美容業界でも数少ない男性編集・美容家の3人が集まって最新コスメをあれこれ語るシリーズ。今回は、新製品訴求だけでなく、ユニーク・斬新な演出を試みた発表会にフォーカス。

2018年 9月に発売するアルビオンの新ファンデーション、さらに海外市場にも積極的に仕掛けているSHISEIDOアルティミューン、ユニークな演出でプレスのハートを掴んだNARSとドゥ・ラ・メールの発表会をご紹介!

「俺たちのコスメ」とは……
化粧品を科学で斬るビューティサイエンティスト・岡部美代治さん、男性美容研究家の藤村岳さんと、美容業界ン十年のFRaU編集部プロデューサーの関龍彦がスキンケアからボディ、フレグランス、メイクアイテムまで、経験と知識をもとに、これからの美容業界までを占う発表会レポートです。

 

「グレイジング」ってナニ?
絵画の技法を肌で再現する新ファンデ

:トップバッターはファンデーションで人気の「ALBION(アルビオン)」から。アルビオンのファンデーションといえば、「シフォン」シリーズが人気ですよね。今回は、絵画の「グレイジング」の技法から着想を得た、新ファンデーションの発表会でした。
 

:僕は絵画にさほど詳しくなくて、「グレイジング」という言葉、恥ずかしながら知りませんでした。説明を聞くと、「美術品の仕上げ技術のひとつで、陶器に釉薬をかけるように、画用油で溶いた透明の絵の具を何層にも塗り重ね、絵画に透明感や生命感を与える技法のこと」。この発想をファンデーションに活かすって、岡部さん、どゆこと?

岡部:おっと(笑)。そう聞かれれば、私もおもしろいところに着目したものだと驚きました。絵画に着目しているメーカーは数多くあるけど、「グレイジング」って私も初めて知りました。化粧膜を3層構造でつくる考えの中で、中間層が保湿効果で透明感を出したのはアルビオンらしさがありますね。下層のカバー力と上層の保持力で理論的にも納得いきます。実際の仕上がりをテスティングしましたが、思ったよりもしなやかな化粧膜だったのはさすがでした。

:アルビオンを語らせたら右に出るものナシの岡部さんです。よくわかりました! 「薄付きなら薄付きなほどいい」という流れが変わり始めていて、やっぱりカバー力もスキンケア効果も欲しくなってきている。そのいいとこ取りを目指したら3層になったということかも。「シフォン」もそうですが、アルビオンのファンデーション技術には、メーカーの中で抜きん出たものを感じます。
 

:会場には油絵が展示されているほか、商品の3層構造にちなんだカクテル、ケーキが振舞われました。表参道のフレンチの「ブノワ」には久しぶりに入ったけど、商品および商品のストーリーによくマッチしていたと思います。

藤村:なぜだかご縁がないブランドなんですよねえ。もちろん、知ってはいるし、好きなんですけど……。

 

自動販売機からアイカラー!?
これ、街にあったらおもしろいのに

藤村:「NARS(ナーズ)」はカラフルな色揃え。モードでエッジィな立ち位置だけど、使える色が多くて安心(?)しました。そして何よりプレゼンの仕方が上手。ずらーっと並んだ様子は圧巻!

:単色アイシャドウだけで60色だって!?
 

藤村:お土産は数あるアイシャドウを2色選んで、それらがベンディングマシン(自動販売機)からガコンと落ちてくるのは、単純におもしろくて楽しい。

岡部:おもしろいアイデアですね。色選びをゲーム感覚でやり、例えば占い要素やガチャポンみたいにくじ引き要素を入れるのはどうでしょう。なかに限定アイテムで特別な色があれば話題になるし、プレミアム価値もつくと思うけど。

藤村:コム デ ギャルソンのTシャツ販売機みたいに「なんだかわからないけど、つい押しちゃう」という心理が働きそう。でも、この方式は今回の展示だけのようで普通の店舗にあるわけじゃないのが残念。あったら絶対、流行るのに!

:どこかひとつの店舗だけでも常設してほしいね。プレスも喜んでSNSにアップしているんだから、化粧品を購入する “きっかけづくり” にはなると思うんだよな〜。

 

イベント当日は
たくさんのダンサーも来場!
若い世代を巻き込んだ
「SHISEIDO アルティミューン」

画像: イベント当日は たくさんのダンサーも来場! 若い世代を巻き込んだ 「SHISEIDO アルティミューン」

:「SHISEIDO アルティミューン」ベストセラー美容液リニューアルの日に、表参道ヒルズ「スペース オー」で大々的なパーティーがあったね。会場にはたくさんのインフルエンサーらしき人々がいて、装飾や商品展示、フォトスポットなど、どれもインスタ映えを強く意識した感じ。リニューアルでここまで「祭り」にするのって、珍しくない?

藤村:どうしてもスケジュールが合わずに欠席してしまいましたが、盛り上がったようですね。
 

:うん。振付師の菅原小春さんがキレッキレのダンスを披露したんだけど、アコースティックギターに合わせた迫力の演技。すごかったよ。

岡部:グローバルブランド展開なので世界同時イベントということで、世界各地の状況がスクリーンでアップデートされていました。私も動画を撮ってアップしました。このシンクロ感覚はワクワクしますね。

 

マーケ主導のプロモーションが奏功!?
世界が身近になったプロモ戦略

:「アルティミューン」は、魚谷雅彦社長が推し進めるマーケティング改革の第1弾として、2014年に生まれたブランド。そのイメージも手伝ってか、資生堂の中では、強く、男っぽい印象を感じるのは僕だけかな?

岡部:「免疫」というキーワードは敏感肌と思っている人が多い現在には心強いものがありますね。慢性炎症もエイジングに関係しているので、免疫への関心は今後も高まってくると思います。その先駆けとしてはマーケティング改革としてピッタリでしたね。

藤村:たしかに久しぶりにマーケ主導で大成功した製品だと思います。メーカー側からは決して言えない「免疫」という言葉を、消費者やメディアが代わりに言ってくれたのがポイントかと。これって発信者が多方面に渡った、いかにもSNS時代の製品であり、展開だなって気がします。

:なるほど、確かにそうだね。ただ、僕的には、資生堂はなんやかんや言っても日本が誇る一番の化粧品会社だと思っていてね。だからこそ、こういったマーケ主導的な “強い” ブランドもあっていいけど、女性らしい繊細なもの、可愛いもの、文化的なものとか、日本の化粧品の魅力の幅を広げるようなブランドを、以前と同じようにこれからもどんどん創っていってほしいな。

藤村:関さんのおっしゃることもよくわかります。山口小夜子さんがCMに出ていらした頃の資生堂のすごさを2015年に東京都現代美術館の「山口小夜子 未来を着る人」という展覧会で観たことが未だに忘れられません。あそこには紛れもなく美の文化への矜持がありました。でも、今回の仕掛けはあえて大上段に構えないイマドキの文化なんですよね。

 

ワールドオーシャンズデイのイベント
でプライベートイルカショーを満喫

画像: ワールドオーシャンズデイのイベント でプライベートイルカショーを満喫

藤村:毎年6月8日は国連で正式に採択された「ワールドオーシャンズデイ」にちなんで、「DE LA MER(ドゥ・ラ・メール)」がマクセルアクアパーク品川でイベントを行いました。

:海洋環境保護の支援をしているんだよね。何だかゴージャスなイベントだったようで……。
 

藤村:夜の部に滑り込んで一般の方に紛れて、水族館を散策。そして招待された人たちだけ、時間外のイルカショーを堪能したんです。プライベートイルカショーってすごくないですか?

:すごいね! イルカくんたちには時間外手当が必要だけど(笑)

岡部:プライベートイルカショーって、さすがドゥ・ラ・メールというゴージャスさがありますね。

藤村:とても美しいパッケージだった「クレーム ドゥ・ラ・メール ブルー ハート エディション」は2018年 6月1日発売。6月のみの限定発売だったのですが、ゲットできた人はラッキーでしたね。

:そうなんだ〜。

藤村:化粧品用に使用されているプラスチック製のスクラブなどのマイクロビーズが魚の体に入り込んでしまう「マイクロプラスチック問題」が話題になっていて、英国ではプラスチックストローを禁止することになりましたよね。ただ楽しいだけではなく、そんな社会的な意義を考えることができた、良いイベントでした。

:そうだね。ドゥ・ラ・メールは以前から海を大切にしている姿勢をこういった形でサポートしている。一時的なものでなく、長期的に継続すること、企業として何ができるかを考えるきっかけになるね。

アルビオン
http://www.albion.co.jp/
 
NARS
https://www.narscosmetics.jp/
 
SHISEIDO
https://www.shiseido.co.jp/gb/skincare/ultimune/
 
ドゥ・ラ・メール
https://www.delamer.jp/

 

PROFILE

画像: PROFILE

岡部美代治 Miyoji Okabe
ビューティサイエンティスト。(株)コーセーの研究所を経て(株)アルビオンにて商品開発、マーケティングなどを担当。2008年独立し、現在は美容コンサルタントとして活動。商品開発、美容教育アドバイスなどを行うほか、講演・セミナーの依頼や雑誌取材なども多い。

藤村岳 Gaku Fujimura
男性美容研究家。編集者を経て独立。シェービングを中心に独自の理論を打ち立て、男性美容のパイオニアとして活動。テレビ出演のほか、講演、コスメ開発やマーケティングなども行う。スパ・エステについても造詣が深い。著書に『一流の男はなぜ爪を手入れするのか?』がある。サイトは、男性美容研究所。男性美容研究所:http://danbiken.net/

関龍彦 Tatsuhiko Seki
FRaU プロデューサー。講談社入社後、『ViVi』『FRaU』の編集者を経て『VOCE』創刊のため新雑誌準備室へ。2004年より6年間、同誌編集長。2010年より4年間、『FRaU』編集長。2018年より現職。ビューティ界の新サービス「BE-BANK」エグゼクティブ・プロデューサーも務める。

 
Illustration:YUGO. Composition:Mayumi Hasegawa

 

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