日本の総氏神・天照大御神が祀られる伊勢神宮。そんな日本随一の聖地、お伊勢さんとともに全国区の知名度を誇るのが赤福餅です。たっぷりのこし餡をお餅にのせた伊勢土産の定番は、誰もが一度ならず口にしたことがあるでしょう。

ところが伊勢を訪れると、赤福餅のほかにも、さまざまな餅菓子がそこかしこで販売されていることに気づきます。なぜ伊勢の地には餅菓子が多いのでしょうか。その理由を、おすすめの名物餅とともに紹介します。

 

伊勢の地で餅菓子が発展した理由

画像1: 伊勢の地で餅菓子が発展した理由

古より信仰を集めていた伊勢神宮への庶民の参拝が一般的になったのは、五街道が開通し交通網の発達した江戸時代。「一生に一度は伊勢参り」といわれるほどに、庶民の間で一大ブームとなったのです。

とくに約60年周期で起こった庶民による集団参詣は “おかげまいり” と呼ばれ、多い年には全国から500万人以上が押し寄せたともいわれています。
 

画像2: 伊勢の地で餅菓子が発展した理由

とはいえ、当時はもちろん車や電車はありません。江戸からは片道15日間、大阪からでも5日間を要したといわれる距離を、旅人はみな歩いて参拝しました。

そうした背景から、旅人をもてなす道中食として、桑名から伊勢神宮までの参道沿いには、腹もちのいいお餅をふるまう茶屋が増えたのだそうです。

赤福餅の誕生もおよそ300年前の1707年。伊勢神宮神域を流れる五十鈴川のせせらぎをモチーフにした餡の三筋の形や川の小石を表した白いお餅を前に、当時の人々は、いよいよ伊勢神宮にやって来たのだ、という感慨に浸っていたのかもしれません。

 

さまざまな種類の
餅菓子を食べ比べよう

画像1: さまざまな種類の 餅菓子を食べ比べよう

伊勢周辺には実にさまざまな餅菓子が存在します。地元の人は各々お気に入りがあるようで、伊勢出身の友人がオススメしてくれたのは「二軒茶屋餅」と「へんば餅」。

残念ながら二軒茶屋餅は売り切れていましたが、今回はへんば餅を旅の道中のおともに、またお土産用に「太閤出世餅」と「神代餅」を購入しました。

お餅に焼き色がついたへんば餅は、もちもちとした食感のお餅と繊細なこし餡のバランスが絶妙。
 

上品な甘さのこし餡を柔らかなお餅で包んだ太閤出世餅も、ほんのりよもぎが香る自家製つぶ餡入りの神代餅も、つい「もう一つ」と手が出る美味しさ。なんせ腹もちがいい餅菓子。そんなに食べられないかも……という心配をよそに、あっという間にたいらげてしまいました。

三重にはさらに、伊勢以外にも四日市には「なが餅」、桑名には「安永餅」、志摩には「さわ餅」といった名物餅があります。

生餅菓子は賞味期限が短いためたくさんの種類を一度に食べるのはなかなか難しいですが、少しずつ食べ比べてお気に入りを見つけるのも楽しいかもしれません。次回訪れたときの期待が膨らみます。
 

画像2: さまざまな種類の 餅菓子を食べ比べよう

また、定番はいわゆる小豆の餡+餅の甘いタイプの生餅菓子ですが、地元で愛されているものには「へぎ餅」と呼ばれるおかきタイプもあります。

餅をのして揚げ、塩で味をつけたスナック感覚のおやつは、小さな子どもからお年寄りにも愛されるソウルフード。ローカルの商店の軒先に売られていることも多いので、ぜひ見つけたら試してみてください。

 
Photo&Text : Sayoka Hayashi

 

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