SDGs への取り組みが遅れていると言われる日本。しかし全国各地を見渡すと、草の根的に新しい動きがはじまっていました。ここでは、一歩先を行く国内の取り組みをご紹介します。

東京・広尾にある小さな花屋〈アフリカローズ〉には、生命力溢れる、色鮮やかなケニア産のバラが並びます。なぜ、ケニアのバラなのだろうか。店長の松野彩加さんに話を伺いました。

画像: 強く美しいケニア産のバラが並ぶ、東京・広尾にある花屋が目指す世界

 

ケニアと日本に笑顔を。
強く美しいアフリカのバラ

萩生田さんがケニアのショッピングセンターの一角で出会ったバラ「マリクレール」。2、3日で枯れてしまうと思っていたが、1週間以上も咲き続けた。

「この店は、代表・萩生田愛のアフリカでの体験がきっかけで生まれたんです。当時29歳の萩生田は、ボランティアで半年間ケニアに行きました。週末は首都ナイロビのホテルに泊まり、平日はそこから車で5時間かかる田舎町で学校を作るという内容でした」

ある週末、ナイロビのショッピングセンターを訪れた萩生田さん。大きなバケツに活けられた美しい花が目に留まった。花の種類を尋ねると、店員さんは「日本にはバラはないの?」と笑って聞き返したという。

「日本にはない、美しいバラに萩生田は感動し、花を買ってホテルに飾りました。しかし彼女がホテルに帰るのは次の週末。枯れているだろうと思いながら翌週帰ってくると、まだ生き生きとしていたのです。バラは儚いというイメージが覆された瞬間でした」
 

画像: 〈アフリカローズ〉が取り引きしている農園は、東京ドーム16個分ほどの敷地面積を持ち、契約当初は150人だったという従業員は、2016年で1830人まで増加。奨学金制度や病院、学校が敷地内に併設されるなど、従業員やその家族にも優しい経営が行われている。こうした活動は、SDGsナンバーの8「働きがいも経済成長も」、10「人や国の不平等をなくそう」などに当てはまる。 ©Naoko Sakuragi

〈アフリカローズ〉が取り引きしている農園は、東京ドーム16個分ほどの敷地面積を持ち、契約当初は150人だったという従業員は、2016年で1830人まで増加。奨学金制度や病院、学校が敷地内に併設されるなど、従業員やその家族にも優しい経営が行われている。こうした活動は、SDGsナンバーの8「働きがいも経済成長も」、10「人や国の不平等をなくそう」などに当てはまる。
©Naoko Sakuragi

その後、ボランティアの任期を終えて日本に帰ってきた萩生田さん。ケニアは世界第2位のバラの輸出国でありながら、日本へはこれまでほとんど流出していないことを知る。他にないなら自分でやろう。こうして〈アフリカローズ〉は幕を開けた。

「たくさんあるファームの中から、児童労働をさせていないか、環境に配慮されているか、利益が従業員にきちんと還元されているかを考え、その上で日本の一軒の花屋を相手に輸出してくれるところを探すのに苦労したようです。現在取り引きさせていただいている農園は、働く人たちが、いつも楽しそうに歌いながら作業しているところが印象的でした」
 

画像: 日本のバラでは見ることのない色合いと、美しいグラデーションが特徴。

日本のバラでは見ることのない色合いと、美しいグラデーションが特徴。

到着したバラの厳しい品質チェック、フィードバックは欠かさない。

「フェアトレードだからとか、アフリカの雇用に繋がるからという理由でこのバラを買いに来るお客さんはほとんどいません。でも、私たちは対等なパートナーシップを築き、取り引きをすることこそがお互いの成長に繋がると考えています。だから、気づいたことは報告し、常に納得するクオリティを提供できるようにしています。皆さん、この生命力に溢れた美しいバラの魅力を理解してくれているんです。美しいからまた買いたいという思いをきっかけに、結果としてケニアに興味を持っていただければ嬉しいですね。アフリカに対して、途上国や貧困というイメージを持たれる方もいると思います。でも、こんなに綺麗なバラがある国だということを、たくさんの方に知ってほしいんです」
 

画像: 当初は月に500本ほどの入荷量だったケニアのバラ。年々増え続け、現在では月に4000〜4500本が届くという。

当初は月に500本ほどの入荷量だったケニアのバラ。年々増え続け、現在では月に4000〜4500本が届くという。

日本でバラを手にした人が笑顔になると、ケニアでの雇用が増え、さらに笑顔が増える。

「食料を与える、学ぶ場を与える、医療を与える。いろんな援助の形がありますが、私たちはバラで、ケニアの人々に働く喜びを感じる機会を提供できると考えています。ケニアと日本の笑顔の輪が、さらに大きく広がっていくことを目指しています」

AFRIKA ROSE
東京都渋谷区広尾5-18-8
☎03-6450-3339
営業時間:11:00~20:00
http://www.afrikarose.com/
 
最高品質のアフリカ・ケニアのバラを専門に扱う「アフリカの花屋」。また、アレンジメントレッスンや、1日花屋さん体験も開催している。

 

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画像: ケニアと日本に笑顔を。 強く美しいアフリカのバラ

 
●情報は、FRaU2019年1月号発売時点のものです。
Photo:Koichi Tanoue Text:Saki Miyahara Edit:Emi Fukushima

 

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