“日本に眠る愉しみをもっと。” をコンセプトに、日本のどこかで数日だけオープンするプレミアムな野外レストラン「DINING OUT(ダイニングアウト)」。今回は、山岳宗教が育まれた「六郷満山」の開山1300年という節目の年を迎える大分県国東市で、「ROCK SANCTUARY―異界との対話」のテーマのもと5月末に開催されました。

シェフに抜擢されたのは、オープンからわずか9か月でミシュラン2つ星を獲得した、今最も注目される、南麻布「茶禅華」の川田智也さん。「和魂漢才」をテーマに独自の表現手法により日本の食材特性を活かしきる中華料理を追求しています。

神仏習合の地・国東で川田シェフはどのような融合を見せたのか、「DINING OUT KUNISAKI with LEXUS」のプレミアムな一夜を、二回にわたってお届け! 後編では、国東の魅力が見事に落とし込まれた料理と、大成功を収めたディナーの様子をご紹介します。

 

▼前編はコチラ!

 

国東と中国を見事に融合させた
ディナータイムの始まり

画像: 中国・四川省にある峨眉山の標高800~1200mで作られる峨眉雪芽。

中国・四川省にある峨眉山の標高800~1200mで作られる峨眉雪芽。

乾杯のドリンクは、文殊仙寺の山号にちなんだ中国茶「峨眉雪芽(がびゆきめ)」を、境内に沸く「知恵の水」で水出しにしたお茶。滑らかな味わいの茶葉と柔らかい水は、お互いを引き立て合います。まさに、国東と中国の融合にふさわしいディナーの幕開けでした。
 

画像: ヤンマーが技術提供している「くにさきオイスター」。

ヤンマーが技術提供している「くにさきオイスター」。

最初の料理は、小ぶりで滋味深い味わいの国東の牡蠣「くにさきオイスター」。川田シェフが「すでに味が完成されている」と感じたくにさきオイスターは、日本と中国の30年物の古酒にくぐらせ、香りづけをする程度の調味に。

料理に使用された上海老酒石庫門30年と、国東の酒造「西の関」の昭和63年醸造超辛口古酒のアルコールペアリングも魅力的ですが、茶禅華といえばティーペアリングが真骨頂。この料理に合わせられた「東方美人スパークリング」は、マスカットのフレッシュな香りに炭酸が加わって、シャンパンのような味わいです。

 
“和魂漢才” “ROCK SANCTUARY” を
追求する川田シェフ渾身の料理

岩の聖地・国東には、日本の約80%の石仏が鎮座しています。続いては、石をイメージした料理2品が登場。川田シェフは、国東の食材と石をどのように対話させたのでしょう。

画像: 川田シェフに「茶禅華でも名物のひとつにしたい」と思わせたドジョウ。器は文殊仙寺の境内の石を焼いたもの。

川田シェフに「茶禅華でも名物のひとつにしたい」と思わせたドジョウ。器は文殊仙寺の境内の石を焼いたもの。

紹興酒の香りを纏ったドジョウのおこげ揚げは、文殊仙寺の石を器にして提供されました。温泉水で養殖されたドジョウは、全く臭みがなく、骨まで軟らかい。香ばしいおこげとのコントラストが絶妙です。
 

蒸籠に入れた国東の山海の幸を、熱した文殊仙寺の岩に岩茶をかけて蒸し上げる「岩香蒸山海」は、川田シェフが追い求める “和魂漢才” のテーマを象徴する一品です。
 

画像: “和魂漢才” “ROCK SANCTUARY” を 追求する川田シェフ渾身の料理

ティーペアリングは、水出しで甘みと旨みをじっくり引き出した「京都甘露」と、気品ある蘭の香りと豊潤な味わいが特徴の「太平猴魁」。

 
香りや音、五感で料理を味わえるのも
ダイニングアウトの醍醐味

画像: 竹の器は、国東市職員たちの手作り。中国・湖南省の鳩と竹筒を使った伝統料理にヒントを得たそう。

竹の器は、国東市職員たちの手作り。中国・湖南省の鳩と竹筒を使った伝統料理にヒントを得たそう。

大分烏骨鶏のガラを丸一日水につけた後1時間沸かし、氷温で丸2日寝かせた、とても手間のかかったスープ。青竹の香りとクレソンの清涼感を添えた優しい味に癒されました。
 

すっきりした脂身と野性味を感じる赤身を持ち合わせた「桜王豚」のスペアリブ。唐辛子と山椒で刺激的な見た目ですが、クリアな脂身の旨みが口にスーッと広がります。ペアリングされたココナッツや白桃のような香りに、ミルクのような後味の「金萱烏龍茶」が山椒の痺れをまろやかに。
 

画像: 香りや音、五感で料理を味わえるのも ダイニングアウトの醍醐味

スペアリブの辛さと痺れをリフレッシュする口直しとして登場した、トマトの八角煮。コニャックの香りと和三盆を加えて、トマトの甘さと酸味が活かされています。

 
国東の歴史や文化を料理に落とし込む

画像: 赤い照明に変わり、修正鬼会の雰囲気を演出。偶然にもダイニングアウト直前に、鬼が仏になった里として国東が日本遺産に登録されました。

赤い照明に変わり、修正鬼会の雰囲気を演出。偶然にもダイニングアウト直前に、鬼が仏になった里として国東が日本遺産に登録されました。

国東の鬼は仏と同じように、人々に功徳をもたらすとされています。「修正鬼会(しゅじょうおにえ)」という鬼が登場する火祭りの奇祭が文殊仙寺では明治まで行われ、ダイニング会場は修正鬼会を行う講堂が建っていた場所だったのです。
 

画像: 地元のサービスの方が、固い鱗の下にあるほほ肉が、柔らかくておいしいと教えてくれました。

地元のサービスの方が、固い鱗の下にあるほほ肉が、柔らかくておいしいと教えてくれました。

地元では二束三文の三島オコゼを、四川省の伝統料理「ガンシャオユイ」の調理法で。揚げると胸鰭が立ち上がり鬼のようになります。ピリ辛のソースで、地元で採れた白米「ヒノヒカリ」が進みました。
 

画像: 驚くほど甘い羅漢果のお茶。

驚くほど甘い羅漢果のお茶。

文殊仙寺にある十六羅漢像にちなんで、仏教の聖人である羅漢様から名前をとった羅漢果のお茶は一つの料理として提供されました。

 
メイン食材の冠地鶏を4つの味で

大分県が誇る地鶏「おおいた冠地どり」を使ったメイン料理は、4種の料理で部位ごとの魅力が引き出されていました。

胸肉は柔らかさを活かすために蒸し鶏にし、カボスの爽やかさとクラゲの食感をアクセントに。スッポンを詰めた手羽先は、パリッと仕上がった皮目との食感のコントラストを楽しめました。脂身の少ないもも肉は、国東バジルを使って「三杯鶏(サンベイジー)」という台湾の伝統料理に、そして最後に残った鶏ガラで取った澄んだスープはシンプルな麺で提供されました。
 

最後は、川田シェフが修行時代から毎年作っているスペシャリテの青梅の翡翠煮と、まろやかな味わいの温かい杏仁豆腐で終了。

刻まれてきた悠久の歴史と文化、地域に眠る食材が、川田シェフによって日本と中国が深く結びついた料理へと昇華されていました。

 

地元のスタッフたちと共に
作り上げた夢の一夜

画像: 地元スタッフ70人以上が参加し、国東のために尽力。

地元スタッフ70人以上が参加し、国東のために尽力。

実は今回のダイニングアウトは、地元レストランのオーナーシェフ・中園彰三さんの声により実現しました。民間から声が上がり開催されたのは国東が初めて。「小さな町がひとつになり前に進んでいくにはどうしたらよいか考えたとき、一過性のものではなく、自分たちの足元をもう一度確認させてくれるイベントになると信じていました」と中園さん。

地元スタッフたちの意志が強かったからこそ、完成度が高く、大きな感動が生まれたダイニングアウトになったのでしょう。国東を舞台にした幻のレストランは、大成功のうちに幕を下ろしました。

ダイニングアウト総合プロデューサーの大類知樹さんは今後について、「日本には世界に対抗できる場所がたくさんあるが、うまく表現しきれていない。地域ならではのダイニングアウトを海外向けにやっていきたい」とコメント。さらにパワーアップしていくダイニングアウトに期待です!

ワンストーリー
http://www.onestory-media.jp/

 
Composition:Aiko Sugiyama

 

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