世界最大級の国際芸術祭である「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」。今期はこれまでの作品群に加え、172点の新しい作品やプロジェクトを鑑賞することができます。

オフィシャルサポーターを務めるマクアケの取締役・坊垣佳奈さん主催のアート好き女子のための1泊2日ツアーに同行させてもらったので、見どころを2回にわたってお届け。前編では、インスタグラムでも話題になっている作品から、人気芸術家の新作展示と特別企画展が開催されている美術館までをご紹介します。

 

大地の芸術祭
越後妻有アートトリエンナーレとは?

大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ(以下、大地の芸術祭)は、越後妻有と呼ばれる新潟県十日町市と津南町を舞台に、2000年から3年に1度開催されています。東京23区の約1.2倍ある広大なエリアに378点のアート作品が点在。前回2015年は約51万人の来場者数を記録し、アジア圏の来場者も増えているそう。“人間は自然に内包される” というコンセプトのもと、自然と融合した作品や地元の人との関わりも魅力のひとつです。

大地の芸術祭を存分に楽しむには、スタンプ帳になっている「作品鑑賞パスポート」の購入がおすすめ。会期中、各施設のアート作品や屋外作品をすべて鑑賞することができ、温泉や宿泊施設、イベント割引など各種優待が付いています。
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1日目
アート初心者や子供も楽しめる
目玉作品が盛りだくさん

ツアーの出発地点となった越後湯沢駅は、東京から新幹線で約1時間半というアクセスの良さ。一同が乗り込んだバスは、市街地を抜けて山道を進み、越後妻有を代表する名所のひとつである「清津峡渓谷トンネル」に到着。ここには、中国人建築家のマ・ヤンソン率いるMADアーキテクツが手掛けた、エントランス施設とトンネル内のインスタレーションが誕生しました。

トンネルを外界から遮断された潜水艦に見立て、外を望む潜望鏡として各作品を展開。エントランス施設の1階には受付とカフェ、2階には足湯があり、湯に浸りながら鑑賞できる『ペリスコープ』は、天井に丸く開いた潜望鏡に自然の景色が映り込みます。
 

画像: マ・ヤンソン/MADアーキテクツ『ライトケーブ』

マ・ヤンソン/MADアーキテクツ『ライトケーブ』

全長750mのトンネル終点にあるパノラマステーションにつくられた『ライトケーブ』。天井に貼られたステンレス板が清津峡の景観を反射し、水面に反転して映す幻想的な眺めが待っています。インスタグラムで話題になり、今期では人気No.1の作品です。
 

途中にある見晴らし所にも作品があり、トンネル内はどこを切り取ってもフォトジェニック。整備された道が続いているので、子連れやベビーカーでも安心です。1~2時間待ちもありえる大人気作品ですが、強いて言うなら16時からが狙い目とのこと。

【Comment】
「写真で見てすごく綺麗な光景だったので印象深く注目していました。トンネルからの外の風景、暗闇からの明るさが引き立ってとても幻想的な空間でした」(櫻井聖子さん)
 
「写真で一目見て美しい場所だったので行ってみたいと思っていました。作品の辿り着くまでの道のり(トンネルの中)も探検しているようなワクワク感があり、辿り着いて視界がひらけた瞬間に飛び込んでくる景色に息をのみました。美術館では見られない、芸術祭ならではの大自然の賜物だったので、参加してよかったと思えた場所でした」(芹澤直美さん)

 

続いて訪れたのは、見晴らしの良い広場に佇む『たくさんの失われた窓のために』。作家の内海昭子は、妻有の自然に圧倒され、自然を邪魔することなく慎ましく咲く花のような作品を目指したそう。大きな窓とたなびくカーテンを通して見る風景は、これまで目にしてきた景色とは違って見え、見る人それぞれの感情を引き出します。

【Comment】
「作品のストーリーや思い、素晴らしい風景との一体感に感動しました」(村上綾さん)

 

作家の磯辺行久による『川はどこへいった』は、約450本の黄色い旗を使って、昔の信濃川の流れと、河岸段丘の跡を再現しています。かつて蛇行していた川が、田畑やダムの開発などによって姿を変えたことを可視化し、水量や生態系に大きな影響を被っていることを教えてくれる作品です。

駐車場からベストビューポイントまでは、砂利道や農道を10分ほど進むので、歩きやすい靴で行くのがおすすめ。
 

画像: 田島征三『鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館』

田島征三『鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館』

日本を代表する絵本作家の田島征三が、廃校になった真田小学校を “空間絵本” として甦らせた『鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館』。詩人で翻訳家のアーサー・ビナードとのコラボレーションにより生み出された、マムシがテーマの巨大作品を含め、校舎中に散りばめられたオブジェはすべて、拾ってきた木の実や流木などに絵具を塗り、約半年かけて手作りしたものです。
 

最後の在校生3人が主人公の絵本『学校はカラッポにならない』の世界が学校中に広がっています。カラフルで躍動感溢れる生徒や先生のほか、学校に棲みつく夢を食べるおばけ「トペラトト」、夢をつぶすおばけ「ドラドラバン」も登場。

絵本を読んだり、寝転んだりできる教室もあり、子供が喜ぶこと間違いなしです。カフェやミュージアムショップもあるので、大人もゆっくり楽しむことができます。

【Comment】
「廃校、最後の3人の生徒の思い出……と作品に込められたストーリーに共感しやすい点、ポジティブな哀愁を体感できる点が希少なアートだと思います。他では体験できないのでは」(真下紗枝さん)

 

画像: レアンドロ・エルリッヒ『Palimpsest:空の池』

レアンドロ・エルリッヒ『Palimpsest:空の池』

この日最後の鑑賞となった「越後妻有里山現代美術館[キナーレ]」は、大地の芸術祭の中心的な施設です。エントランスを抜けるとまず飛び込んでくるのは、アルゼンチンのアーティスト、レアンドロ・エルリッヒによる『Palimpsest:空の池』。

キナーレの中央にある大きな池の水面に光が反射し、空や建物が映り込んでいるように見えるが、実際は水底に描かれたグラフィックで、レアンドロ特有のトリックアートを楽しめます。

【Comment】
「新しい作品のため期待していました。また、レアンドロの作品は元から好きなので見れてうれしかったです」(岡本あずささん)
 
「子供も大人も楽しめるし、ビールも飲めるしご飯も食べられるのでオススメ。プールが水没都市みたいで幻想的でした」(立浪洋子さん)

 

また、キナーレでは大地の芸術祭にあわせて、特別企画展「2018年の〈方丈記私記〉~建築家とアーティストによる四畳半の宇宙~」が開催中です。池を取り囲む回廊には、公募から選ばれた約30組の建築家やアーティストが手掛けた、四畳半の空間がずらりと並んでいます。

フェルトに覆われ、優しい光に包まれた『羊の美容室』や、ユニークな酒器「酔独楽(よいごま)」でお酒を提供するバーカウンター、デジタル加工した段ボールを材料したコーヒースタンドなどを展開。
 

自然の中に並ぶ作品たちは、時間や天候によって別の表情を見せてくれるから、何度でも足を運びたくなりますよね。次回は、5つのエリアを跨いだ、アート好きにはたまらない作品たちをお届け。

大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2018
会場:越後妻有地域 (新潟県十日町市、津南町)
開催期間:2018年9月17日(月)まで
2018芸術祭作品鑑賞パスポート¥3500、高・専・大学生¥3000、中学生以下は無料
http://www.echigo-tsumari.jp/

 
Composition:Aiko Sugiyama

 

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