“年相応” という言葉をよく口にした。「元気で明るく健康的」というイメージだけではなくなった30歳。そこからの人生が、楽しくて仕方がないという。豊かになるばかりの表現には、“結婚” という出来事も、少しは影響したのだろうか。

 
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結婚記念日、お寿司を食べる
ためだけに小倉に行きました

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--17歳でこの世界に入られてから、さまざまなジャンルに挑戦されていますが、どこかのタイミングで、“いつかは女優業をメインに” と考えるようになったりしたんでしょうか?

優香:そういうのは、まったくないです。この世界に入ったばかりの頃は、もっと早く辞めるとばかり。こんなに長くいると思ってはいなかったです(笑)。いつの間にか20年たっていた感じです。お芝居も、楽しいというより、「これでいいのかな」とか反省してばっかりです。

 
--では、「こういう仕事をやりたい」とか、仕事選びの基準はどうされているんですか。

優香:三谷さんとの出会いは、2004年のNHK大河「新撰組!」です。三谷さんとのお仕事は楽しいので、お声をかけていただいたものは全て出たいと思いますね。舞台でご一緒したのは2014年のこの作品でした。

舞台が終わった直後に、「今度映画をやるので出てください」と言われて、「やったぁ!」って喜んでいたら、それが「ギャラクシー街道」で、すごい大きなお花のカツラをつけました(笑)。その後にまた、「不信」という舞台のお話をいただいて、今回が「酒と涙〜」の再演。最近だと吉田大八監督の映画も好きでよく観ていたので、「羊の木」のお話をいただいた時は嬉しかったです。

 
--基本は、オファーのあった話を一つ一つ丁寧に、という感じでしょうか。

優香:そうですね。映像や舞台は、毎回、新しい監督や新しいジャンルのお話をいただくたびに、「私で大丈夫かな」と一瞬不安になるんですが、現場に入ると、その不安が解消される。一人じゃなくて、仲間とやっていくんだというのがわかるので。

「羊の木」で初めてご一緒した大八さんの演出も、本当に細かくて的確で。台本には、「歯磨きをする」としか書いてないんですが、ちょっとした間とか、目線、細かな仕草で、その一行を広げていくんです。「ああ、こうやって広げるんだ」ということがすごくわかって、面白かったです。映画は、言葉で語らなくても “そう見える” ことを伝えるのが大事。

舞台でも映画でも、お客さんって、それぞれ好き嫌いがありますよね? 「ホラーは苦手」とか、「コメディはあんまり」とか。でも、俳優をやっていると、ジャンルの好き嫌いがなくなるんです。「こういうのが好き」とか、そういう自分の中の好みを外した方が、いろんな役ができる。いろんな役に出会えるチャンスがいっぱいあるのが、楽しいなと思います。
 

画像: 舞台「酒と涙とジキルとハイド」 撮影:渡部孝弘

舞台「酒と涙とジキルとハイド」 撮影:渡部孝弘

--「酒と涙~」初演の2014年時点では、優香さんはまだ独身でした。結婚という大きな経験を経て、自分の中に “表現につながる変化” はあると思いますか?

優香:「酒と涙~」のイヴに関しては、まったくないです(笑)。でも、この間、旦那さんがアルツハイマーで、それを支える妻の役を演じたのですが、その時は妻が置かれた状況を想像して、独身だった時よりもずっと苦しさが胸に迫る感じはありました。

結婚する前だったら、「お父さんがこんなことになったら」とか、「好きな人がそうなったら」って、身近な人に置き換えて考えたと思うんです。でも、家族ができたことで、“夫” という存在に対して、リアリティとか切実さ感じられるようになった。

だから、前よりもずっと細かいところまで想像できるようになったのかもしれないですね。でも、結婚したこと自体をあんまり意識したことはないです。それよりも、年齢を重ねていくという当たり前の事実の方が、むしろ、お芝居に活かせてるんじゃないかと思います。

 
--女性の場合、歳を重ねることに抵抗を感じる人も多いですが、優香さんはそうじゃなかった?

優香:10代の頃は、早く20歳になりたいと思っていたし、20代の頃は、早く30歳になりたいと思っていました。30代になると、流石に「早く40歳に」とは思わなくなりましたけど(笑)、でも、歳を重ねることに抵抗はないです。あの頃に戻りたいというのは、まったくないです。むしろ、戻りたくない(笑)。それは、昔の自分が嫌だったとかじゃなくて、これからの方が、もっと何かあるんじゃないかと思うからです。

今度の6月で38歳になるので、そうすると、人生半分ぐらいは来ているわけですけど、やっぱり役を演じる時は、「この年だからいただけるんだ」というのは実感します。普段の生活でも、背伸びしたり若作りしたりするんじゃなくて、“年相応” でいられることが一番ラクだし。その上、私は30代になってから “年相応” の役をいただけているので、それはすごく幸せだなと思います。

 
--今までに、「あれやっておきたかった!」ってことは何もないですか?

優香:一つだけあります。キャンパスライフ(笑)! 大学を出た人たちから、サークル活動とかバイトとか、“青春” の話を聞くと、羨ましいなと思う。

 
--FRaUのテーマは “旅するように暮らす” です。優香さんは、どんな時に、どんな旅に出かけますか?

優香:海外はそんなに行かないんですけど、国内は割と行ってるかなぁ。“目的のある旅” なら、前の結婚記念日に、お寿司を食べるためだけに小倉に行きました。小倉にすごく美味しいお寿司屋さんがあるんです。夫婦二人の贅沢として、何か美味しいものを食べにいく旅、みたいなのは割とよくやっています。

あとは、たとえば友達が福岡でライヴをするってなったときに、友達や旦那さんと一緒に行って、ライヴの後は自由行動で。何泊かして北九州方面を回るとか。きっかけがあって、行ったことのない場所を旅する、みたいなことは結構あります。

 

PROFILE

優香 yuka
1980年生まれ。東京都出身。スカウトをきっかけに芸能界入り。ドラマ、映画、舞台、バラエティ、CMなどで幅広く活躍。近年の主な出演作に、映画「人生の約束」(16)、「オーバー・フェンス」(16)、「ブルーハーツが聴こえる」(17)、「羊の木」(18)、テレビドラマ「植木等とのぼせもん」(17)、「都庁爆破!」(18)、「記憶」(18)、舞台「不信」(17)などがある。

 

INFORMATION

舞台「酒と涙とジキルとハイド」

画像: INFORMATION

2014年、三谷幸喜がロバート・ルイス・スティーヴンソンの原作小説「ジキル博士とハイド氏」を題材に、二重人格者の悲劇を喜劇に仕立てた。喜劇作家としての原点回帰を図り、コメディの真髄に挑んだ本作。片岡愛之助、優香、藤井隆ら初演メンバーが再結集。3月末には、2009年から始まった台湾国際芸術フェスティバル(TIFA)に招聘され、東京公演に先駆け、台湾で初上演された。4月27日(金)~5月26日(土)東京芸術劇場プレイハウス
ホリプロチケットセンター:☎03-3490-4949 http://hpot.jp/stage/snjh2018


Photo:Okada Akina  Styling:Umeyama Hiroko Hair&Make-up:Kibe Akemi(PEACE MONKEY) Inteview&Text:Kikuchi Yoko

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