2010年、21歳の時に野田秀樹さん作、松尾スズキさん演出の『農業少女』で本格的な舞台にデビューした。2012年以降は、毎年1本は舞台に出演し、その都度鮮烈な印象を残している。今年は、6月に松尾スズキさんの『ニンゲン御破算』の出演を終えたばかりで、8月末から『出口なし』、秋にはブロードウェイミュージカルの『TOP HAT』と、まさに “舞台イヤー” だ。

 

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「どうせこうでしょ」みたいな
思いを断ち切ったんです

――舞台は、定期的に出演しようと決めているんですか?

多部:はい、年に最低1本は。……決めてるといえば決めてるのかな? 事務所のスタッフにも、私が舞台好きなことはわかってもらえているので……。私、学年で言えば、今年が30歳になる年なんですよ。早生まれなので、実際になるのは来年の1月ですが、このタイミングで、ちょっと今までの仕事の流れを変えたいと思ったんです。

ここ7〜8年は、ずーっとドラマやって、舞台やって、ドラマやって、ちょっと旅行に行って休んで、映画やって……みたいな1年の流れできていて。実は毎年、その流れをどうするか自分で考えていくんですが、その若干パターン化された流れに飽きてきたというか……。

「来年はどんな感じにしていこうかな」って思った時に、“どうせこうじゃん” の “どうせ” にハマっていく流れがイヤで、20代最後は、“好きなこと” と “挑戦すること” をすると決めたんです。

だから今年は舞台を3本。好きな大人計画の芝居と、挑戦としては今回のサルトル、あとは秋の、初めてのミュージカル。

“チャレンジ” というと大袈裟だけど、とにかく自分の中の流れを変えなきゃと思って、仕事を決めました。「どうせこうでしょ」みたいな思いを断ち切ったんです。そうやって、たまに変えたくなるんです。仕事の流れを、自分の中で……。

 
――常に刺激が必要なんですね。そういう意味では欲張りなのかも。安住もしたくないし、安定した毎日を送っていては、自分に満足できない。

多部:そうですね、安定はあまり求めていないです。とにかく、新しいところが大好きなんです。お芝居をやっていると、ドラマも3ヵ月頑張れば終わって次にいけて、舞台も、お稽古から始めるとやっぱり3ヵ月ぐらいで終わって、また次にいけるので。

 
――そういう性格では、普通の会社勤めはできないでしょうね。

多部:(力強く)無理です。絶対無理。毎日同じ時間に起きて、同じ電車に乗って、会社に通っている友達とか、本当に尊敬します。私は、そういうルーティンが続くと、落ち着かないんです。すぐ違うことしたくなっちゃう。

 
――同世代の友達とは話が合うんですか? みんな「未華子は未華子だよね」って感じで、同調しない距離感で付き合っているんでしょうか?

多部:意外と友達からは、「未華子を見ると落ち着く」と言われます(笑)。安定を求める友達からすると、突拍子もないことをやっても何とかなっている私のような存在は、「これでもやっていけるのか」という安心に繋がるというか……。
 

画像: ブラウス¥39000/ハルミ ショールーム(ポンティ)☎03-6433-5395、スカート¥28000/ソルト プラス ジャパン(ソルト)☎06-6943-2535、シューズ¥63000/ヴィア バス ストップ ミュージアム(ステファン)☎03-5459-1567

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――大雑把に世代で括るのは大変失礼ですが、多部さんは、いわゆる “ゆとり世代” で、その世代の特徴としては、あまり消費を好まず、海外旅行に興味がなかったり、冒険をしたがらなかったりするようですが、多部さんは割とその世代の中でも “異端児” な感じですね。さっきの、1年間の流れの中にも、“旅” が入っていましたが、旅行はお好きですか?

多部:そうですね! 大好きです。みんなどうして行かないのか、わからないです。

 
――次はどこに行く、っていうのはどうやって決めるんですか?

多部:「はっ!」って思うんです(笑)。「ハッ! 次はヨーロッパに行こう!」と、直感で(笑)。

 
――サルトルの舞台をやったから、パリに行ってみようとか。何かに関連づけて行き先を決めるのは?

多部:それはないですね。「これを食べにここに行こう!」というのはありますけど。

 
――今まで訪れた街の中で、「ここなら住める!」って思った都市はありますか?

多部:住めません、どこも(笑)。住みたくありません。以前、ロンドンと、ニューヨークに3ヵ月ずつ住んでいたことがあるんです。それだけで、もうお腹いっぱいですね。

3ヵ月の滞在時間が終わりかけのときは、「もっといたい」と思うのですが、ずっとここで生活するのはちょっと……と感じました。骨の髄まで飽きっぽいんだと思います(笑)。

 
――ロンドンとニューヨークに滞在したのはどうして?

多部:ロンドンは、3ヵ月休みをもらえるなんてもうないだろうと思ったときに、どこにしようかと考えて、初めはニューヨークかLAにしようと思ったんです。

でも、ニューヨークやLAだと、そこからプチ旅行をするのも、アメリカ国内になってしまいますよね? もしくはカナダ。南米に行くにしても、日本よりは近いといってもやっぱり遠いし……。

でも、ヨーロッパに3ヵ月いたら、いろんなところに行けるなと思って。ロンドンに3ヵ月滞在している間に、パリ、南仏、ポーランド、スウェーデンに行きました。

 
――スウェーデンは、夏ですか?

多部:8月〜9月ぐらい。私の大学の先輩の友達の友達(笑)がスウェーデンに住んでいて、その人に会いにいきました。スウェーデンで「初めまして」の挨拶をして、それからいろんなところを案内してもらいました。南仏は、ロンドンで知り合った人が「別荘を持ってるから」と、連れて行ってくださって。どこもすごく楽しかったです。

 

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PROFILE

多部未華子 Mikako Tabe
1989年生まれ。東京都出身。02年デビュー。03年映画『HINOKIO』のメインキャストにオーディションで抜擢され、05年同作でブルーリボン賞新人賞を受賞。09年NHK朝の連続テレビ小説「つばさ」でヒロインを演じる。10年野田秀樹脚本、松尾スズキ演出の『農業少女』で初舞台を踏み、読売演劇大賞・杉村春子賞を受賞。以来、年に1〜2本のペースで舞台出演が続き、2012年には『サロメ』(宮本亜門演出)、『ふくすけ』(松尾スズキ作・演出)、2014年には『私を離さないで』(蜷川幸雄演出)、『キレイ〜神様と待ち合わせした女〜』(松尾スズキ演出)、2015年『ツインズ』(長塚圭史演出)、2016年には『尺には尺を』(蜷川幸雄演出)、2017年『オーランドー』(白井晃演出)など、そうそうたる演出家の作品に出演。2018年秋には、『TOP HAT』で初のミュージカルに挑戦する。

 

INFORMATION

舞台『出口なし』

窓もなくドアも開かない密室――。訳ありの過去を背負った3人(大竹しのぶ、多部未華子、段田安則)がそこに案内される。追いつめられた人生のデッドエンドで、3人は何を語るのか――? 実存主義を提唱した哲学者ジャン=ポール・サルトルの劇作家としての代表作。上演台本・演出を手がけるのは小川絵梨子。8月25日(土)〜9月24日(月・休)新国立劇場小劇場 9月27日(木)〜30日(日)サンケイホールブリーゼ ☎03-5423-5906(シス・カンパニー)http://www.siscompany.com/deguchi/gai.htm

 
Photo:Aya Kishimoto Styling:Setsuko Todoroki Hair&Make-up:Juri Nakanishi Interview&Text:Yoko Kikuchi

 

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