぎに行っていたという二人は、この土地の海に何より魅了された。

「自然をこんなに丸ごと感じることができるなんて」

ベニスビーチに暮らす友人とパリのアパートを交換して住んだり、音楽のツアーや靴のカタログ撮影などを組み込んだりして数週間から数ヵ月ずつ、時間と理由を見つけては通っていたカリフォルニアに、二人はついに移住することを決める。海の近くの家を探しているときに、ロサンゼルス南の港町、サンペドロに出会った。

「ここには港で働く人たちが多く暮らす、昔ながらの家並みがまだたくさん残るコミュニティがある。ベニスビーチやロサンゼルスの中心地と違い、人々がこの土地に根を下ろして暮らしている、と実感できる場所なんです」

海岸から数ブロック離れただけの家に暮らし始めて、すでに3年が経とうとしている。

 

身一つで海と遊べる
ボディ・サーフィン

画像1: 身一つで海と遊べる ボディ・サーフィン

最初はボディ・サーフィンをする彼についてビーチに来るだけだったが、そのうちに「私も海に入りたい」とサーフィンを始めたというマヨン。彼女が楽しんでいるボディ・サーフィンには決まったツールはなく、波に乗るスタイルも人それぞれ。思い思いのハンドプレーン(手にはめる板)で波を切り開くスタイルもあれば、フィンだけをつけて素手を伸ばして波に乗る方法もある。ロングボードに乗っていた時期もあったが、怪我をしたことで海遊びの道具を考え直したという。

「波そのものを体感できる距離感や、ボードを気にしなくていい自由さがボディ・サーフィンの魅力。より自然の一部になれる気がします」

この日はお気に入りのビーチの一つだという、アバロン・コーブに出向いた。崖の上に車を停め、水着とウェットスーツに着替え、フィンを持ってセージなどの低木が芳しい土道を歩いて砂浜に降り立つ。マヨンはenjoy handplanesという不用になったボードを再利用してハンドプレーンを作るブランドとのコラボレーションに参加し、自分で描いた絵を埋め込んだオリジナルを見せてくれた。そこに描かれているのは、友人たちと海で泳いだり、ボディ・サーフィンをして楽しむ夏の午後の思い出。
 

画像2: 身一つで海と遊べる ボディ・サーフィン

アーティストでもあるマヨンは日記のように日々の出来事や周りの友人を鉛筆やクレヨンでスケッチし、それが大きなペインティングに昇華することもある。

カリフォルニアに拠点を移した際、Good Guys Don’t Wear Leatherの生産工場があるヨーロッパとは遠隔オペレーションをすることになった。時差を利用したマヨンの一日はこんな感じ。毎朝5時に起きてコーヒーを淹れて飲み、一通りの仕事のやり取りを午前中に終える。その後はボーイフレンドと一緒に海に出向くこともあれば、中庭を望むアトリエにこもって絵を描くことに没頭する日もある。

「ヨーロッパが寝ている間は私の自由な時間。どんなに忙しくても30分海水に浸かるだけで気持ちと体がリセットされるんです」

 

トラッドブーツから
オープントウのサンダルへ

画像: トラッドブーツから オープントウのサンダルへ

ここでの暮らしは靴のデザインにも反映され、最近ではオープントウのサンダルがリリースした。

「長かったファッション業界での仕事に疑問が募った頃、もっとマインドフルな素材を使ったものが作りたいと始めた靴作り。パリの都会的な生活から離れて、より開放的で動きやすいデザインに変わってきたのは、自分のフィーリングに忠実に仕事ができている証しだと思っています」

今の気持ち、とマヨンが引用したボブ・ディランの曲からは、まっすぐに前を見据える彼女の姿勢が重なって聞こえてくる。

Good Guys
http://www.goodguys.fr

 
●情報は、FRaU2018年5月号発売時点のものです。
Photo:Zen Sekizawa Coordinate&Text:Aya Muto

 

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