涙が止まらなかったのだそうだ。子供もなく、ましてやシングルマザーでもない内山理名さんが、初めて『single mom 優しい家族。 a sweet family』の台本を読んだとき――。

今回、彼女が演じたのは、北海道のニセコに住むシングルマザーの空愛美実(そらまなみ)。愛娘と二人暮らしをしながら、仕事が決まらず、貧しく、惨めな生活をしている女性の役だ。贅沢はさせてあげられないけれど、娘への愛情だけはたっぷり注ぐ愛美実。そんな彼女は少女時代、シングルマザーだった母と衝突が絶えず、中学生のときから3年間、母と引き離されて暮らすという、つらい過去を抱えていた。

あらすじだけを追うと、まるで暗く重い話のように感じられるかもしれないが、映画自体は、北海道の大自然の中で人の優しさが交錯する、心温まる作品に仕上がっている。

 

同情や共感ではなく、
一人の女性の生き方に惹かれました

©single mom優しい家族。製作委員会

――映画を拝見して、まるでドキュメンタリーのようだと思いました。シングルマザーのリアルな日常というのを、実際に目にすることはないのですが、「ああ、きっとこんな感じなのかな」と、すごく素直に受け入れられたというか。内山さんの演じた愛美実の佇まいが、お腹いっぱい食べることもままならない感じがよく出ていたのも、映画に引き込まれた理由の一つですが、今回、役のためにダイエットはなさったんですか?

内山:撮影が夏でしたし、自然と少し痩せたのかな。もちろん、役として多少減量は意識しましたが、体力まで奪われてしまうようなハードなものではありません。あとは、監督がシングルマザーの取材に行ったときの映像を事前に見せてもらっていて、そこから自分なりのイメージが湧いていましたね。 

 
――ドキュメンタリーと言っても、実際にシングルマザーの生活の中にカメラが入り込んで撮影されたとしたら、その人はカメラを意識してしまって、映画のような映像は撮れないと思うんです。映画というフィクションなのに、よりリアルな感じがしたのが、面白かった。ひもじさのあまり、おせんべいの袋に残った粉を最後までキレイに舐めちゃう。そういうディティールの描写が秀逸でした。

内山:あのシーン、実は私が監督に提案したんです(笑)。子供の頃、おせんべいの粉を舐めてるだけでも嬉しかったことを思い出して。

「おやつはこれだけよ」って渡されると、子供って、ちゃんと最後まで味わい尽くすじゃないですか。だから、リハーサルの時に思いついて、「こういうのどうですか?」って言ってみたんです。
 

画像2: ©single mom優しい家族。製作委員会

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