SDGs への取り組みが遅れていると言われる日本。しかし全国各地を見渡すと、草の根的に新しい動きがはじまっていました。ここでは、一歩先を行く国内の取り組みをご紹介します。

開放感のあるフロアにところ狭しと並ぶのは、長い年月を経て味のある表情を見せる古材や古道具の数々。東野唯史さん、華南子さんが主宰する〈リビルディングセンタージャパン〉の活動は、解体される家屋や店舗などから未来に繋ぎたいものを “レスキュー” することです。

画像: 古材をレスキューして新たな価値を生み出す、長野のリサイクルショップ

 

レスキューから旅立ちまで。
古材の魅力を未来に繋ぐ

画像: 解体現場から引き上げられた建具の数々。

解体現場から引き上げられた建具の数々。

引き上げられたものは、清掃作業を経て一旦店頭へ。そのまま誰かの手に渡ることもあれば、家具や、フォトフレームやカッティングボードなどの雑貨、店舗の床や壁など、姿かたちを変えて蘇ることもある。
 

画像: 古材売り場では、素材とともに、いつどこでレスキューされたものなのかが表示されている。

古材売り場では、素材とともに、いつどこでレスキューされたものなのかが表示されている。

もともと、空間デザインユニット〈メヂカラ〉として日本全国を飛び回り、地方の空き家問題を目の当たりにしていた二人。取り壊される建物から出る古材や古物を再利用することで、使い継いできた人々の思い出も大切にできたら。そう思い、少しずつ廃材を空間デザインに活用していた。しかし、集めた材をストックしておくのにも一苦労。各地の解体現場から出る古材を集めたスペースがあればと考えていた。
 

画像: 店内に並ぶものは、古材を中心に家具や食器、道具など、多岐にわたる。「よく、ゴミ袋の中に入っているものや庭先に落ちている木片、錆びた道具なども『これも引き取っていいですか』とご相談するので、依頼主からは驚かれることが多いんです(笑)」SDGsナンバー12の「つくる責任 つかう責任」、15「陸の豊かさも守ろう」にも当てはまるアクションだ。

店内に並ぶものは、古材を中心に家具や食器、道具など、多岐にわたる。「よく、ゴミ袋の中に入っているものや庭先に落ちている木片、錆びた道具なども『これも引き取っていいですか』とご相談するので、依頼主からは驚かれることが多いんです(笑)」SDGsナンバー12の「つくる責任 つかう責任」、15「陸の豊かさも守ろう」にも当てはまるアクションだ。

そんな折、旅先のアメリカ・ポートランドで古材リサイクルショップ〈リビルディングセンター〉を訪れた二人。そこで目にしたのは、古材を活かし、自ら家具や日用品を作ったり、手を入れたりと、ものを長く大切に使う人々の姿。この土地に根付いたサステナブルなライフスタイルに触れ、大いに刺激を受けた。陽気に楽しく働くスタッフたちの姿にも惹かれ、名前を借りて日本でも実現したいと、帰国後すぐに本家にアポイントを取ったのは、ある意味必然の成り行きだったとも言える。
 

画像: 店内のカフェ〈live in sense〉。古材を加工する作業場が見通せるこの空間に一目惚れをして、この建物に決めたのだそう。

店内のカフェ〈live in sense〉。古材を加工する作業場が見通せるこの空間に一目惚れをして、この建物に決めたのだそう。

当時二人が居を構えていたのは、長野県の下諏訪町。仕事の都合で一時的に住んでいた土地だったが、空き家の多さと首都圏へのアクセスの良さを考慮した結果、そのまま諏訪地域での開業を決意。2年が経ち、現在レスキュー件数は350件を数える。
 

画像: 代表の東野唯史さん。

代表の東野唯史さん。

「古材の魅力は、味のある見た目の良さはもちろん、“資源” として何度でも循環させられることにあります」と話すのは、華南子さん。レスキューすることで解体現場のゴミが減るとともに、新たに木を切らずとも再び活躍できる資源を引き上げられる。さらに、店内の暖房は薪ストーブを使用。割れてしまった材や加工の過程で出た半端な材は燃料にし、使い切る。おかげで、木材を産業廃棄物として出したことは一度もないという。
 

画像: 地域の女性たちが、家庭や学校などから出た廃油を集めて作った石鹸「リビセッケン」も販売。レスキューは古材だけにとどまらない。

地域の女性たちが、家庭や学校などから出た廃油を集めて作った石鹸「リビセッケン」も販売。レスキューは古材だけにとどまらない。

そして、レスキューしているのは古材や古道具だけではない。使い継いできた人々の気持ちに寄り添うこともまた、二人が大切にしていること。「家を壊すことは、依頼主にとっては人生に一度の大きな出来事。寂しさや悔しさ、色々な感情がある中で、家の一部分でも未来に繋ぐことで、その方の気持ちも救えたら」と華南子さん。二人のはじめた活動は、古材を再利用するだけではなく、そこに込められた人々の思いも未来に受け継ぐことで、新たな価値を生み出している。
 

代表の東野華南子さん、唯史さんご夫妻。

ReBuilding Center JAPAN
長野県諏訪市小和田3-8
☎0266-78-8967
営業時間:11:00~18:00
定休日:水・木
http://rebuildingcenter.jp/
 
レスキューは、店舗から車で片道1時間圏内にて対応可能。

 

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画像: レスキューから旅立ちまで。 古材の魅力を未来に繋ぐ

 
●情報は、FRaU2019年1月号発売時点のものです。
Photo:Koichi Tanoue Text:Emi Fukushima Edit:Emi Fukushima

 

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