19万人超えのフォロワー数を誇る人気インスタグラマーのtamiさん。その人気の秘密は、彼女のキッチンにあります。無機質な土間に配置された業務用のシンクやコンロ、アンティークの作業台が鎮座するこの独特な空間は、もはや彼女の代名詞。

お話を伺ったのは…
tamiさん
主婦。1979年生まれ、滋賀県在住。夫、犬(マッシュ♀)の2人と1匹暮らし。2011年より始めたインスタグラムの投稿が人気を博し、現在フォロワー数は19万人超え。著書に『今日のおべん』(主婦の友社)、『tamiホーム』(扶桑社)、『tamiめし』(宝島社)がある。Instagram:@tami_73

 

実は、もともと料理は
好きじゃなかった

この空間から毎日インスタグラムにアップされる、1週間分の作りおきや、それらを毎朝詰めて作る「おべん」は芸術といっても過言ではない美しさ(おべんはtamiさんの造語)。もちろん味のほうも折り紙付きで、過去に3冊ほどレシピ本も出版されている。

あまりの手際のよさ、そしてレシピのレパートリーの多さなどから、「もともとtamiさんは料理好きだったのだろう」と思いがちだが、実はその反対。料理は2010年の結婚を機に「やってみようかな」と始めたのだそう。

tamiさん(以下tami):結婚当初は夫の実家に、夫の親兄弟と同居していて。当時は仕事を辞めて時間を持て余していたので、料理に挑戦してみようかな、と思い立ち、食事係に立候補しました。初めの頃はおかずの品数も少なくて、見た目もスッカスカ(笑)。前日の残りものを詰めるだけで精一杯でした。

それでも毎日休まずに作り続けることで、次第にコツをつかみ、弁当箱という小さな空間に美味しいものを、美しく詰めるという楽しさに魅了されていったそう。

 

キッチン横に設けられたパントリーコーナー。IKEAの棚に、お気に入りの容器などを並べて。調味料や乾物などの保存が効くものをまとめてストック。

画像: アヲハタのジャムの空き瓶を有効利用。調味料やスパイス類、ナッツやセサミなどを入れて保存。ラベルはご主人のお手製、収納している棚は古道具屋で200円で購入した寿司屋の配達桶だとか。

アヲハタのジャムの空き瓶を有効利用。調味料やスパイス類、ナッツやセサミなどを入れて保存。ラベルはご主人のお手製、収納している棚は古道具屋で200円で購入した寿司屋の配達桶だとか。

画像: tami家のキッチンの主役、吊り棚収納。ここには保存食を作るときに使う瓶や、ご主人のコレクションでもあるファイヤーキングのマグを吊るして収納。

tami家のキッチンの主役、吊り棚収納。ここには保存食を作るときに使う瓶や、ご主人のコレクションでもあるファイヤーキングのマグを吊るして収納。

ここでは、そんなtamiさんの魅惑のキッチンから始まる一日、素敵な朝時間の過ごし方をご紹介。いかに「食」が日々の活力になり、家族の明日へ向かうための元気の素になっているかがわかる。

  

朝は6時半起床、そこからご主人の弁当を作り朝食の準備を始める。

tami:顔を洗って着替えたらまずキッチンに立ちます。コーヒーメーカーをセットして、お弁当のメニューをざっと考えます。冷蔵庫の中の、作りおきを保存している密閉容器を選んで作業台に並べながら、その日卵焼きに入れる具材を何にしようかな? と同時に考えてもいます。1週間分を、週末にまとめて仕込む作りおきは、全体的に味に統一感を持たせて、どのおかずが弁当箱の中で一緒になっても美味しくなるように、なんとなく計算しています。あとは、色合いを考えて詰めていきますが、ときどき失敗して、なんとなく茶色いおべんになっちゃうこともあります。

 

平日の朝食は決まったメニューで
さっとすませる

画像: tami家の朝食の風景。トーストには、各々好きなものを塗って。ちなみに、ご主人の好物はピーナッツバターの『SKIPPY』。毎朝使うジャムやバターは朝食セットとして小さなバットに入れて取り出しやすいように。平日の朝食はキッチンのカウンターで向かい合ってさっとすませます。

tami家の朝食の風景。トーストには、各々好きなものを塗って。ちなみに、ご主人の好物はピーナッツバターの『SKIPPY』。毎朝使うジャムやバターは朝食セットとして小さなバットに入れて取り出しやすいように。平日の朝食はキッチンのカウンターで向かい合ってさっとすませます。

ご主人が身支度をととのえている間にtamiさんは朝食の準備もこなす。

tami:平日の朝は決まったメニューです。パンとヨーグルト&フルーツとコーヒー、これが定番。パンはお気に入りのお店のものだったり、市販のものだったりまちまちです。あまりこだわり過ぎないというのも、我が家流かもしれません。コーヒーも、休日はゆっくりと豆を挽いてハンドドリップで淹れますが、平日は時間短縮のために、コーヒーメーカーでささっと……がちょうどいいんです。

  

画像: 毎朝アップするインスタグラム用の写真の撮影は、キッチン横の玄関で。自然光がほどよく入る絶好の撮影スポットだとか。

毎朝アップするインスタグラム用の写真の撮影は、キッチン横の玄関で。自然光がほどよく入る絶好の撮影スポットだとか。

tamiさんの朝は、「丁寧」と「効率」がちょうどいいバランスで共存する、とても心地のいい時間だ。毎日続く暮らしだからこそ、ルーティン化して規則を作る。そんな日々の連なりが、tamiさんの家族を支えている。

 

食費は月に3万円
ムダを省く食材選び

食材のほとんどを、生協などの宅配でまかなうというtamiさん。

tami:買い物に行く時間も省けるし、何より無駄買いをしなくてすむんです。スーパーへ行くと、必要のないものをアレコレと買ってしまうけれど、宅配なら必要なものだけを注文できるので節約にもなります。そして何より、浮いた分の食費は、私のおこづかいになるというシステムも、よりいっそう節約心に火をつけてくれているんです(笑)。そのお金で、お気に入りのお店のパンやコーヒー豆、器を買ったりして楽しんでいます。

 

作りおきは
我が家の食卓の救世主です

また、tamiさんの節約術には「肉や魚は定番のものを買い、調味料やスパイスで味に変化をつける」というものがある。

tami:肉や魚は使い慣れた食材を毎週まとめて買って、味つけを工夫して品数を増やすという方法が、今のところ私の中でしっくりきています。仕事がお休みの土日のどちらかに、だいたい2時間くらいかけて、10〜15品くらいの作りおきを仕込んでいます。肉や魚は下処理をしてタレに漬け込んでおいたり、野菜だったら切ってゆでるだけ、炒めておくだけなどの簡単なものです。でも、この一手間をしておくだけで、1週間の食生活が、ぜんぜん違うものになるんです。例えば、ゆで卵をタレに漬けて味つけ卵にしておくだけで、夜食のラーメンにちょこんとのせられたり、人参の千切りを塩とクミンでさっと炒めて保存しておくだけで、茶色いおべんのアクセントにできたり。小さなことですが、我が家の食卓の救世主になります。

週末の約2時間が、tami家の食卓を、楽しく美味しく彩る大切な時間になっているようだ。

 

進化するtami家の今後の展望とは

tami:夏までに、サンルームを増築しようかと思っているんです。

tamiさんの家は、築40年の平屋を自分たちで改築した、リノベハウス。知り合いの職人さんや、自分たちの手で改築を重ねて今の形になっている。

tami:お風呂に追いだき機能がなかったり、システムキッチンではなかったりと、多少の不便もあるけれど、それ以上に愛着はありますね。夫婦で次はこうしよう、ああしようと話し合うのも大きな楽しみのひとつです。

そう語るtamiさんは、暮らしの中の小さな楽しみを見つけたり、未来を想像することができる才能の持ち主なのかもしれない。

 
●情報は、FRaU2018年6月号発売時点のものです。
Photo:Taisuke Suzuki Text:Yuka Matsushima

 

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