かなりの旅好きだという多部さん。今年は舞台を3本、それが終わり、晴れて30歳になったら、旅に出る計画をいくつも抱えている。旅との向き合い方について話を聞いていくうちに、仕事と旅の両方が、彼女の人生に不可欠なものだということがわかってきた。

 

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仕事が楽しみじゃないことはない
だって、全部自分で決めてるから

――長期の旅としては、過去に、ロンドンとニューヨークにそれぞれ3ヵ月滞在したことがあるということで、そのときの航空券や宿の手配は、自分でしたんですか? そういう旅に出るための準備を自分でするのも好きですか?

多部:そうですね。飛行機のチケットも自分で取りますし、ロンドンもニューヨークもアパートに滞在しましたが、その手配も自分で。ニューヨークのアパートにはルームメイトもいました。

 
――食事は? 一人でも大丈夫ですか?

多部:一人で食事もしますけど、「行くんだけど」とみんなに言っておくと現地で、「○○紹介するよ」ってなったりもするので。

 
――多部さんにとって旅とは何なんでしょう?

多部:仕事と同じで、すごく私の好奇心を満たしてくれることですよね。

 
――そういう意味では、常に新しい場所に行きたい派ですか?

多部:そうですね。もちろん、友達に会いにニューヨークに行くとかはありますけど、それなりに時間があるときは、行ったことのないところへ行きたいです。リゾートでぼーっとするよりは、朝からアクティヴに動きたい。朝市など、その地域の生活が見える場所へ行くのも好きです。
 

画像: 仕事が楽しみじゃないことはない だって、全部自分で決めてるから

――次に狙っているのは?

多部:来年行くことが決まっているのは、フロリダ、アフリカ、イタリア……。アフリカは、友達の発案なので、全部友達任せ。アフリカのどの国に行くかも知りません(笑)。「ここからここまで(スケジュールを)開けとくからね」って。行ったことのないところに行ければ、私はそれでいいので。

 
――ところで、仕事と旅の充実はわかりましたが、年齢的には、周りがどんどん結婚していくお年頃ですよね。そういう周りの流れを目の当たりにして、心が揺れ動いたりはしないですか?

多部:今はまったくないです! 揺れてたときもありましたけどねー(遠い目)。

 
――揺れてたときもあるんですね。

多部:ありますあります! ……あ、そうだ! わかった! 今わかりました! 私が大きな仕事が終わると必ず旅をしたくなる理由が。

日本人というのは、年齢に捉われがちだと思うんです。私の友達もそうで、「そろそろお年頃だから結婚しないと……」みたいな話を聞いていると、だんだん病んでくる。この、飽きっぽい私が、つい「私もそうした方が……」という日本人的横並びの概念に捉われてしまうこともあって。

そういうときは、必ず海外に住んでいる友達に電話したり、それこそ海外に行って、すべてを忘れて帰ってきます(笑)。日本人特有の考え方を全部置いて、帰ってくると、毎日がまた素晴らしく楽しくなるんです。そういう感じで生きています(笑)。

だから、そういう日本人的な考えに浸かりすぎて疲れると、“旅に出たい!” ってウズウズするんです。今年は舞台があるから、行けないことは覚悟してるんですが、今までは、一作品終わると、だいたいどこかに行ってました。
 

画像: ブラウス¥39000/ハルミ ショールーム(ポンティ)☎03-6433-5395、スカート¥28000/ソルト プラス ジャパン(ソルト)☎06-6943-2535、シューズ¥63000/ヴィア バス ストップ ミュージアム(ステファン)☎03-5459-1567

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――なるほど。多部さんにとっては自分をリセットしてくれるのが、旅なんですね。

多部:だから正直、舞台(大人計画『ニンゲン御破算』)が終わったばかりの今は、旅に出たくてしょうがない。でも来年はたくさん行けるから、今はそのために頑張っています。

日本は大好きですが、型にはめ込まれそうになるのは勘弁。かといって、話し相手が日本人精神を持ってないのもつらいから、海外に住んでいる日本の人と話すのは、いっちばんの癒やし(笑)。

でも、最近は、日本人的横並びの考えに流されることがすごく少なくなって……。いやー、逞しくなるんですね、人間って(笑)。

 
――そうやって逞しく、図太くなることに、一抹の寂しさを感じることは?

多部:ないですね(キッパリ)。さっきは、たまたまわかりやすいから “病んでる” なんて言葉を使いましたが、私、基本的に幸せじゃない時はないんです。

以前は、どうしても大人の事情で時間をとられることに多少の苦痛を感じることもありましたけど、年齢を重ねると、そういうこともなくなってきて。今は常に幸せなんです。なので、「あのときの私よかった」とか「あのときの自分に戻りたい」というのはありません。

働いているときも刺激をもらえるし、仕事が楽しみじゃないことはない。だって、全部自分で決めている。友達と会うことも、仕事をすることも、全部自分で選んでることだから。

 

PROFILE

多部未華子 Mikako Tabe
1989年生まれ。東京都出身。02年デビュー。03年映画『HINOKIO』のメインキャストにオーディションで抜擢され、05年同作でブルーリボン賞新人賞を受賞。09年NHK朝の連続テレビ小説「つばさ」でヒロインを演じる。10年野田秀樹脚本、松尾スズキ演出の『農業少女』で初舞台を踏み、読売演劇大賞・杉村春子賞を受賞。以来、年に1〜2本のペースで舞台出演が続き、2012年には『サロメ』(宮本亜門演出)、『ふくすけ』(松尾スズキ作・演出)、2014年には『私を離さないで』(蜷川幸雄演出)、『キレイ〜神様と待ち合わせした女〜』(松尾スズキ演出)、2015年『ツインズ』(長塚圭史演出)、2016年には『尺には尺を』(蜷川幸雄演出)、2017年『オーランドー』(白井晃演出)など、そうそうたる演出家の作品に出演。2018年秋には、『TOP HAT』で初のミュージカルに挑戦する。

 

INFORMATION

舞台『出口なし』

窓もなくドアも開かない密室――。訳ありの過去を背負った3人(大竹しのぶ、多部未華子、段田安則)がそこに案内される。追いつめられた人生のデッドエンドで、3人は何を語るのか――? 実存主義を提唱した哲学者ジャン=ポール・サルトルの劇作家としての代表作。上演台本・演出を手がけるのは小川絵梨子。8月25日(土)〜9月24日(月・休)新国立劇場小劇場 9月27日(木)〜30日(日)サンケイホールブリーゼ ☎03-5423-5906(シス・カンパニー)http://www.siscompany.com/deguchi/gai.htm

 
Photo:Aya Kishimoto Styling:Setsuko Todoroki Hair&Make-up:Juri Nakanishi Interview&Text:Yoko Kikuchi

 

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